自己分析の新定番!「ミメーシスマップ」を考えました。
世はまさに、大自己分析時代。
16パーソナル診断など流行っていることから見ても、自己分析みたいな発想は、これまで以上に求められる時代になったということがわかります。
就職するにも、最近では大学入試や高校入試でも「自己分析が必要だよ〜」って言われる時代です。
でも、自己分析のやり方がよくわからん!というのが正直なところではないでしょうか?
たとえば、『メモの魔力』という名著があります。
SHOWROOMの前田社長が、大女優を口説き落とす片手間で書いた力作です。
内容はかなり画期的で、自己分析の導入書としてこれ以上にない、というほどぼくはいいと思います。
付録の自己分析1000本ノックという質問リストもやってみると高い効果が得られるでしょう。
あるいは、『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』という本もあります。
株式会社ジコリカイを運営する作家(肩書きが複数ある)です。
この本も、就活界隈では評価の高い1冊ですね。
手取り足取り自己分析の方法論が書いてあります。
『メモの魔力』に並んで、自己分析入門の1冊として使える1冊です。
しかし、もっと画期的で「ついつい取り組みたくなってしまう自己分析」はないものかといろいろと試行錯誤していたら、「ミメーシスマップ」というものを思いついてしまいました。
もし、「ミメーシスマップ」を取り組んでもらったら、
はじめまして!
作家の山門文治です。
思い返せば、ぼくの人生は悩みの連続です。過去には、高校中退、就職できずに大学卒業などなど経験してきました。
冷静に振り返ると、こうした連続する悩みの数々は、すべて「わたしは何者か」という問いを出発点にしていたように思います。「私は誰か」を求めて破壊的な自傷行為(比喩的な意味)に及んでいたのではないかと考えます。
ポケモンの映画に『ミュウツーの逆襲』という名作がありますが、この映画でも主人公(?)のミュウツーは、こんな発言をしています。
映画の中では、ミュウツーはこうして破壊活動が始まります。
こんな風に、ぼくらの中には、「自分は何者か」という潜在的な葛藤があり、それがわからないことは苦しいことだし、ツライことなんだと思います。
「自己」という概念は、近代以降に出現した概念というのは有名な話です。
それはデカルトだとかカントなんかが、わちゃわちゃっと述べています。それから時代は下って、アイデンティティという概念が登場します。ドラゴンボール悟空の声優をモノマネする芸人さんがいますが、それとはもちろん無関係です。
ぼくは、このアイデンティティという言葉に随分苦しめられました。
アイデンティティは、「私を私たらしめるもの」みたいな意味で用います。
たとえば、ぼくは音楽を聴くことが大好きなので、音楽は「ぼくをぼくたらしめているもの」に該当します。音楽はぼくの構成要素ということになります。
もしくは、大学生だった頃は「◯◯大学から来ました山門です」という自己紹介をさせられる経験もインターン時代に何度も経験しました。
たしかにこれらは、「私を私足らしめているもの」だし、アイデンティティです。
しかし、こういう聴いている音楽だったり、大学名だったり会社名が、ぼくのすべてを表すわけではありません。
釈然としない思いをしながら、アイデンティティという言葉と向き合います。
なんというか、ぼくのすべてが伝わっている感じがしないというか。
そもそも、音楽だとか大学名だとか会社名だとか、そういう取り外し可能な要素がぼくを表しているのか。こんな疑問が脳に落とされると思考が炸裂します。
ああ、一体ぼくは何者なのだろう。
たとえば、ぼくはすごく可愛いと言われます。こんな見た目ですが、慣れると可愛い性格らしいです。たぶん、マンチカンだとかペキニーズみたいな種類のかわいさだと分析的に見ています。
何が言いたいかというと、現代社会で問われている自己分析ってこの程度のものなんだなと思ってしまったのです。
質問リストに順番に答えることで、社会に流通する労働力として、どんな存在かをなんとなく明らかにする事務的な手続きだよなぁ、と。
そこには、抜け落ちてしまっているものがたくさんあります。これまでの人生を点と点でなんとなく結びつけて、つなぎあわせて共通項を抽出するみたいな作業に嫌気が差してしまったのです。
それで思ったのは、
自己分析をやってみたけど、なんかしっくり来ませんでした。
自分がわからないというのは苦しいものです。
長い人生の中で、自分は何をしたいのかがわからないことは強いストレスをともないます。
そんなストレスから、ぼくを救ってくれたのが「ミメーシスマップ」だったのです。
ミメーシスとは、ギリシア語で以下のような意味を帯びた言葉です。
「芸術における模倣。自然はイデア(事実の本質)の模倣である、とするプラトンの論や、模倣は人間の本来の性情から生ずるものであり、諸芸術は模倣の様式である、とするアリストテレスの説が源にある(コトバンクより)」。
むずかしいですね(笑)
しっかり説明します。
この言葉を知ったのは、社会学者の宮台真司のラジオ番組でした。宮台真司は、この言葉を「感染的模倣」として紹介しています。
めっちゃカンタンにいうと、これまでの人生で「この人かっけー」って憧れた人いますよね?
そういう人がいると「その人みたいになりたい!」って思いますよね。
子どもの頃、野球選手やサッカー選手に憧れるのも、YouTuberやお笑い芸人やミュージシャンに憧れるのも「かっけぇ」とこころが揺れるからです。
これが、ミメーシスという概念です。
で、思ったわけです。
これまでの人生でこれまで感染してきた人を網羅することって最強の自己分析なんじゃね?と。
そこで質問です。
あなたは幼い頃から今まで誰に感染した?
「ミメーシスマップ」は、これをノートいっぱいに埋めようぜって発想です。
大小問わず、これまで感染してきた人の名前や特徴を片っ端から抽出するのです。
そして、自分サイズに盗みやすそうな部分をひたすら書き出します。
こんな感じで、あなたのこころの琴線に触れた出来事を事実をこうしてノートに、ただひたすらぶち込んでいくのです。
ただし、「何が良かったのか」を言語化する手は緩めてはいけません。
これを続けるととっても素敵な変化があなたに訪れます。
だって、これは身近な知名度の大小に関わりなく、素敵な人を探すという思考回路があなたに備わるからです。
すると、日常がミメーシスの温床になります。
なんの世界でもそうですが、真似すると怒られます。
しかし、10人以上から真似すれば、あなたはオリジナルです。
ミメーシスマップって自己分析に有効じゃね?
自己分析の目的は、自己理解にあります。
だったら、これまでどんな人に感染してきたかを整理する。そして、それの何が自分にとってなぜいいのか。
こういう問いに1個1個解消していくことで、自分のミメーシスの傾向のよう
なものが掴めるようになっていきます。
すると、その先に続いているのがあなたの理想の状態になっているはずです。それをTO DOリストのように実現することで、あなたの理想の状態にち
ぼくの場合は、アーティストや学者やアニメが多いのですが、そこには三者三様のバリエーションがあると思います。
ミメーシス遍歴を記録し続けることで、「なりたい像」が立体的に浮かび上がります。
それを目指すのが人生です。
だから、ミメーシスの名前にマップと名付けました。
ぜひ、実践してみてください。
「ミメーシスマップ」はあなたの人生の強力な地図になってくれるはずです。
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