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【遊戯王】続・蕾禍六花を考える~CS実践投入編~

こんにちは。山形で遊戯王をしています、satsuimoと申します。先の3連休に、蕾禍ギミックを搭載した六花デッキ、通称「蕾禍六花(らいかりっか)」デッキで、2つのCSに出場してきましたので、環境を戦ってみての所感をまとめておきたいと思い、記事を書くことにしました。

蕾禍と六花の混合デッキを使用しているプレイヤーは、まだまだ少ない印象があるので、積極的に記事を出すことで、興味を持ってもらったり、同志の方々に少しでも参考になるところがあれば嬉しいです。


「蕾禍六花」デッキとは


蕾禍六花については、すでに導入的な記事を書いてありますので、蕾禍六花デッキの概観を掴みたいという方は、まずはこちらをお読みください。


ギミックの中心になっている「六花」につきましても、以前デッキ解説記事を出していますので、そもそも「六花」テーマについて良く分からないという方は、こちらの記事を参考にしていただければと思います。


蕾禍六花デッキの狙いを簡単にまとめると、一枚初動から高い展開力を誇る蕾禍ギミックをエンジンに、六花の強力な妨害、もしくは「サボウ・クローザー」による理不尽な先攻制圧盤面を構築します。


「蕾禍六花」を取り巻く環境


現環境(2024年2月4週目)について


1月の制限改定で、罪宝ギミック、スネークアイギミック、篝火などに規制が入らず、今期は引き続き、炎王がトップに君臨する環境となりました。2月に入ると、純スネークアイの評価が上昇、さらに、強力な後攻ワンキルデッキである天盃も加わり三つ巴の環境に。

継戦能力が高く、誘発にも強い粛声は、パワーの高いスネークアイギミックに押され気味で数を減らし、苦手対面の減少により、相対的に神碑の評価が上昇しました。このほか、新規で大幅に強化された幻奏、墓地メタを得意とするふわんだりぃず、天盃に有利なラビュリンスなど、バラエティに富んだデッキ群が環境中位に顔をそろえています。

捲り札よりも誘発の評価が高い環境は継続していて、誘発を貫通して超高火力を叩き出せる天盃が環境に風穴を開けています。3月にかけては、メタが進んでいくことが予想され、環境がどう変化していくか、注目されます。


蕾禍六花の立ち位置


新テーマである蕾禍は、発表当初から、そのポテンシャルが注目され、新弾発売直後はCSにも名を連ねましたが、なかなか結果を残すことができず、現在は急速に数を減らしてしまいました。そのため、環境で戦うプレイヤーに、ギミックをあまり知られていないというメリットがあります。

六花についても、ギミック自体は強力でありながら、環境で使用するプレイヤーが少ないため、ギミック内の動きを熟知しているプレイヤーは、引き続き、ほとんど増えていないというのが、私の受けている印象です。

リリースによる除去を主体とする六花は、その強みが刺さらないという環境が少なく、今期も引き続き、相手がこちらのギミックをよく知らないという情報アドバンテージを生かして、環境デッキ群を後ろから刺しにいけるデッキであると認識しています。

また、六花自身も、蕾禍ギミックの搭載により、初動が格段に安定し、手数が増えて誘発貫通の期待値が上がり、また、これまでやや苦手としていた後手からの捲りも、信頼性が向上しています。


メタ札の影響


天盃、粛声に強く打てる「幽鬼うさぎ」の増加は、フィールド魔法の「六花来来」を展開・妨害の要衝としている六花にとっては向かい風ですが、蕾禍ギミックの混合によって、来来への依存度が少し下がっているため、今期は純構築の六花よりも、むしろ蕾禍六花の方が結果を残しやすいのではないかと考えています。

また純構築では考慮する必要がなかった「原始生命態ニビル」について、蕾禍と混合することによって打てるタイミングができてしまいましたが、そもそもニビル受けがそれほど悪くないことに加え、今期はニビルの信頼性もそれほど高くないことから、影響は限定的と考えています。

純スネークアイに採用されることが増えた「禁じられた一滴」については、こちらのサボウ・クローザーが無力化されてしまうことから、嫌な採用カードではありますが、先攻盤面をサボウだけに頼っているわけではないので、致命的ではないという認識です。


構築のコンセプト(仙台卍CS)


デッキレシピ


2/23(金・祝)開催の仙台卍CSで使用したデッキレシピです。デッキの動かし方や、基本的な採用カードは、上記の別記事で紹介していますので、こちらでは、当初のレシピから変更した部分と、採用誘発やサイドなど、CSに持って行くにあたって検討を重ねた部分を記したいと思います。

