至高の一杯
カツ丼が好きだ。
料理を趣味にして暫くになるが、カツ丼は自ら作る気がしない。
なぜならば二重の手間が必要だからだ。つまりは美味しくトンカツを揚げればそれでご飯は成立する。それに出汁を作って卵でとじる手間が加わると、それはもうお店で食べれば済むというものだと思う。
なのでカツ丼は他所行きの食べ物に位置している。
同様にハンバーガーもそれに当たる。あれも多品種のソースからピクルスからオニオン、ベーコン、目玉焼きにレタスなどの具材を準備して、実はほんの少ししか一食には使わない。
私は和食の調理が苦手だ。
ドミグラスソースの手間は惜しまないが、和食の手間には抗えない。それで和食のお店に行った時に、まずカツ丼を食べる。その力量を測っている。この習慣は長いので、かなり正確なメートル原器が体内にできている。
そんなお店が離島には、ない。
また自分でこしらえるつもりも、ない。
それで帰省の度に、想い出の味を堪能して回る。
しかしながら年齢のせいか、胃が小さくなってしまい、その目的が達成することは少ない。この年末の帰省も予定よりも1日短くなってしまった。
いくつ巡り会えるのか、夢は荒野を駆け巡っている。
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