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ぬえ 第7期目振り返り

あぁ…もう終わる。休みなしで1年が終わろうとしている。
画像にもあるようにぬえはマジで妖怪化するほどの忙しさでした。
思い返せば6期目は大変だった。大型案件過信しすぎた結果の大幅ショートで大反省。すぐさま銀行が動いてくれて銀行は仲間なんだ!という気付きもあった。

前期の反省もありつつ、2023年7月ー2024年6月までは反省と改善を繰り返しながら走り続けた1年になりそう(残り2ヶ月くらい)です。
本当、毎年学びがあるのが会社経営の面白いところ。そんなこと誰かのためになるのかわからないけど、地味なことも含めて小さい組織の参考になるかもしれないのでまとめておきます。


目標は達成。大中小規模案件を満遍なく。

目標値を「10」としたときに、以下の割合や!!と確信してるのは。

大:中:小 = 2:4:4

これ!以前は大規模案件「5」みたいな重要度で見てしまっていた。これが大きなショートもこの割合を大きく見すぎてたから。軽く半年ずれるのが大型案件。この改善をした結果、目標売上でもある1.5億をクリアできそな気配。前は直前まで大型5割入るのか?入らないのか!?となり、結果来期にずれたという結果。怖いよねぇ。

なぜ「2」までに落としたかというと、予想外に儲かりすぎてもこちとら困らないから。むしろ、予想通りに着地するには大型に期待するのは博打になる。手堅い中、小で8割型をキープできない限り経営的にアウトだと今更気づく。

そんな意味で大活躍だったのが弊社の30歳スタッフ、26歳スタッフ。
40歳社員たちは中規模、大規模にかかりがちなところをしっかり丁寧に小規模を積み上げてもらいました。

プロジェクトの原価率でいくと、松倉は大規模がっつり、中規模監修、小規模任せた!にしなければいけない。
40歳スタッフは大規模アシスト、中規模がっつり、小規模監修。
若手スタッフは中規模アシスト、小規模任せた!
という具合。いいグラデーションに自然となったなと学びがあった。
会社規模で色々バランスは変わると思うけれど、経営目線で全体案件ボリュームや重さを見ながら構築するといいと思います。

稼働率の気付き。120%→80%に落とすには?

これは今期終わりかけで気付いたこと。数字が達成されるチームの高揚感あって見過ごすのですが、サムネイルのごとく皆ボロボロ。稼働率120%(とはいえ、週休3日キープの残業なし)な状態。納品前はどうしても水曜日稼働とか発生しちゃうんだけど、納品量が増えると見過ごせない数出てしまっている。こりゃ問題だ。

現状の数字をキープしながら120%を80%にしないと万が一の対応に遅れがでたりとトラブルに弱くなる。スタッフの活力も落ちる。単価を上げて稼働を落とす割合で目標値を下げずに稼働余白を広げる。これ以外に方法があるかも含めて残りの2ヶ月を過ごす予定。

この判断が正しいかのジャッジは、今期納品したものに対して「この案件は、ぬえじゃなくてもよかったんじゃないか?」というものの分析が必要だと思っている。単価があがってでも、ぬえに相談したいというよりコチラの指名度が高い人たちと向き合う時間を増やしていきたい。

とはいえ、全体の単価をあげると上述した小規模案件「4」に影響が出てしまう。単純に単価を全体的に上げればいいのではなく、ラーメン屋の原価が上がっているのでラーメン1杯1000円が成立するような揺るぎないロジックが必要ではないかと考えている。これ難しいお題だなぁ。

男女で育休制度・産休制度が違うぞ!気をつけろ!

昨年、はじめてうちの社員が出産で産休制度を整えるぞ!となって社労士さんと相談しながら構築しました。既存の制度+会社の独自制度みたいな無数のパターンがあるのだと学びが大きかった。産前産後。そうだよなぁと。

そして、今男性社員が育休制度を使用して、じゃあ昨年使った産休制度を…と思ったら、あれこれって根本的に違うじゃんと気付き、聞いてみると男性と女性で全然違う制度が違う。もう全然違うもの。育休中の男性社員が前向きに今後の社員のために色々構築してくれたりパターンを出してくれた。

これ急に制度スタートというわけではないので、もし社内に出産を控えている人たちがいたら余裕持って半年前くらいから動き出したほうがいいです。必要書類の手配など結構時間がかかります。でも一度制度を作っておくと取得フロー残しておけば、今後の社員もそれを見て自分のやり方にあった方法を選択できるようになります。

