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最近飲んだ自然派ワイン-41

今回は後半謎に文章が長くなりました。

もう少し不真面目に生きる努力をしたい年頃。

・イタリア、ピエモンテ
・ファビオ・ジェア
・クル・オッテ2019/ネッビオーロ100%

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素朴さと品が共在し得ることの好例。

ネッビオーロ100。染み渡り行く。

これが深淵系ワインってやつか。

なんだよ深淵系って。

飲めば分かっちゃう。

つべこべ言わず、飲んで深淵へゴー。

・イタリア、エミリア・ロマーニャ
・イル・ファルネート
・ジャンドン・ビアンコ2020/マルヴァージア・ディ・カンディア

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ジャンドン!ジャンドン!ジャンドンドン!!

この価格でこれはヤベエよっていうオレンジワインです。

可愛らしいエチケットと最強のコスパでお馴染みのイル・ファルネート。

正直土着品種であるマルツェミーノを用いた赤ワインに関しては「?」っていう感じでした。

でもこのジャンドン・ビアンコは、普通に美味い。

3000円代でも余裕で買うなっていうレベルです。

しっかりオレンジオレンジしたオレンジワインなのがオレンジワインラバーとしては嬉しい限り。

酒場では「大人のバヤリースオレンジ」なんて言われてましたね。

バヤリース飲んだことないから
分からないのだけれど(^◇^;)

しっかりとした果実味、攻め気はあるも、くどくはない酸。

アロマティックでタンニンもほどよく。

飲みやすさと飲みごたえを兼ね備えたオレンジワインです。

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これはトリッパと白インゲン煮込み。

トリッパといえばトマト煮込み的な常識を覆す、白い優しさ。

包まれましたぁ(^◇^;)

・オーストラリア、ヴィクトリア
・ウィリアム・ダウニー
・カテドラル2019年/ピノ・ノワール100%

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カテドラル(Cathedral)といえば、レイモンド・カーヴァーの同名の短編(和題は「大聖堂」)を否応無しに思い出してしまいます。

妻の古い友人である盲目の男に翻弄されながら主人公が未知の感覚を得るという、傑作ショートストーリー。

テレビに映し出された「大聖堂」(churchではなくcathedral)を盲目の人間が理解できるかという興味が、偏屈な主人公を逆に突き動かすことになります。

さて、そんな素晴らしい傑作短編を初めて読んだとき衝撃は、このワインにはありませんでしたね。

もちろん悪口ではございません。

ダウニーにしては安めのピノ・ノワール。

しかし、品がある程度削ぎ落とされているためか、飲み疲れ過ぎなかった。

ピノ・ノワールのボトルを連れと二人で飲むという体験は、今回が初めてでした。

いつもより一本を飲む速度がかなり遅かったです。

グビグビ系イタリアオレンジなんて、秒で飲み干しちゃうものだけれど。

かなり馴染みやすいピノなのだけれど、それでも尚、品を引きずっている。

ピノ・ノワールの大ファンでは絶対にないし、品を敵対視してきた人生だったので、このような見解にはなってしまうのだけれど。

二人で多様性に関する色々な話をしながら、1時間以上かけて一本を飲み終わりました。

「自分たちと違う者たちに対して寛容になるのがどれだけ難しいか」というテーマで話し込んでいて、自分らの至らなさを自覚して酒が不味くなるかと思う瞬間も(^◇^;)

例えば我々はあまりに簡単にワインを通して知り合い、あまりに簡単に愛し合っているけれど。

ナチュラルワインと遠い位置にいる人や、恋愛と遠い位置にいる人たちに対して、我々には蔑むようなところがないだろうか。

ないなんて絶対に言い切れない。
多分あるのよ多少あるいは多分に。

結局自分たちと対極に位置する者たちに対し、
どこか蔑みの視線を送ってしまっている気がする。

そもそも彼らを対極と位置付けることが、何よりの差別なのではないか。

あれ、なんだか書き過ぎてしまってるし、収拾がつかなくなっている。

一人でしっぽり飲むワインも素敵だし、愛する者と二人で飲むワインも素敵だし、皆で踊りながら飲むワインも素敵なのだけれど。

ワインを飲んで楽しいだけで本当に良いのだろうか、ということを考えています。

答えが出ないことを言い訳に、私は今日もまたワインを飲むのでしょう。








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