小暮沙優

声楽家 | 作家 | 演奏、執筆、楽曲・絵画制作 | NHK「若冲を発掘したアメリカ人…

小暮沙優

声楽家 | 作家 | 演奏、執筆、楽曲・絵画制作 | NHK「若冲を発掘したアメリカ人」主題歌担当 | 朗読モノオペラ《つなぐ》 | 統合失調症やパニック障害、発達特性などと共存しながら表現活動を続けています | 里俳句会同人 | 二期会会員

マガジン

  • 《女の愛と生涯》訳詩

    シューマン作曲の歌曲集《女の愛と生涯》の訳詩です。敬愛するジェシー・ノーマンの歌唱で、各曲をご紹介させていただきました。ぜひこちらも併せてお楽しみください。

  • 小説「弦月湯からこんにちは」(全15話)

    仕事も、住処も、すべてを失った。拾われた先は、銭湯だった。世界的なツァイトウイルスの流行によって、仕事も住処も失った山口壱子。ある朝、意を決して外に出た壱子が辿り着いたのは、ガウディへのオマージュに満ちた銭湯「弦月湯」。住み込み募集の張り紙を見つけた壱子は番台にいた小柄な女性、若月いずみに思わず声をかける。いずみの従弟であり、かつて壱子のもとで働いていたノンバイナリーのデザイナー・若月暦との再会、そして弦月湯の再建を通じて壱子の心は蘇り始める。 喪失からの再生の過程をゆるやかに描く長編小説。🍀創作大賞2024恋愛小説部門応募作品。🍀毎週、月曜日・木曜日更新です。

  • 《ヴェーゼンドンク歌曲集》

    ワーグナー作曲《ヴェーゼンドンク歌曲集》の訳詩です。全5曲プラス、イゾルデの愛の死です。

  • 音楽エッセイ・音の旅

    毎週水曜日に更新の音楽エッセイです。演奏する作品などについて綴っていきます。

  • シリーズ・よき隣人であるために

    子供の頃からの夢であった、小説執筆。それを仕事にしたいと願ったところ、「よき隣人であること」が大きな柱となりました。道の過程を綴っていくnoteのまとめです。

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自己紹介

声楽家・作家の小暮沙優です。演奏活動のほか、楽曲制作・絵画制作にくわえて文筆活動をしています。 また、ADHD×ASDという自己分析をしており、統合失調症とパニック障害を持病として持っています。病気とは10年以上共存しながら、音楽活動を続けてきました。 プロフィール小暮沙優 声楽家。1978年生まれ、東京都出身。 東京藝術大学卒業、同大学大学院修士課程修了。昭和音楽大学大学院博士後期課程修了。博士号(音楽)取得。 これまでに多くのコンサート、オペラに出演。レパートリーは

    • 《ヴェーゼンドンク歌曲集》訳詩──5.夢

      ねえ、どんなに素晴らしい夢が 私の感覚を捉えて離さないのでしょう それゆえ空虚な泡沫ではなく 荒涼とした空虚へと消え去るのか 夢、それはいつでも 毎日美しく花開き そして天からの報せと共に 人々を通じて穏やかに巡る 夢、それは気高い光のように 魂へと沈む そこに永遠の像を描くために すべての忘却、唯一の想い! 夢、それは春の太陽が 雪から出た花々に口づけする時のように それゆえ予感もしない至福の歓びに 新しい日に挨拶をする それゆえそれは育ち、それは花咲き、 夢見なが

      • 小杉湯となりを見学しました

        ずっと憧れだった銭湯があります。 それは、高円寺の小杉湯。 もともと銭湯が好きだったので、都内のいろんな銭湯に浸かりに行ってました。その中で、ひときわ気になりながらも、勝手に敷居の高さを感じてしまって行けなかったのが、小杉湯さんでした。 SNSで見るたびに憧れは増していくばかり。でも、そんな憧れの場所に自分が身を置いていいのかしらというためらいが邪魔して、お伺いすることはずっと出来ずにいました。 「小杉湯となり」を運営される銭湯ぐらしの加藤優一さんの著書「銭湯から広げ

        • あとで記事にもしますが…「弦月湯からこんにちは」第9話から第11話の執筆にあたり、「小杉湯となり」を運営される銭湯ぐらし代表取締役 加藤優一さんにお話をお伺いしてきました。本当にありがとうございました!!

