レタス2個分

「レタス2個分の食物繊維が入っています！」と高らかに宣言しているレタスではない食べ物が、この世界には溢れている。

いや、レタスの立場よ。

もう少しレタスの気持ちを考えてあげてもいいと思う。言い方ってあるじゃん。

ただ、レタス2個分の食物繊維が入った飲み物が存在する世界における、レタス2個の存在意義ってなんなんのか、とは思う。レタス3個で勝負していくスタイルか。

レタス2個分の食物繊維が入ったおにぎりを手に取った時の、「え、じゃあ
もうレタスいらなくね？」感。
「であれば、あのレタスっていう物体って、何…？」という、なにかしらの禁忌に触れてしまったかのような感覚。

でも思う。
レタス2個分の食物繊維が入ったおにぎりを食べたとて、レタス2個分の食物繊維を摂取した感は、正直、ない。
得られるのはおにぎり1個を食べた感だ。

「ああ、レタス2個分の食物繊維を食べたなあ～！」と正しく実感できるのは、実際にレタス2個を食べきった時なのではないだろうか。

私は今のところ1回の食事でレタスを2個食べた経験はないが、きっとそれは、さぞレタス2個分の食物繊維を食べた感で体中が満たされることだろう。

レタスの勝機は、きっとここにある。
と思いつつ、レタス2個分の食物繊維が入ったポップコーンを手に取ってしまう、野菜不足の私である。