4才、初めての自己主張。

キリスト教の幼稚園に通っていたので、クリスマスになるとイエスキリストの劇をやることになっていた。

天使役の衣装がふわふわした白い可愛い衣装で、「あの服が着たい!」と思った私は天使役に立候補した。

今思えばこれが、「やりたいことをやる」ための初めての自己主張だったと思う。

どんな劇をしたかは全く覚えていないけど、ドキドキしながら天使役に立候補した時の景色だけは覚えている。

4才の私は、一番目立つイエスキリストでも、マリア様でもなく、
衣装が可愛いという理由だけで天使を選んだ。



アメリカでのイルカショー


幼稚園の頃、1週間ほど家族でアメリカに行ったことがあった。
おじさんがアメリカに留学していたので、おじいちゃんおばあちゃん、お母さんと弟と5人で、おじさんの住むロサンゼルスに遊びに行った。

その時のことはあまり覚えていないけど、
・初めてのユニットバスに驚いたこと。
・湯船の栓がなくて、マクドナルドのカップで蓋をしてお湯をためたこと。
・屋内の出店で磁石釣り(?)みたいな見たことがない屋台があって、おじさんが頑張ってイーブイ(ポケモン)の景品をとってくれたこと。
(スタッフの周りが360°流れるプールみたいになっていて、黄色と赤の磁石が流れている)(ほぼ黄色)(赤い磁石を釣ったら景品がもらえる)(あれ以来見たことがない)(未だに名前がわからない)(知りたい)(やりたい)
・でっかいスタジアムでイルカショーを見たこと。

みたいに断片的にシーンを覚えている。

アメリカから帰って来て最初の登園日、朝の会で先生が「さとちゃんはアメリカに行って来たそうです!」みたいな話をみんなの前でしてくれて、そんなそんな〜と思っていたら急に先生が「何が一番おもしろかった?」と私に質問してきた。

えぇっ…!?

私は戸惑った。
なんせ自分の意思で行ったわけじゃないし、幼稚園の頃なんておもろいとか楽しいとかいちいち自覚してなかったので、先生の質問はめちゃくちゃ難しかった。

強いて言うならイーブイの釣りのやつやけど、説明むずすぎるし、
マクドのカップで湯船の栓したことはエピソードとして弱いし…

悩んだ結果、私は

「イルカショー」

と答えた。

そしたら

先生「そんなん日本でも見れるやん(笑)」



と言われた!(笑)


えぇーーー!?(笑)

心がモヤモヤした。(笑)

けど、なんで心がモヤモヤしたのかはわからないまま、「へへへ〜」みたいな愛想笑いをした気がする。

でも、今ならわかる。


アメリカで見る、あの空気感で見る、イルカショーがよかったんやと。

同じイルカショーでも日本で見るのと同じなわけないやん!と。(笑)

確かに今となればどんなショーやったか全く覚えてないけど、
青空とスタジアムの一瞬の景色しか覚えてないけど、

日本でも見れるイルカショーを
あえてアメリカで見ることがええんやん。(笑)


その10数年後、私は海外に興味を持って、色んな国を旅することになる。
けど、せっかく海外に来たのに1日散歩に費やしたり、ホテルやカフェでぼーっとしたりすることも多い。

人から見たらすごい思い出じゃないかもしれないけど、
私にとってはそれがたまらなく贅沢で、宝物の時間。

アメリカで見たイルカショーも、内容じゃなくて、
何時間も飛行機に乗って、ユニットバスに戸惑って、見たことない屋台にテンション上がって、4Dの蜂の映画にビビりまくった後のイルカショーやから、私にとっては特別なイルカショーやった。

と、今なら先生にもちゃんと伝えられる気がする。(笑)







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