観劇感想vol.23 unrato#10 「三人姉妹」

見てきました。初チェーホフです。

自由劇場初めて来たけどめちゃくちゃすてき!!
壁も床もボルドーで照明も階段もオシャレ。
知らなかったんですがここも劇団四季の劇場なんですね。

個人の感想なので本来の演出意図と乖離した発言しているかもしれませんがご了承を。
あと一応、今回も感想にはめちゃくちゃにネタバレを含みます。

unrato#10 「三人姉妹」

日時/場所
2023/9/23(土・祝)~9/30(土)
東京 自由劇場

キャスト
保坂知寿
霧矢大夢
平体まひろ
大石継太
笠松はる
伊達暁
鍛治直人
近藤頌利
内田健司
浦野真介
須賀田敬右
青山達三
羽子田洋子
ラサール石井

公式サイトより

チェーホフを何も知らないのでだいぶ偏見に基づいた暴言を言ってる自覚はありますが
寒い国で生まれた文学ってかんじ………
達観というか受け入れというか諦めというか
人生ままならないことばっかりだけど、なんとかやっていくしかないねというのはいつでもどこでも同じですね。
とりわけ誰かがひときわ良い人というわけでもなく、みな一様にどこかしらがどうしようもない。
モスクワに帰ることが起死回生の希望みたいにずっと言ってるけど、多分だいたいこういう人はどこに行ってもどうにもならなそうですね。
イリーナのわかりやすい夢見る若者感がよかった。
既婚者が軒並み結婚に後悔してるので、オーリガ達がイリーナには打算での結婚を勧めてるのも
普通に愛し合って結婚してもどうせ追々気持ちは冷めるから、むしろその方が新婚の頃のギャップに虚しくならないってわかってたからかな……
でも、結局打算にしろ結婚して新たな土地に行こうっていう若干前向きな状況に(多分)なったのに
急にトゥーゼンバッハ死んだのすごすぎてちょっと笑っちゃいました。
「現実はどうしようもありません」感が徹底してる。

舞台セットはすごい素敵でした~~!
幕中の場転はないのでセットは普通に(?)リアルな部屋の中等になっていたのですが、存在感のある大きな柱に、きれいにテーブルセッティングされたダイニングにソファにオルガンもあり
家の主である姉妹の父の亡き後とはいえ、高級軍人のすてきなおうちという感じでした。
意図したかはわかりませんが、自由劇場のレトロな雰囲気と親和性高かったです。
家の中も良かったですが、個人的にすごい好きなのは四幕の外のセットですね。
霧がかった薄ら寒い空気の中に立ち並ぶ木々が、登場人物達のさほど輝かしくもなさそうなこれからの人生とマッチしてる感じがいい。
後ろがスクリーンになってるの最後まで気付かなかったぐらい
映像効果に頼らずちゃんとセット自体を作り込まれてありましたね。
最近は映像ありきのお芝居多くて、悪くはないんですが
やっぱりせっかく生身の人間が演じるお芝居を見るんですから、セットも舞台上をリアルに作り込んである方が私は好きです。
急にあからさまな青空が映ったと思ったら、あっさり暗転して終幕になったのが
最後に一応とってつけたように書き足した希望って感じでいいですね。

この全てがどうしようもない感じのお話、私は結構好きです。
ほかの四大戯曲もこんな感じなんでしょうか。見てみたいな。
こんなモチベで巨匠の名作に触れていいのかわかりませんが。

※unrato#10 「三人姉妹」チケット購入サイト(チケットぴあ)
※9/27(水)18:30回をリアルタイム配信されるそうです。10/3までアーカイブも見れます。

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