第37回開示請求 大阪市なんちゃってオンライン学習

4月26日(月)から5月21(金)日に大阪市立小中学校で行なわれていたオンライン学習と対面の併用について、4月21日(月)の松井市長の発言がきっかけとなって急遽決まったものであるということが、すでに報道されています。
また、導入後も、回線の割り当て等さまざまな課題があったことも、明らかになっています。

このなんちゃってオンライン学習スタイルを決めた経緯について、文書請求をしていました。


■4月19日(月)

まず、オンライン学習について、松井市長が初めて記者の前で話をしたのは、4月19日(月)の囲み会見です。ここで「授業はオンラインで実施する。このことは今週から教育委員会は進めている」と発言したことがきっかでした。
ですが、この19日時点では、文書は何もありませんでした。
大阪市教育委員会(以下、市教委)の方曰く「公式な発表ではなく、あくまでも趣旨を話しているもの。方向性を示しているもの」という位置づけの発言なんだとか。

■4月20日(火)

初めて文書が出てくるのは翌20日(火)で、19日の市長発言を受けて、市教委で整理した方針を市長にレクするためのアポどりのメールでした。
(この後、同席する人数の変更連絡メールが何通か出てきますが、大勢に影響がないので掲載略)

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■4月21日(水)

その21日(水)の市長レクは、以下の資料に基づいて説明が行なわれました。

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同日、正式な通知の前情報として、このようなメールが各校の校長先生宛に送られています。

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■4月22日(木)

そして、22日(木)にようやく正式な通知『ICTを活用した学習について(小中事務連絡)』が発出。
この事務連絡には、ネットワークが40分ずつの割り当てであることが書かれていたり、とってもざっくりとした授業スケジュールが明記されていたりします(特筆すべき箇所のみ、図として掲載)。

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また、同日、もう1つ別の通知『第46回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議を踏まえた今後の学校園における対応について』も出ていました。


これらを経て、4月26日(月)から大阪市立小中学校で、オンラインと対面の併用での授業が始まりました。


なお、授業の進め方が決定した21日(木)には、記者向けにブリーフィングが行なわれていました。その時、このような質疑応答が行なわれていました(BFG時の資料は、市長レクと同様)。

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このスタイルでの授業の課題、そして始まったキッカケについての問題点などについては、すでに数多く報道で取り上げられていますので、このnoteで取り立てての記載は致しません。
開示された文書からも、報道されていた通り、市長発言をキッカケとして、市教委の中で突貫工事的にこの制度が作られたことがよく分かりました。
私は、市長発言がウソにならないように、何とか実現可能な落としどころをつくったのが、この併用の形式だったのかな、という印象を持っています。
また、ブリーフィング時の質疑応答記録からは、具体的な授業の進め方については、各学校に丸投げしていることも分かりました。

市教委の方々、そして小中学校の先生方のご苦労を思うと、居た堪れない気持ちになりますし、何よりも子どもたちが通常授業を受ける機会を失い、大きな被害を受けたように感じます。
保護者の方々も、いろいろな不安があったことでしょう。


なお、冒頭に「4月26日(月)から5月21(金)日に大阪市立小中学校で行なわれていたオンライン学習と対面の併用」と書きましたが、5月26日(月)から通常授業に戻っていることについても文書を求めていますので、こちらも入手次第noteかTwitterに掲載する予定です。


■6月4日追記
この市長発言により「オンライン学習」に切り替わったことの何が問題だったのか。
教育委員会の位置づけをふまえ、たつみコータローさんと宮本たけしさんが、開示文書をもとに下記の動画で解説してくださっています。



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