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良い金額の受注はそれだけで営業活動になるという話。

受託系の企業にとって良い受注金額でプロジェクトを請け負うという行為は次に繋がる最大級の営業活動と言っても良い。というお話。

予算いっぱい&利益いっぱい!ってプロジェクトは理想だけど基本的にはそんな出来事は想像上に近い産物。

クライアントの意思決定の中で、予算確保や予算執行のプロセスを上手に汲み取った受注金額=良い金額の受注として活動できると次回の発注も期待できるので、そのあたりの説明になれば幸いです。

1.予算上限なしのケース

一見パラダイス感がありますが、一番警戒するやつです。この手の話って文章が省略されていて「(予算イメージは持っているけど正解か分からないから)予算上限なしで提案してほしい。」といった内容が正確です。

この場合のクライアントの隠れた要求は以下の通りです。

①プロジェクトパートナーとして
経験をもっていて自分たちなりの仮説と予算が確保していることに対しての答え合わせがしたい。先方想定に近い提案内容と予算提示できればプロジェクトを共に過ごす仲間として評価してもらえます。先方予算の適正さが重要になるので高くても安くても評価になりづらいです。

②ビジネスパートナーとして
先方想定に近い内容と予算を前提としながら、先方の想定内容の先にあるビジネス課題と解決策の提案までできること。その提案について自社の強みと共に提示費用内で実現可能と理解しやすいものになっている。
この場合は、継続したビジネスパートナーとして選定されます。

実際のところ、役員クラスまで立ち会ってくれると②が有効ですが基本的にこの場合は①と思っておいたほうが正解です。
プロジェクトを共に過ごす気の利いた相手を望んでいると把握したら間違いがないかなと思います。

2.予算上限に到達するケース

クライアントのRFPもしっかりしていて予算も開示もされているコンペの時のあるあるです。

全部盛りみたいにクライアントからの要望を全て満たした場合、予算を越えてしまうケース。何をどこまでやれるかを問われているケースです。

・全部やります!一括値引きです!
・全部やります!単価安いです!
このタイプがいる可能性は考慮しておいた方が良いですが、このタイプを選ぶクライアントならそれはそれで仕方ないと思いましょう。

①不要なものを判断して調整する
分析能力と判断能力を強みとして提案します。改めてRFPを精査して施策に対しての濃淡と投下する費用のバランスを考えて不要なものは切り捨てる判断で整理してまとめていきます。
この場合はあまり作り込んだ提案書も用意せずに、基本スタンスと簡易な分析資料と対応範囲を明示して見積書とともに提出します。
提出に関しても期日より早ければ早いだけよい認識で、迅速的確な対応が期待できるパートナーとして戦略上振る舞います。

②プロジェクトの進め方を調整する
PRFを踏まえたうえでプロジェクトの進め方や要件の取りまとめのプロセス介入を強みとして提案します。最終的に要求する内容は満たすが、構成や見せ方などはRFPより良い仕様になるように意見を出し合って整理していく方針です。
目指す方向や到達した場合の成果を明示するとともに、必要な内容を削るのではなく、最適を探求する方針で結果として最適ボリュームに抑えることが全体の方針です。
伴走してくれるパートナーとしての存在感を提案に落とし込みます。

ポイントはどちらの手段をとるかを最初に窓口担当がきちんと示すことが大事です。それによってコンペに関わる人の労力の腹積もりや協力の仕方が変わるので意外と大事。顧客にもスタンスが明示できて関係構築しやすくなるかなと。

3.予算上限に到達できないケース※特殊編

ごく稀にご相談いただく中で発生するのが、先方の要件をどれだけ深読みしたとしても予算が思いっきり余る時です。私の場合は紹介相談で初回の案件の時に発生します。
(とりあえず高いとか安いって議論かがまずないんだ)と心の底からホッとした後に、目つきと口調が差分を欲しがってる下卑た笑顔にならないように落ち着かせます。※大事!

もちろんぼったくることはしません。※本当に大事!

常識の範囲外で高値設定にするのは下策中の下策というか信頼関係を失うので二度と関係構築ができません。豊富で動きやすい予算は必要でも意味のない搾取した予算はクライアントからだけでなく身内からの信頼を無くします。
※褒められる職場ならそれはそれでどうかなって思いますが。。。

じゃあ実施ベースで予算を余らせる!と考えられますが効果は今一つです。
なぜなら、担当自身の査定能力への不安が発生するか相談する相手が適切でなかったかといずれにせよ悩みます。あまり差があるというのは不安になり対応内容と価格のバランスも意外と重要なんですよね。

そこで私の場合は実施ベースでやることは適正な価格で提示します。さらに残った予算で実現できることを、その先に出てくる課題と自社の強み・得意分野でどう課題解決をして実現できるかという提案をさせてもらいます。

既に予算感覚の差があるので、ロードマップまで用意して、初手が手持ち予算内でできる内容で次のフェーズ以降は新たに予算確保してもらいビジネスパートナーとして支援し続けられることも分かるようにします。

おわりに

意外と言語化できなかった予算との接し方についてご紹介しました。
上記の考えでいると、クライアントからの評価が高くなり自社に使っていただける予算も増えていきます。
つまり営業活動を意識しなくても相談が増えます。

といいなと思って私自身いつも心がけてます。

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