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花を生けること、モノを片づけること。

「あーでもない」
「こーでもない」

どうすればキレイにまとまるのか。
どうすれば良さが引き立つのか。
どうすれば可愛くなるのか。

自分の感性だけを頼りに、花に触れる。

そんな風に花と向き合う時間が
たまらなく好きだ。

花を生ける作業は、片づけと似ている。

花は、時間の経過とともに
枯れたり、散ったり、変色したりする。

まだ完全に枯れていない花や、
花びらが少しだけ変色してきている花を
捨てるのは「もったいない」と感じる。

でも、それを思い切って間引いていくことで
空間に余白が生まれる。

他の花の美しさが際立つ。


その感覚が『片づけ』と似ているように感じる。

モノは花のように、目に見えて枯れたりしない。

いつもと変わらない顔をしてそこに佇んでいる。

でも、そのモノたちを一つ一つ手にとってみると、今の自分に必要なモノかどうか分かる。

自分にとって必要なモノが変わっていくのは、自身が日々変化しているから。

枯れかけの花を残そうとすると、
元気な花たちの美しさがボヤけてしまうように

「もったいないから」
「まだ、使えるから」

そう思って不要なモノを手放さず、
今の自分に不要なモノを残したままにしておくと
自分の感覚がボヤけてしまう。

役目を終えたものには
「ありがとう」と感謝を伝え、手放す。

空間と気持ちに余白ができる。

そして、今の自分に必要なモノを迎え入れる。

このサイクルが定着してくると、
必要以上にモノを増やすことがなくなる。

何よりも、自分自身の変化に敏感になれる。

自分の意識を「今」「ここ」に集中させる時間。

この一輪を足すのか、引くのか。
それだけで花全体の雰囲気が変わる。

すごく繊細な作業だ。

花と向き合う作業は、
流れゆく時間の中で、自分の意識を「今」「ここ」に集中させる貴重な時間。

自分と向き合い、モノと向き合う時間もそうだ。

今を大切に生きるためには、
過去のモノに縛られていてはいけない。

自分が変化すると、
必要なモノは、どんどん変わっていく。

心地よい暮らしをキープできる人は、
自分自身の変化に合わせて
今の自分に必要なモノを選べる。


空間の余白。気持ちの余白。
どちらも大切にしていきたい。

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