女性・男性の制度を作ったものの、俺、これ俺が使わない制度。でも、今後の社員のためにしっかり作りこめてよかったなと思うし、俺一人でやらずに社員に助けて!!といって一緒に動けたのがよかった。

バディ制度の見直し、外部Dirとの連携の可能性

うちは社員2名で1案件を対応するようにしている。しかし、これが今期あたりからバランスが悪いかもなとなってきた。なぜだろう手厚いのにと思っていたが、理由はシンプルで「社員が成長した」ということだった。

中堅社員に対して、若手社員がアシストみたいな構図だったが、若手も育ったとなってる状態で過剰だなという気付き。今期後半から外部のフリーDirと組み合わせて動くほうがいいのではないかと思った。何より、外部ディレクターから学ぶことが多く、なんというかこういうのもなんだが、めっちゃしっかりしている。

社員同士で盗めることには限界があって、社外の仲間からもどんどん学べるだろうという利点と、組織を超えたエージェンシーというかプロダクションというか、ネットワーク化されたクリエイティブチームの可能性が開けてくると思っている。

とはいえ、今まさにトライ中で今後にさらなる気づきがあると思う。
これのメリットはバディ制度を導入することで預かった金額と上げた利益の割合の計算が難しいかったのが、アホほどクリアになる。加えて、一人単独でやり切るおもたさを外部Dirのアシストもあり分散できるのも社員の体力と心を守るために一躍買う。

思い切って営業を入れて、めっちゃよかった。

今期のスタートでぬえに営業を入れた。仕事はほったらかしでも来るのが実情だが、これは先行投資だ。今までの営業活動は僕だけがやっており、全ての依頼が松倉指名だった。この脱却というか、これをキープしながら、倍量の仕事依頼がぬえ指名でくる状態を構築しないと未来がない。

ぬえでイレギュラー採用は、大学卒業できなかった阪田くんと、この営業中村。大学時代の連れであり、こいつ営業の才能すごいなぁというのと人たらしである。大手に所属していたけど、マインドはインディーなのでこっちおいでよという流れで引き抜いた。圧倒的にクリエイティブ業界にいない存在。僕のように自分で発信することが好きな人はいいが、才能あるのに発信が弱いクリエイターとか無限にいる。これは業界的に必要な才能だと思っている。

なにより、僕の知らないところで営業がしっかりぬえを宣伝してくれることがめちゃくちゃ効果ある。僕と相性良い人はすぐに刺さるが、同じ数以上に僕と相性が悪いお堅い企業もある。そこが僕のキャラで刺さらないケースもあるので営業が切り開いていく。いまぬえの営業ツートップ的に僕と営業が動いている。これは未来に大きな結果を生むだろうと予測している。

ボス不在のリーダーシップの育て方

嬉しいことに松倉不在の案件がしっかり確実に増えている。
社員指名できたり、会社指名できたり。これを望んでいた。
そんな風景を眺める中で時折発生する決定力不足と不安そうなクライアントという状態が生まれていた。

ちょいちょい顔を出すのが良くなかったのかもしれない。
先方に対しても社員に対しても、最終決定権は松倉という無意識の空気が生まれてしまっていた。これではクリエイションは育たない。案件担当がリーダーシップを発揮してクライアント含むチーム全体を牽引していかなければいけない。はたとその気づきと共に「リーダーシップ」について、何もスタッフに研修していなかったなと思ったのだ。みんなしてる?

プロジェクトリーダーは誰よりも、そのプロジェクトに向き合い無数の制作パターンをシミュレーションし、起こりうるリスクを想定しながら、攻めのディレクションと決定、守りの予算とスケジュール管理を全うしなければいけない。相談を受ける機会で感じたのが、任せている案件で口を挟むことは難しいという点と、それって自分が一番わかってることだよね?ということだ。決定することの不安が先立っている。これを改善していきたい。
でも教えるのが一番難しいことだなーというのと、合う人合わない人がいるよなーと思って、まずは自分が勉強をしようと思っている。

ボスの最適配置〜任せる勇気 / やらない覚悟〜

現場至上主義なボスがあるあるで顔出しすぎてしまう。スケジュールがそれでパンパンになってしまう問題が最もピークに発生した1年だった。
もうこれやってちゃダメなんだという反省が1個前に書いたリーダーシップが育つ環境を僕自身が奪っていたという反省だ。

任せるよ!といいつつ、顔出してるのってただの僕の不安だし、それって社員に対して信頼していないって表れじゃんと今期1番の反省をしている。
中途半端ダメ絶対。プロジェクトの新規相談にまずは松倉必須というのもどんどん外していっている。社員の最適配置を考えることはできるけど、社長の自分自身の最適配置がないがしろでよくないなと現在調整中。

