#214 束の間の休息

和歌山合宿3日目が終わり、翌日が午前中のみ練習と言うこともあり、ぼく達は少しリラックスして部屋で寛いでいた。
僕のいるラグビー推薦組の部屋ではUNOをする者、雑誌を読み耽る者、テレビを眺めている者と各々が好きな事をやっていた。
何れにしても静かに流れる時間が心地良かった。
22時の消灯時間を迎えるまで、楽しんだ。
僕はこれまでの疲れがあった為か消灯後、すぐに眠りに落ちていた。
翌朝、6時過ぎには目を覚まし、6時30分からの散歩までの間、布団に横たわっていた。
和歌山合宿での朝散歩は浜辺の防波堤を歩くのがお決まりとなっていた。
波の音を聴きながら、歩く時間は清々しさを感じる事ができた。
宿舎に戻り、朝食後、一息付くと練習に出発する時間を待った。
出発時間が近づくと、みんな急に慌ただしく準備を始めた。
午前中の練習は負荷が軽めの練習だった。
全体でスキルメニュー後、フォワードとバックスに分かれて練習。その後、全体でコンビネーションを行った。時間にして約2時間。
この日の午後は宿舎に戻り、昼食後みんなでみかん狩りに行く事になっていた。
和歌山と言えばみかんの産地。宿舎の近くに紀三井寺があり、その横にみかん果樹園があった。
バスで宿舎に戻り、シャワーを浴びた後に昼食を食べた。
昼食後、1時間後にみかん狩りへと出発。
歩いて10分位で目的地に着いた。
まず紀三井寺の長くて急な階段を登った。
何でもこの階段は231段あり、監督も「これはいいトレーニングの場所になるでー」と言ったが僕らは笑えなかった。
この階段は紀三井寺の有名な特徴と一つの様だった。
紀三井寺の本堂横からは町全体を一望できた。
それから紀三井寺の横にあるみかん果樹園へと移動した。
僕は地元北見でりんご狩りは何度もしたことはあむたが、みかん狩りは初めてだった。
係の方から説明や注意事項など聞いてから、各自何人かに分かれてみかん狩りが始まった。
きつい合宿の間の束の間のオフに来たみかん狩り。僕らははしゃぎながら、みかん狩りを楽しんだ。そこで食べたみかんは驚く位に瑞々しくて甘かった。
あっという間に渡された袋の中がみかんで一杯になった。

続く…

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