        • 固定された記事
        • 《ヴェーゼンドンク歌曲集》訳詩──5.夢

        • 小杉湯となりを見学しました

        • あとで記事にもしますが…「弦月湯からこんにちは」第9話から第11話の執筆にあたり、「小杉湯となり」を運営される銭湯ぐらし代表取締役 加藤優一さんにお話をお伺いしてきました。本当にありがとうございました!!

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        • 《女の愛と生涯》訳詩
          8本
        • 小説「弦月湯からこんにちは」(全15話)
          10本
        • 《ヴェーゼンドンク歌曲集》
          4本
        • 音楽エッセイ・音の旅
          5本
        • シリーズ・よき隣人であるために
          5本
        • 小説「ネイキッド」
          2本

        記事

          「弦月湯からこんにちは」、最終話に向けて来週は月曜日から金曜日まで1話ずつ公開していきます😊🇪🇸🌈 5/31、完結予定です。どうぞよろしくお願いいたします🍀

          「弦月湯からこんにちは」、最終話に向けて来週は月曜日から金曜日まで1話ずつ公開していきます😊🇪🇸🌈 5/31、完結予定です。どうぞよろしくお願いいたします🍀

          小説「弦月湯からこんにちは」第10話(全15話)

          これまでのお話 ・第1話はこちら ・第2話はこちら ・第3話はこちら ・第4話はこちら ・第5話はこちら ・第6話はこちら ・第7話はこちら ・第8話はこちら ・第9話はこちら * 第10話 * 「壱子さん、ねーちゃん、まずは朝飯食いましょう。腹が減っては何とやらです」  暦くんはそう言うと、ガスをつけて昨日の豚汁を温めはじめた。卵を三つ割って入れる。 「一汁一菜でいいって、土井善晴先生も言ってるけど、あれって理にかなってるんですよね。前に土

          小説「弦月湯からこんにちは」第10話(全15話)

          《ヴェーゼンドンク歌曲集》訳詩──4.痛み

          太陽よ、お前は毎晩泣く 美しい目を赤くして 海の鏡に沈みながら 早い死がお前を捉える時 それでもなお、古い華やかさの中からお前は甦る 薄暗い世界の栄光よ お前は朝に新しく目を覚ます 誇りを持った勝利の英雄のように ああ、それをいかに私は嘆くべきだろうか どのように、私の心は激しく、お前にあこがれるか 太陽はそれ自身ひるまなければならないのか? そして死だけが生を産み 痛みだけが至福の歓びを与える ああ、いかに私は感謝しよう その自然が、私に、痛みを与えてくれたことを

          《ヴェーゼンドンク歌曲集》訳詩──4.痛み

          蘭州牛肉麺を食べながら

          前略、華さん。お元気ですか? いま、蘭州牛肉麺を頼みました。 蘭州牛肉麺をご存じですか? 「蘭州拉麺」という名称の方がメジャーですが、ついつい蘭州牛肉麺と呼んでしまいます。ちなみに、牛肉麺と書いて「ニュウロウメン」と読みます。 数十種類のスパイスの入った牛骨ベースの透明なスープに、パクチーと薄切りにしたニンニクの芽、そしてやっぱり薄切りにした牛肉と大根を具にした、蘭州発祥の麺です。自家製の辣油もかかっています。 お店にもよりますが、目の前で職人さんが好みに合わせて麺を

          蘭州牛肉麺を食べながら

          昨日は、アンサンブル・パラ・ フローレス初夏のコンサートへ。大柴拓さん率いる8人の奏でる音楽が聞けるのは、世界でここだけ…!! 創作への勇気、エネルギーをいただきました。ありがとうございます!!これからも応援しています!!

          昨日は、アンサンブル・パラ・ フローレス初夏のコンサートへ。大柴拓さん率いる8人の奏でる音楽が聞けるのは、世界でここだけ…!! 創作への勇気、エネルギーをいただきました。ありがとうございます!!これからも応援しています!!