一から自分で考えたので自信がない


構築全般


まず、当初の案から大きく変更した点として、蕾禍初動を厚くし、「蕾禍繚乱狂咲」を1枚→3枚に増やしました。これは、実戦経験を積むにつれ、私の中で、狂咲の評価が上昇したことが要因です。

当初は、手札消費が激しいことから、狂咲初動の場合に息切れを起こしてしまうという懸念がありましたが、狂咲からサーチしてくる「蕾禍ノ毬首(マリコウベ)」を、特殊召喚するのではなく、召喚権を割いて出す運用とすることで、手札の消費を1枚抑えることができるようになりました。

また、引きたくないカード(「蕾禍ノ鎧石竜(ヨロイトカゲ)」「蕾禍ノ矢筈天牛(ヤハズカミキリ)」)を2枚入れる以上、単なる初動の嵩増しとして考えるだけでなく、できるだけ蕾禍ギミックから動き出せるよう、蕾禍側の初動も増やした方が無駄がないだろうという結論に至りました。

また、狂咲自身の効果が優秀なのは分かっていたつもりでしたが、使ってみると想像以上に優秀でした。打点アップ効果はかなり安心感があり、また、相手の除去の的が、フィールド魔法の六花来来と分散することで、リソースを残しやすくなりました。

さらに、複数枚の採用により、返しのターンのマリコウベの効果で2枚目をサーチする択が生まれるため、2枚貼りでさらに打点を上げたり、他のカードの手札コストとして利用することもできるので、便利です。

一方、先述の通り、素引きしたくないカードが2枚増えているため、デッキ枚数を42枚に増やして、じゃっかん引きムラを作りました。初動枚数は、当初より相当枚数増えているので、デッキ全体の枚数を膨らませるのは、事故率の増加にはつながっていないと判断しています。


誘発構成


「灰流うらら」「増殖するG」「無限泡影」「エフェクト・ヴェーラー」という、今期最もオーソドックスな12枚の構成です。デッキ枚数を42枚と、少し増やしている関係から、後攻札として「三戦の才」も採用し、合わせて「12+1枠」という考え方です。

蕾禍六花は、盤面の妨害と手札誘発を合わせて戦っていくデッキになるので、先攻で役割を持てない捲り札は、メインデッキには採用しづらく、先攻でも強力な役割がある三戦の才のみ採用しています。

今期は、ある程度の誘発を安定して貫通できるデッキが多く、誘発1枚で止まるようなケースは限定的ですが、こちらも、蕾禍を混合することによって後手の手数は増えているため、相手の先攻展開を誘発で弱め、手数で捲っていくようなコンセプトにしています。


サイドデッキ


まず、後攻サイチェンのプランとして、冥王結界波や拮抗勝負などのパワーの高い捲り札を、ファンタズメイで探しに行くようなプランどりを選択しました。今期は環境トップのデッキ群に、魔法罠の捲り札を止める妨害が少ないことから、手っ取り早く1枚で盤面を返してしまおうという考えです。

結界波、拮抗勝負などの捲り札は、強力な反面、そのターンに決めに行く択を取れないというデメリットもありますが、そもそも六花は、後攻1ターン目で決めに行くようなデッキではなく、低速のリソースゲームを勝ち切るデッキなので、盤面を返して蓋をする方針の方が合っています。

このほか、打点にもなり、六花の苦手なバック除去にも一役買ってくれる、六花のズッ友・パンクラトプス、天盃対策としてうさぎとコズサイも採用しました。コズサイは炎王や神碑にも打て、うさぎは粛声に対しても有効になるため、比較的入れやすいカードと考えています。

先攻札としては、迷った結果、今期も「ポリノシス」を選択しました。サイド後から入ってくるコズサイや羽根などの捲り札を弾けることに加え、サボウに打たれる一滴の回答にもなります。一滴に対して間に合うという点で紅蓮の指名者に勝り、ライフコストが必要ない点で神の宣告にも勝ります。

また、コストで植物をリリースしなければならないことは、六花においてはむしろ、ストレナエの効果を起動できるため、メリットとも言えます。

異次元グランドは、こちらのひとひらの蘇生も阻害してしまうため入れづらいです。次元障壁はそれほど環境に有効ではないと判断しています。


対戦レポート(仙台卍CS)


対戦成績


1.スネークアイ 先○××
2.天盃 先××
3.転生炎獣 先○××
4.ユベル 先○××
5.炎王 先××
6.炎王 後××
7.粛声 先○○

1-6で最下位。俺が一番よえーよ(事実)
自らのCSワースト記録を更新するという、ほろ苦いというにはあまりに不甲斐ない、蕾禍六花のCSデビュー戦になってしまいました。唯一良かったところは、参加人数があまり多くなく、総当たり戦になったため、多くの実戦経験を積むことができたところでしょうか。対面した方はみなさんかなりうまい方ばかりで、大変勉強になりました


