見出し画像

132 5.ISSEY MIYAKEの魅力と平面から立体への服作り

こんにちは、sayakaです。今回はISSEY MIYAKEの中でも「132 5.ISSEY MIYAKE」について述べていこうと思います。

まず132 5.ISSEY MIYAKEのコンセプト説明から。

132 5. ISSEY MIYAKE CONCEPT

三宅一生がReality Lab.(リアリティ・ラボ)チームとともに2007年から取り組みを開始した新しいものづくりの成果が、2010年よりブランドとしてスタートしました。ブランド名には、一枚の布(1次元)から立体造形(3次元)が生まれ、折りたたむと平面(2次元)になり、身にまとうことで時間や次元を超えた存在(5次元)になるようにとの思いが込められています。
コンピュータサイエンティストと協働した様々な3次元造形を折りたたみ、プレスし、切り込み線の位置を変えることでシャツ、スカート、ワンピース、パンツ等を生み出す新たな製法による衣服です。基本素材には改良を重ねて開発した再生ポリエステル生地を用いて、現代のものづくりへのメッセージを込めました。「着る人に喜びや幸せをもたらす衣服」を探求し続けてきた三宅一生は、「再生・再創造」というものづくりの考え方を集約し、新たな挑戦を続けています。

ISSEY MIYAKE 公式サイト

名前の由来も1次元から3次元、2次元になり、それを超越した5次元に着用することでなることができるという意味が込められています。

なのでイッセイミヤケの平面から立体へのコンセプトが一番反映されているラインといっても良いのではと思います。

本当に132 5.のお洋服は畳むと綺麗な平面になるのにある部分を摘んで引き上げると立体的な作りになるんですよね…
幾何学的に切り込み線を入れているのでこのような服作りができています。
毎回畳む時と着用時のギャップに驚かされるお洋服です。

下記の写真も平面と立体の状態がわかりやすいですよね。これほどに形を変えて立体になる物作りには圧巻です。

2022 SS 


また132 5.のお洋服は主に再生ポリエステルを使用しているのも特徴です。なのでお手入れも洗濯ネットに入れて洗濯するだけなので、とても扱いやすいのも特徴の1つです。そして再生ポリエステルの他にもサトウキビを原料にしたウェアなどエシカルでサスティナブルな環境や資源に配慮した服作りにも果敢に挑戦しているラインであると言えます。

実験室をつくり開発研究を続けながら、今まで見たことのないものづくりの取り組み、限りある資源とエネルギーを循環させてPETから新しいPET素材を作り出す。CO2も削減する地球への恩返しを考えた新たなるリサイクルシステムを活用し、未来につながるものづくりの出発点です。

「Future Beauty:30 Years of Japanese Fashion」展に寄せた三宅デザイン事務所の
ステートメント

イッセイミヤケは世界で唯一ポリエステル素材を純度の高い状態で再生する技術力を持ち合わせているため、このようなシステムを作ることができています。生地へのこだわりも昔から糸、生地にこだわってきたミヤケだからできる技です。

2月27日までSEMBA ISSEY MIYAKEでは「OPEN UP-ひらく-」展が開催中。

SEMBA CREATION PLACE「OPEN UP-ひらく-」

実際に手に取って鑑賞できる機会ですので、是非ご覧ください。

先ほどご紹介したサトウキビが用いられた繊維のシリーズ

「DIAGONAL PRINT」

平面 折り畳んだ際に両面に別の色を転写して柄を作る
立体

「DIAGONAL PRINT」シリーズは、サトウキビの廃糖蜜を配合した合成糸を福井県の工場にて撚糸や減量、密度を変えるなどの改良工程を経て、素材が完成。両面転写することで、着用時の変化も堪能することができるそうだ。

VOGUE JAPAN

こちらのリンクには平面から立体への動画もあるので是非ご覧ください。

そして132 5. ISSEY MIYAKEの説明に欠かせないのが
132 5. STANDARDです。

132 5. STANDARD


132 5. ISSEY MIYAKEの中でも原点であるコンセプトライン。

折り畳むと箔が付いた面が浮かび上がるデザインになっており、
畳んだ状態で箔のプリントが施されています。
畳むと多角形になるものが多いのも特徴です。

平面から立体への過程

このシリーズもトップスやスカートだけではなくバックやベルトなどの小物まで展開されています。私もイッセイミヤケで初めて買ったアイテムの一つが132 5. STANDARDのアウターです。いまはセットアップで持っており大事に着用しています。

店頭で今でも時々店員さんに畳んでもらったのちに立体的になる過程などを見せていただきますが、アウター類などは私では畳むのが難しいのでいつもハンガー掛けしてしまっています。笑 折り目をたどると畳むことができるので是非一度店頭で見ていただきたい商品です。その特徴から折り紙シリーズと呼ばれたりもしています。


REALITY LAB. ISSEY MIYAKE

青山には132 5.の商品を中心にBAOBAOなども展開するREALITY LAB.という店舗が存在します。
空間デザインは前の建築に関する記事でもでできた吉岡徳仁が行っています。私も1度いったことがありますが、コンクリートとガラスで主に構成されており、LAB の意味でもある実験室のような雰囲気を感じることができます。まだ建築についての記事を見られていない方はそちらもご覧いただけるとより理解できるかと思います。

詳しくはこちらを。

最初のコンセプト説明でも述べ、店名の由来ともなっているREALITY LAB.について説明していきたいと思います。

Reality Lab.

