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2023、ラブリーたちのおかげ

毎年、母か祖母から聞く気がするセリフ「もう恵方巻のチラシ出てたわよ」。

思えば、指先が冷たいと初めて思う頃にはすでに肉まんが出ていて、マフラーを巻く前からおでんが並び、クリスマスケーキやおせちの広告も随分早くからローンチされている。
季節の先頭を走っているのは間違いなく、コンビニだろう。

生活に最も密着したコンビニが1番のせっかちで、イルミネーションやデパートが追い越そうと必死になるから、世間はいつも忙しないのだ。
カレンダーだけがいつも地に足をつけて、私と並走してくれている。

2023年の暮れも暮れだから振り返ると、あまりに不幸な出来事が多すぎたなと思う。
愚痴を言いたいわけでも同情が欲しいわけでもない。ただこの悪運を今年に置いていってしまいたくて、書き残す。

長く付き合った人と「この人とは結婚しないだろう」と別れ、反対に「この人なら結婚できるのに」と思っていた人からは振られた。
これらを通じ、疎遠になってしまった友だちもいた。

仕事では半年スパンで昇進・降格があり、そのたび色んな人から色んなことを言われて心を病んだ。
後半はインフルエンザとコロナに罹患して、こんな最悪な年もやっと終わると思っていた矢先の12月27日、ストレスで腸が破裂し救急搬送。年末の楽しみはほぼすべてキャンセルになった。

Googleによれば、24歳の男性は厄年らしい。神様ったら私の性別を間違えたのかしら。

信じたい

文字通り一周回ろうとしている今は、あまりの気の毒さに笑えてしまう。辛かった分強くなった。良いことにも目を向けてみよう。

病んでひとり散歩ばかりしていた時間が、私の心をしなやかにした。
文学フリマに参加して、売れることへの執着がいい意味で無くなった。「書きたいように書く」ことの尊さを、本当の意味で感じられた気がする。

降格したから、会社のためではなく「私のために」どう働いていきたいか、キャリアを考えるきっかけも時間もできた。
どこか信仰心を持ってしまっていた彼にも、振られてよかった。告白するつもりなんてなかったけれど、しなかったらきっと一生彼は私の心にいて、私は誰のことも真っ直ぐ好きになれなかっただろう。

そしてなにより、4年間音信不通だった友だちと連絡が取れた。その子のおかげで何人かの友だちとつながれ、年明けの約束がいくつかできた。良い年が来る兆しかな。

祖母宅にて



なんとか今年を終えることができるのは、ラブリー(友だち)たちのおかげで間違いない。
しんどかったからこそ、普段人を頼らない私が友だちを頼らざる得なくなり、たくさんの優しさに触れられた。彼女(彼)らをもっと好きになった。

今年たくさんすくってもらった分、来年は彼女らの力になりたいと思う。
必要な時にはすぐ「大丈夫だよ」って言いたいし、大丈夫な時は一緒に笑いたい。

そう思える子たちの顔がいくつも浮かぶ2023年末、しあわせだな。
はー、終わりよければすべてよし。みんなも私も、お疲れ様でした!

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