反省点の整理


まず、あまりに○××(メイン戦を取った後、サイド後に連敗している)のパターンが多すぎると感じました。サイド後の後攻で勝ち切れない、サイド後の先攻を取りこぼしている、このあたりに問題意識を持ちました。

サイド後の後攻で勝ち切れていないのは、私のプレイの未熟さに起因する部分が多かったので、構築で反省すべきは、サイド後の先攻を取りこぼしているところかと思います。環境デッキ群に対してパワーで劣っていることを十分に自覚し、サイド後に先攻札を厚く入れていく必要性を感じました。

また、六花は後ろの妨害に目が行きがちですが、前盤面のストレナエを除去されると、2妨害削られてしまいます。そのため、サンボルなど汎用の捲り札や、スネークアイ系統のデッキに採用されることがある「反逆のスネークアイ」などを弾けるようなカードを採用する必要性を感じました。

次に、六花に蕾禍を混ぜる大きなメリットだと思っていた、サボウ・クローザーについては、メイン戦で立てることが一度しかなく、しかもサボウ・クローザーが立たなかった試合もきちんと勝てていました。そのため、サボウはメイン戦で立てるには過剰な妨害ではないかと感じました。


構築のコンセプト(みかん杯)


デッキレシピ


仙台卍CSでの惨敗を受け、翌日にプランを練り直し、山形出身の強豪プレイヤー・ぜろまる氏に構築を相談しました。その結果、2/25(日)のみかん杯では、コンセプトを大幅に変更して臨むことにしました。

ぜろまるさんが一番つえーよ

「六花のことは良く分からないし、蕾禍のことは強いと思っていない」と話していたぜろまるさんでしたが、仙台卍CSの反省を伝えたところ、誘発構成や、サイドプランを中心に1時間半も相談に乗ってくれました。いい人すぎるだろ。


構築全般


まず、デッキ枚数を40枚に絞ることにしました。これは、今期最強誘発の増殖するGを引く確率を少しでも上げるためです。

デッキ枚数を減らすことを考えた時に、今まで固定観念に縛られて検討の枠から漏れていた、六花ギミックに手を入れていくことにしました。

まず、純六花では最強初動だった「六花のひとひら」は、合わせ引きで貫通になれず、蕾禍初動では、極端な話、採用されていなくても展開は成立するため、大幅に削ることにしました。ただ、絢爛初動の場合には必要になることと、墓地に置いておけば延々リソースを稼げるため、1枚だけ採用しています。

六花のしらひめについても、簡単にサーチできることと、コストで永遠にデッキに戻り続けるため、突き詰めれば1枚でも回りそうだと考えました。組み合わせ初動になることと、常にデッキに1枚いる状態を作れれば、プレイが楽になるため、今回は2枚の採用としています。墓穴の的になってしまうことも考えると、そのときの判断では、1枚にはできませんでした。

返しのターンに必要としていた「六花精スノードロップ」は、今回思い切って不採用としました。そもそも先攻1ターン目の展開には絡まないことと、蕾禍ギミックのおかげでリンク値を稼げるようになっているため、リンク体側で打点を用意できるのではないかという判断です。

また、合わせて、過剰妨害感のあったサボウも不採用とし、デッキ内の引きたくないカードを2枠削ることができました。

もう一つの、コペルニクス的転回として、「蕾禍六花を、展開系として認識する」ことにしました。どうしても純六花の時の癖が抜けておらず、誘発受けばかり考えていたのですが、展開を通せさえすれば、かなり堅い盤面を作ることができるので、指名者3枚を投入して、誘発を弾いて展開を通しに行くような運用に転換しました。

また、ぜろまるさんとの通話終了後、「六花のひとひら」を絡めない展開を布団の中でぐるぐる考えていたところ、六花来来のセット効果を使う前であれば、植物縛りがつかず、「蕾禍ノ大神主」から「蕾禍大輪首狩舞」をサーチするルートを通れることに気付きました。


《蕾禍大輪首狩舞》

通常罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。 (1):自分フィールドの昆虫族・植物族・爬虫類族Lモンスターの種族の種類の数まで、 相手フィールドのカードを対象として発動できる。 そのカードを破壊する。
(2):このターンに墓地へ送られていないこのカードが墓地に存在する状態で、 自分フィールドの表側表示の昆虫族・植物族・爬虫類族モンスターが戦闘・効果で破壊された場合、 このカードを除外し、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターを破壊する。