お金もみているので、僕が無駄に動くだけでお金がジャラジャラ捨てているようなものなのだ。社長をもっとも稼げる状態に置くには何が最適化をすごいメタ的に見ている。簡単にいうとプロジェクト初期のリサーチと企画・戦略立案、そして提案。チームへの世界観共有のブルーシート制作。以上。
これが一番松倉が稼げる。これだけに特化させて、他の業務は最適な担当者に配分していく。配分先がないところの人員獲得を考える。これが大切な流れだなと感じた。闇雲に人は採用しないが組織が持続的に成長できるフォーメーションにおいて不足するポジションがあれば積極的に人攫いに来期は励みたい。

社長の無思考な行動で社員の成長機会を奪うってのは、社長が思っている以上に多いのだなと痛感した1年。この学びを活かして来期は僕だけじゃなくチーム全員がグンと成長する一年にしていきたい。

社員の成長と裁量配分

社員の成長たるや目まぐるしいものがある。特に若手に関してはぐんぐん伸びる。そこをしっかり理解していないと正しい打席を用意できない。今年は任せる場所も増やしつつ、バラバラと働いている仲間の動きをじっと観察するように見ていた。働きながら。

そこでわかってきたことがあって、早熟タイプと晩成タイプがいる。
これはダビスタ世代はすごい頷いてくれると思うが、人もそうなのだ。
20代の若手社員は早熟タイプだ。担当案件も増え、様々な経験を重ね、急加速で成長している。その成長に与える打席が追いついてないので焦るくらい。松倉はこのパターンで20代後半か30歳くらいで一度折れる。挫折を体験することを見越して、どういう成長機会を作っていくかを考えている。

30歳の社員は最早ぬえの古株だ。彼は晩成タイプ。ものすごく目の前のプロジェクトを冷静に見て、一手一手を先読みしながらうっている。なので勢いだけでいく松倉みたいな早熟タイプとは根本的に思考回路が異なる。自分でロジックとプロセスを立てて、想定どうり動いた時に血肉化される。なので早熟タイプとかチャキチャキすでに働いてるキャリアから見ると、手が遅いと思われることがあるが、このタイプは一度ミスると二度とミスらない。頭がいい。なので急かしたりしないで見ていると、ものすごくどっしりした存在感と早熟タイプにはないチームメンバーの分厚い信頼感を獲得している。

40歳社員になると今まで成長してきた柱とは異なるチャレンジをする。
僕が経営をしていることと同じでクリエイティブに挑戦する者もいるし、バックオフィスが向いてるんじゃないかと新しい動きをするものがいる。
僕も同い年だからわかるが、これまで培ってきたものの頭打ち感を感じるのだ。もう一つの武器を掛け合わせて自分の存在を強化したい。そんな年頃が我ら中年チーム。これまでの経験の引き出しもふんだんにあるし、それらは下の世代に教えつつ、自分自身の新しい可能性を模索する。この行動はこの先引退するであろう晩年まで響く大事な挑戦だと思っている。

こんな感じで社員たちの今できること、これから出来るかもしれないことをしっかり見定めてプロジェクトにアサインしていく。空いてるから担当させるでは絶対ダメ。人生で関われるプロジェクトの数は限られている。社員にそんな無駄な時間を割かせたくないし、僕も割きたくない。
ボスは変な口出しせずに可能性の芽をしっかり見つめていようと思う。

Aiの併用と促進

まだ社員ががっつり導入できていないことがずっと気がかりなまま1年間、ChatGPTやそれらAiツールの可能性を模索していた。
常に5匹くらいの毛色違いのAiを育てながら、主には事務的な処理の対応をさせたり、WEBをクロールさせて膨大なデータから特定の情報を抽出させたり、松倉がやりたくない機械的な処理をAiが驚きの速度でサポートしてくれた1年だった。コピーライティングのアシストAiは創造性はないので僕が執筆に必要なキーワードの洗い出しを高速で展開してくれるし、誤字脱字の修正もサクッとしてくれる。ある程度の必要工数を伝えて、依頼したプロジェクト概要に対してざっくりの必要工数を洗い出すスケジュール検討くんもいる。タスクの細分化を綿密にしてくれるタスク細分化くんもいる。

