税金で買った本 ずいの・系山冏
久しぶりにどハマりした漫画。
本好き、図書館好きな人にはぜひ読んでもらいたい。
税金で買った本
原作・ずいの 漫画・系山冏
図書館が好き!
私は図書館が好きである。
これまで何度か引っ越しを経験しているが、図書館まで徒歩10分圏内のところにしか住んだことがない。
それくらい図書館が好きである。
そんな図書館好きな私だが、司書の方やスタッフの方々がどんな仕事をしているのか、ということはあまり考えたことがなかった。
普段、本を借りたり返却したり、お薦め図書コーナを覗いたり調べ物をしたり…と何気なく利用している図書館だが、働く人の立場で見てみると、そんなトラブルがあるのか!とか、新刊の購入にはそういう会議が開かれているのか!とか、本好きならではの愛の形が見えて興味深い。
主人公は、かつて本が好きだったけれどヤンキーになって本の世界から離れていた石平少年。色々あって図書館でアルバイトをすることになる。
図書館業務に関するあれこれが、個性豊かで魅力的なスタッフたちや石平少年とその友人、図書館利用者など、様々な視点で描かれている。
図書館好き、本好きにはたまらない漫画である。
図書館の本=税金で買われた本
原作者は図書館勤務経験のある方ということで、おそらく図書館スタッフの方々の「あるある」話がベースとなっているようだ。
フィクションなので面白おかしくされている部分があるとはいえ、トラブル関連の業務は日々苦労されているのだろうな…と胸が苦しくもなったりした。
図書館で働く方々に感謝の気持ちが湧くと同時に、自分は良い利用者でありたいなと思った。
本を「貸し借りする」場所だからこそのエピソードに、笑ったりジーンとしたりハッとしたり。
図書館をよく利用する人は、裏側が知れてますます図書館が好きになると思う。
図書館をあまり利用しない人は、きっとこの本を読んだら図書館に行きたくなるのではないだろうか。
細かい話だが、装丁や目次などの「ちょっと図書館の本っぽい感じ」もツボ。
早くも、2023マイベスト漫画大賞の候補である。
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