素引きしたくないカードを大幅に減らし、貫通札も増やして、デッキ全体が洗練され、スロットに余裕があることに加え、天盃、炎王、スネークアイなどTier上位の対面に有効であることも評価できます。

六花が苦手な、バック除去を担えるカードでもあります。基本的に最終盤面には、植物Lモンスターしか立たないので、1枚しか破壊することはできませんが、1枚だけでも破壊できれば十分です。


誘発構成


仙台卍CSの時から変更はありません。デッキ枚数を42枚→40枚に圧縮したことで、増殖するGをはじめ、各誘発を引く確率は少し上がっています。


サイドデッキ


先攻札として、「サモンリミッター」「ポリノシス」各3枚の6枠取ることにしました。後攻の不利を解消するためのサイドデッキで、先攻用カードに6枠取ることは情けないような気もしましたが、サイド後の先攻を勝てていないという現状があるので、背に腹は代えられないと考えました。

ロングゲームを得意とし、相手ターンのエンドフェイズにひとひらが帰ってきてくれる六花とサモンリミッターとの相性は抜群で、しらひめの効果無効を、来来で相手モンスターをリリースしながら発動し、次の自ターンでひとひらからしらひめをもう一度サーチすれば、理論上無限にアドバンテージを稼ぐことが可能です。

また、サモンリミッターに直接アプローチする、割り物などのカードに対しては、ポリノシスで意識外から弾くような対応を想定しています。

捲り札のうち、拮抗勝負はあまり有効に打てなかったため、結界波のみ残して、ズメイで引きに行くプランは継続しました。加えて、純スネークアイの神殿をどかせるなど、広い対面に有効な羽根と大嵐を採用、天盃や粛声に強いうさぎは続投、枠がなく、パンクラはメンバー落ちとなりました。


対戦レポート(みかん杯)


対戦成績



1.ラビュリンス 先○×○
2.ユベル 先○○
3.炎王 先××
4.天盃 後××
5.炎王 先○×○

先攻が多かったとはいえ、一応3-2オポ落ちと、面目を保ちました。前々日に1-6したことを考えれば、随分持ち直したと思います。

初戦、2戦目とも、自分のプレイが未熟でギリギリの試合にしてしまいましたが、もともと中低速のデッキには相性が悪くないため、しっかり善戦することができました。

3戦目は、先攻を取るも手札事故、2戦目は、ひとつのプレミが負けに繋がってしまいました。4戦目の天盃戦は、一本目は先攻展開+Gに沈み、2本目はこちらが先攻を選択、上から貫通してワンキルされてしまいました。

最後の炎王戦は、順当に1勝1敗で3本目を先攻で迎え、サモンリミッターが大活躍。低速の試合にして勝ち切ることができました。


反省点の整理


今回の反省点はかなりはっきりしていると思います。まず、炎王戦に関しては、分布を読み違え、純スネークアイの方が多いと思っていたため、炎王への対策がなおざりになっていました。サイド後から炎王に対して入れていけるカードが少なく、サイド後の後攻は、なすすべなしでした。

サイドカードの中では、冥王結界波の出番がほとんどなかったため、三戦の才の2枚目や心変わり、魂の解放といった、炎王・純スネークアイどちらにも入れていけるような捲り札を選択できると良かったと思いました。

天盃に対しては、プラン取りの想定が甘かったと思います。サイド後は、サモリミや首狩舞が回答になると考えていましたが、実戦では羽根を打たれてしまい、沈みました。そもそもサイド後に先攻・後攻どちらを選択するかの吟味や、前盤面の妨害と後ろ盤面、どちらかが成立しなかったり、剥がされてしまった場合の妨害プランをもっと想定しておくべきでした。

デッキ自体にはかなり可能性を感じていて、敗因はほとんどが、自分起因(構築、プランどり、プレイスキルなど)だったので、デッキのポテンシャルを引き出せるように、今後も研究を続けていきたいと思います。


おわりに


これだけの長文を最後までお読みいただきありがとうございました。大して結果を出せているわけではない人間のnoteで、しかもほとんど備忘録的につらつらと書いたような内容になってしまいましたが、何か少しでも参考になるようなところがあれば嬉しいです。

現状の蕾禍六花は、マリコウベに誘発を打たれてしまった場合の明確な貫通手段がギミック内になく、貫通を六花側に頼るような構築になっています。蕾禍はまだ登場したばかりのテーマなので、新規が期待できると思いますし、現状でもまだまだ研究し尽されていない余白があると思いますので、考え甲斐のあるデッキだと思います。

今後も、引き続き、蕾禍六花については擦っていきたいと考えていますので、有識者の方、よろしければぜひアドバイスいただければと思います。

今回は以上です。アザマシア!

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