半笑いのポッキーゲーム ショートショート
「ねえ、本当にしないとダメ?」修学旅行の夜。一応形として聞いてみるが、周りの空気が簡単には変わらないというのがわかる。黒野卓郎は大富豪に負けて、流れから常盤翼とポッキーゲームをすることになった。
「さっさと終わらせようぜ」僕は翼の目を見て思わず半笑いになる。
僕は翼が好きだ。でも彼の眼中には1ミリも僕のことは入っていないだろう。『ちゃんと好きっていった後、顔近づけたかったな』僕は曖昧な気持ちのままポッキーを咥えた。
黒野は学級委員で、俺が学校をサボるのをしつこく注意していた。なんでそんなに構うのかと聞いたら
「学級委員なんだから当然だよ」と返すあたり、俺とは真逆の真面目な人間なんだと思う。
黒野がさっき半笑いになっていた。そりゃそうだ、男とポッキーゲームなんて普通したくないもんな。胸がチクっと痛むのを感じながらも俺も半笑いになる。
『胸を張って好きと言えばよかった』そんな沈んでいく気持ちのまま俺はポッキーに口をつけた。
「両思いならいいのに」そう思う2人の唇は少しづつ近づいていた。
お題 半笑いポッキーゲーム (440字)
あとがき
pixivの夢小説かな?今回のお題は恋愛シチュエーション大好き人間の私は、非常に嬉しゅうございました。
たらはかに(田原にか)様の企画に参加させていただいています
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