これら地味な作業を依頼すれば二十秒以内にできるのに対して、社員はまだアナログでやっている。Aiがいうことはすべて懐疑的に見る必要はあるが、初期のざっくりとした目星をつけるには十二分に活躍してくれる。
機械たちと戯れた結果、得意不得意も見えてきているし、アシスタントAiとして一緒に働けない人材は未来では無能な人になることは誰にだって予測できることなのだ。なので来期は各自にAiアシスタント使い方を教え込むことで業界負荷の軽減や業務効率の向上を目指そうと思っている。

Aiに創作は向かないが創作をアシストするのには十分すぎる存在だ。
これを人に依頼していたら何かしらのハラスメントになってしまうことも彼らはサクッと対応してくれる。人間以外の仕事パートナーを持つ時代がデフォになるので身につけさせたい。

バックオフィスの必要タイミング / 人的ミスの抜本的改善

案件が増えたことで人的ミスが爆増したように思う。同じミスを繰り返す人もいて、はてどう習慣化した方がいいのだろうと頭を抱えること数えきれない数。社員一人の事務処理レベルは固有性も性格もあるので悩ましい。

制作に没頭してもらいたい一方、バックオイフィスが蔑ろになると一緒に動いてくれた仲間へも迷惑がかかる。とはいえプロジェクトで手いっぱいなのも理解している。まずもって俺の経営業務の時間確保もままならないのに…

あ、もうバックオフィスが必要な時期なんだと思った。
とはいえ、バックオフィスを一人入れると改善されるが、この人のキャパが逆に余るという微妙な組織規模。うへーどうしようかなと考えている最中である。今考えていることはAiマスターを一人起きつつ、バックオフィスという人材ポジション。各プロジェクトで発生する地味な処理業務を全て相談できる窓口であり、月末の処理などの尻を叩きつつ、過不足ないかの確認を全体見て動ける人。そして、振込処理などの財務も預けらる人。これであれば無駄なリソースにならないのではないか。

売り上げ規模が1億くらいでバックオフィスの必要性を感じ始める。しかし、そこに対して一人雇用するコスパに懐疑的で悩んでたら1.5億まで来てしまった。ギリギリ対応できていた1年といってもいい。僕の時間を割いて数字の処理や人的ミスのフォローアップに動いていたが、これだと僕の身が持たない。専属のスタッフを導入するタイミングが来たのだなと自社の成長を感じつつ、欲が出てただのバックオフィスではなく変なバックオフィスを生み出したいと考え始めている。

福利厚生の強化

「ジム通い出したんですよー」と周りが言い出して気付けば、ほぼ松倉以外ジム通いをしている。健康はおしゃれ。なるほどと思った。
大酒飲みの多タバコ吸いな松倉では発想すらしていなかった運動のために金を払うという状態が過半数を占めている。健康大事!なのでジムやらマッサージやら、銭湯やら、サウナの1ヶ月上限決めて会社からサポートをするようにしようと決めた。なんで今までやってこなかったんだろうと思ったけど、去年までそんなジム通いしている人がいなかったからだ。

他の会社はどういう福利厚生があるのかを残り2ヶ月で調べようと思っている。会社ごとの性格がここの福利厚生にはすごい出るなぁと思っていて、いくつか会社サイトを見ながらなるほどなぁと思って眺めている。
あと7期目を終える段階でわかっているのは、社員が口に出さないけどこれサポートしてくれたらいいなーというものはたくさんあるということ。
全て聞くわけにはいかないし、経営してたらそんなの無理だよってのもあるんだけど耳を傾けると面白い。
「あったらいいな!福利厚生会議!」
とか楽しげにやればいいんだって思ったり。


会社の正しい成長ってなんだろう?

今年の一人経営会議は難しいテーマになるだろうなと予測している。
今のチームの成長も含んだ見込値が「売上1.5億」だった。
これを今期近似値で達成するか超える。数年前に見ていた未来が現実のものとなっている。ぬえバージョン1の完成といったところだ。

まだ課題は残しつつも稼働率を下げながらアベレージ1.5億をデフォにしたい。誰も死なない数字ではある。でも脳裏にはバージョン2の売上2.0億の風景もある。これは残り2ヶ月で僕が描くビジョンであるが、ぬえの壁を超えて不思議な在り方が生まれると想定している。

会社ってスタートすると数字を上げ続け、組織規模を広げ続けるしかない謎の追い込み感がある。そこに僕は懐疑的だ。僕らのような業界は単純拡大はクオリティの低下とチーム力の低下にマジ直結する。数字はあがるが嬉しい数字じゃないことが目に見えている。

会社の、というかぬえの正しい清い成長ってなんなんだろうということを残り2ヶ月で解像度を上げていく。久々のぬえの進捗共有。今ぼくらはこういうところで足掻いています。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。