#362 ときめき

年が明けて毎週末あったラグビーが3月まで無くなり、学校も試験が終わり春休みに突入。
2月中旬以降から大学入試が始まる。
僕はウェイトトレーニングでジムに行く以外は喫茶店ウェイターのバイトに結構入った。多い週は5日入ることもあり、どんどん任せられる仕事の範囲が広がっていった。接客だけに留まらず、カウンターの中で飲み物やサンドイッチやデザートなども作る様になる。
朝一のモーニングタイムから入ったり、お昼の時間帯や夕方以降の時間帯と一通り経験した。
土日は競馬の馬券場が近かったので、馬券を買いにくている人で溢れかえった。
気の荒い人や気難しい人が普段より多く、お店が混雑しているのも相まって変な緊張感があった。土日は人手不足気味だったが、休日手当が付いたので
度々入った。近くの系列店にヘルプで行くことも多々あった。
それなりに大変だったが、初めてやるバイトは新鮮で楽しめた。
先輩バイトは年齢が近い人が多く、手が空いた時など交流を持つことができた。同時期に入ってきた人たちも高校生から社会人まで幅広くいた。
僕が入店した少し後に、3月に卒業を控えたお嬢様女子大付属の女子校生が入ってきた。礼儀正しく清楚な感じのとても可愛らしい子。
所謂お嬢様女子校生。
その子と運良くシフトが重なることが多く、すぐに仲良くなることができた。
その子は4月から付属の大学にそのまま進学することが決まっていた。家が結構厳しい様だが、高校卒業前の社会勉強の一環として何とか認めてもらったバイトの様だ。
僕はその子と時折、同じタイミングでバイトが終わることがあり、駅まで一緒に帰った。日増しに僕らの距離は縮まっていく。
バイト先でも他のバイトメンバーが噂するほど、僕らは仲良く見えた様だった。僕はその時は周りにどう思われているかほとんど気にしなかった。
その子がある日、僕に一緒にディズニーランドに行きませんかと誘ってきた。僕はとても嬉しく思い、当然喜んで承諾した。
この時はまさか事件が起きるとは思ってもいなかった。
続く…

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