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銀河帝国本同好会 ①「銀河帝国の崩壊」アーサー・C・クラーク

いま、映画化で話題の「デューン 砂の惑星」や「ファウンデーション」シリーズのように、銀河帝国が舞台の小説は枚挙にいとまがありません。
自作にも銀河帝国を出したりしてる関係で、参考にしたりしなかったり色々読んできた「銀河帝国もの」(?)をつらつらご紹介していきます。

 「銀河帝国の崩壊」は、巨匠アーサー・C・クラークの初期長編作品です。
 まず、数億年先の未来という舞台設定にビビります。
 その長大な時間の果てで、人類が築いてきた銀河帝国は衰退し、完全に文明が停滞した都市では不死人たちが永遠に変わることのない日常を過ごしています。そんな中でただ一人、普通の人間として生まれた少年が、日常から脱出して新しい世界を発見し、やがては人類再興の道に至る冒険に旅立つことになります。
 そう、この作品では銀河帝国自体は、すでに衰退しているのです。
 「ファウンデーション」もそうですが、なぜ物語の銀河帝国では衰退期や爛熟期にあることが多いのでしょう?やはり何者かによる変革を描くことで、ドラマが生まれやすいというのもあるかもしれません。
 主人公の少年アルビンには、セオンという相棒となる少年がいて、「スタンドバイミー」的な冒険ものとして読むことも出来ます。細かいところでは、滅亡した文明によって作られた、空中に浮かぶロボットの描写が面白かったです。
 後年、「都市と星」という作品としてブラッシュアップされたそうですが、こちらは未読です。
 ジュブナイル的冒険SFとして、気軽に楽しめます。
 現在、絶版となっているようなので、古書店や図書館などにあったら一読してみてください。

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