飲み会に行くためのだけの上京日記

あっという間に1日が過ぎていく。
集中しすぎて息を忘れる。ブハァとなって現世に戻るとアトリエは暗闇。思考の深海に潜って気付けば2時間。考え続けるも釣果なし。けたたましい音を立てて救急車が走り去り、赤色の光が部屋に差し込み過ぎ去って消えた。

灰皿はタバコの山。
おかしいさっき買ったはずの箱が残りわずかだ。
考えながら吸っていた。損した気がする。
うまく言葉とアイデアを見つけられず気持ちは足元を眺める。

グゥと腹がなり、体が何か食えと教えてくれる。
ラーメンでも啜って銭湯に行こう。疲れと雑念を洗い落とそう。トボトボと、本当にトボトボと歩いてラーメン屋へ。常連なので「まいどぉ」の声。松倉のパワーフード。いつものお願いしてズルズル。ご馳走様でしたと店を出る。

空腹を満たし、近場の銭湯へ。
さー洗い流すかーと思いきや臨時休業。
崩れ落ちそうな僕の隣で、おそらく常連のおばちゃんが絶望的な顔して一緒に眺めてた。
「にいちゃんも、ここ？」
そうそう。急に休み増えてるの知らなかった。
「わたし、知っててん。うっかりや」
もうここらは花の湯くらいだねぇ
「もう歳やし、歩くのしんどいわぁ、諦めよ」
俺もっす、ではまた。

絶望の顔していた半分は、知っていたのに忘れていた自分への絶望だったのか。面白いな。
諦めて家路を辿る。出張の準備をして溜まった疲れを風呂で落とし就寝。

たくさん寝ればいいのに目が覚めて、再び言葉を探しに思考のダイブ。気がつけば出発の時間。事前に用意していた荷物を背負って東京へ向かう。おびただしい数のインバウンド。いい季節に京都へようこそ。ナイスタイミングや。ホテルもウハウハガバガバシーズンやな、頑張って耐えたもんなぁ。