          《ヴェーゼンドンク歌曲集》訳詩──3.温室にて

          高くアーチ型になった葉の王冠、 エメラルドの天蓋、 遠い地からやって来た子供たち、 私に言って、なぜ嘆くのか 黙ったままおまえたちは枝を傾け、 風のなかへと兆しを描く、 そして苦悩の黙した証人は、 甘い香りを天へと漂わせる 切望するあこがれの中で、 おまえたちは腕を拡げて伸ばす、 そして妄想に取り付かれながらからめとる、 荒涼とした空虚という小さな恐れを そう、私は知っている、哀れな植物よ、 私達は運命を分かち合っていることを、 光と輝きに包まれようとも、 私達の故郷は

          《ヴェーゼンドンク歌曲集》訳詩──3.温室にて

          執筆中の小説を「弦月湯からこんにちは」と改題いたしました。 浅慮と不勉強を反省しております。誠に申し訳ございませんでした。 あらためて、どうぞよろしくお願いいたします。 https://note.com/sayukogure/m/m95d98fbb3bea

          執筆中の小説を「弦月湯からこんにちは」と改題いたしました。 浅慮と不勉強を反省しております。誠に申し訳ございませんでした。 あらためて、どうぞよろしくお願いいたします。 https://note.com/sayukogure/m/m95d98fbb3bea

          執筆中の小説「メタモルフォシス」ですが、同題名の小説を羽田圭介先生が2014年に出版されておいででした…!羽田先生、誠に申し訳ございません。恥じ入るばかりです。 次回更新から、新しい題名に変更のうえで連載を続けてまいります。申し訳ございません。どうぞよろしくお願い申し上げます。

          執筆中の小説「メタモルフォシス」ですが、同題名の小説を羽田圭介先生が2014年に出版されておいででした…!羽田先生、誠に申し訳ございません。恥じ入るばかりです。 次回更新から、新しい題名に変更のうえで連載を続けてまいります。申し訳ございません。どうぞよろしくお願い申し上げます。

          《ヴェーゼンドンク歌曲集》訳詩──2.とまれ!

          ざわざわ音を立てる、ごうごう音を立てる、時の車輪よ おまえ、永遠を測る者、 遠い宇宙に輝く領域、 おまえたちは地球を取り囲んでいる 原初の永遠の創造よ、とまりなさい 成長なんてたくさん、私をそのままにしておいて! そばに留まれ、創造の力よ、 原初の概念、それは永遠に創造を続ける! 息吹を止めよ、衝動を鎮め、 ただわずかな時間でいいから黙れ 高まる脈動よ、脈打つのをやめよ 終われ、神の意志による永遠の日よ! 至福の甘い忘却の中で、 私はあらゆる歓びを味わいたいのだから、 眼

          《ヴェーゼンドンク歌曲集》訳詩──2.とまれ!

          《ヴェーゼンドンク歌曲集》訳詩──1.天使

          子供の頃 遠い昔のこと 天使について語るのを聞いた 高き天上の尊いよろこびを 地上の太陽と換えるという 不安な心が心配の中にあり 世界を前に人知れず苦しむとき 静かに心が血を流して 溢れる涙の中に息絶えてしまいたいとき 焦がれる心の祈りが ひたすらに救済を希うとき そこに天使が降りてきて 心を優しく天上に引き上げる そう、私の心に天使が降りてきた そして心を輝く羽根に載せた 天使は導く、すべての苦痛から 私の精神をいまや天上へと * 6/23に演奏する、 ワーグナー

          《ヴェーゼンドンク歌曲集》訳詩──1.天使

          小説「弦月湯からこんにちは」第9話(全15話)

          これまでのお話 ・第1話はこちら ・第2話はこちら ・第3話はこちら ・第4話はこちら ・第5話はこちら ・第6話はこちら ・第7話はこちら ・第8話はこちら * 第9話 * 「彫刻家としてスペインに国費留学していた祖父は、スペイン各地を回るうちにバルセロナでガウディの彫刻に出会いました。サグラダ・ファミリアは勿論なのですが、祖父が特に心惹かれたのがグエル公園でした。自然と調和した色鮮やかで自由なガウディの彫刻と、その空間で笑顔で過ごす人々の姿を見て

          小説「弦月湯からこんにちは」第9話(全15話)

          はじまりました!冷やし中華!

          はじまりました!冷やし中華!