三宅デザイン事務所の「Reality Lab.」は、2007年に活動を開始した研究開発チーム。デザインについて「発想を現実化し、使い手のもとに届けるまでの積極的な試み」と捉える三宅一生により、「社会と密接にデザインを実現していく」「日本のものづくりの可能性を改めて探求する」ことを目的に編成された。熟練の技術者と若手スタッフにより構成され、服づくりの様々な可能性を追求している。2012年には 毎日新聞社が主催する「毎日ファッション大賞」の30周年記念賞を受賞した。

FASHION SNAP

素材と同時に、服としての構造について再考。コンピュータを用いて一枚の紙を立体で表現する折り紙の設計技法などを研究しているコンピュータ・サイエンティストの筑波大学 三谷純と協働することによって、根本的な服の概念を覆す視点が与えられた。CGを活用して平面から3次元造形を創り出し、それを折りたたんでプレス。折り線と切り込みを応用することによって、ドレスやトップスなど様々な表情の服を生み出すことができる仕組みだ。

FASHION SNAP

コンピューター技術なども使いながら、素材と服の構造についての研究を進めています。服という概念をもう一度考え直すという着目点からこのような、平面から立体への美しいお洋服が作られていることがわかります。

また132 5.を語る上でかかせないのが陰翳 IN-EI ISSY MIYAKE

陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE

陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKE MOGURA

三宅一生が率いるリアリティ・ラボが着想、開発し、イタリアのアルテミデ社が製品化している照明器具です。
ペットボトル再生繊維100%の不織布(再生ポリエステル素材)をシェードの素材として選択。さらにシワ加工を施すことで、独自の表情と強度を実現させました。シェードの折りたたまれた造形が螺旋状に回転しながら立体へ姿を変え、素材の特性によって構造体をもつことなく自立します。不織布が重なる部分の溶着手法や折りたたみの手法には、ISSEY MIYAKEの服づくりで培った技術を応用しています。
谷崎潤一郎が『陰翳礼讃』に記した、陰翳の濃淡やあやがもたらす繊細なあかりのニュアンスにヒントを得て、現代の生活空間を照らす“光の質”を追求しています。

ISSEY MIYAKE 公式サイト

こちらもリアリティ・ラボが再生素材を活用するプロジェクトのうちの1つです。
こちらは谷崎潤一郎の陰翳礼讃から着想を得た、照明器具を扱うラインです。アルテミダ社との共同制作。

みなさん、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」という作品をご存知でしょうか?
光と影、暗さ、影にこそ真の美しさがあるのではないかというもの。明るさを得ることで失う美もあるのではないか。作中では漆器の美しさや食器、建築など様々な角度から、暗いものの中で見る美しさについて語っています。西洋にはない東洋独自の陰翳に美を見出す文化をもっと大事にしていくべきだと述べていました。

「われわれ東洋人は何でもない所に陰翳を生ぜしめて、美を創造するのである。(中略)われわれの思索のしかたはとかくそう云う風であって、美は物体にあるのではなく、物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にあると考える。夜光の珠も暗中に置けば光彩を放つが、白日の下に曝せば宝石の魅力を失う如く、陰翳の作用を離れて美はないと思う」

谷崎潤一郎 陰翳礼讃本文より

この陰翳の作用の美を表現しているのが陰翳IN-EI 132 5. ISSEY MIYAKEです。


実は紙よりも高い光透過性を持つペットボトル再生繊維。そこにシワ加工を加えることで、光の見え方を面白いものにし、影と光の表情を表現しています。テクスチャーもまるで本物の和紙のような感触。立体造形の知識も活かし、132 5.同様に折り畳むというプロセス(平面から立体)を大事にしています。素材作りや形状についても同様です。

また照明器具の名前には生き物の名前が付けられているのも特徴だ。理由は親しみ深さを与えるためだそう。

左 FUKUROU 右TATSUNO-OTOSHIGO
MEDORI
左 MINOMUSHI tera 右 MINOMUSHI sospensione
左 HAKOFUGU 右 KATATSUMURI

三宅一生氏は、「陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKEの光と影が空間にもたらす表情は、伝統的な日本のあかりがもつ繊細なニュアンスを現代に活かしたものです。人間とものとの関係、さらにはそのあいだに生まれる空間を意識して、誰もが自由に扱うことのできるプロダクトを実現することが大切であると考えています。「頭」でさまざまに考え、「手」を用いてものづくりをすることも忘れてはならないと思っています」と語る。

OPNERS

空間デザインにまでこだわりを持つ三宅一生氏。服作りで得た技術を使い見事に陰翳による美しさを表現しています。
わたしもまだ陰翳 IN-EI ISSEY MIYAKEのアイテムをしっかりと見たことがないので見てみたいですね、、この美しい影を眺めてみたいです、、


さて、今回は132 5. ISSEY MIYAKEについてまとめてみました!
いかがでしたでしょうか?
改めて、生地へのこだわり、最新のテクノロジーと伝統的な日本の美に対する価値観など過去と今をうまく組み合わせていることにもお気づきになられたのではないでしょうか。

こちらは132 5. ISSEY MIYAKEの服作りのビデオアーカイブのサイトになっております。もしよければご覧ください。


ご質問や、感想等ございましたら 私のインスタグラム
__sayaka41 のDMまでご連絡ください。

本日も最後までご覧いただきありがとうございました!

sayaka


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?