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東京で働き始めて一か月

まえがき


5年間住んだ京都を離れて東京で新卒として働き始めた。
毎日スーツを着て、ネクタイを締めて、まあまあ混んでいるJRに乗って職場に向かっている。やっていることは研修なので、仕事やってるぞ!感は薄いけれど、賃金と立場の変化は発生している。

いまのところかなり楽しくやっている。以前書いた記事にもあるように、僕はコンサルに入社した。

身の回りの尊敬する料理人や飲食関係者、生産者の人がしている仕事は大きな価値があるのに、彼らの年収はスーツを着た外資系コンサルよりも遥かに低い。憎かった。商社マンが、コンサルが、銀行が。ずるいと思った。
「この仕事にはお金じゃない価値がある」
お金を稼げていない人がこの言葉を言っても、きっとホワイトカラーの人からはカラ元気だ、負け惜しみだと受け取られてしまう。それが悔しい。

ここで僕が勝手に飲食業をレぺゼンして就活をし、高層ビルのオフィスに潜り込み、どうやって富が生まれているかを暴きたいと思った。そして最終的には仕事で得た知見を活かして、料理人がきちんとした報酬を受け取れる会社を作りたいという野望を得るに至った。

就職活動やってみた!より

なぜコンサルに入ったか?

自分は料理が好きで、料理を趣味に押しとどめたくなくて、仕事でやることでしか至れない領域まで自分の料理を高めたいと思っている。
ではなぜ料理人にならなかったのか。
かっこつけた言い方をするなら、僕は料理もだけど構造も作れるようになりたかった。
ここの話は自分の中でまだ全然まとまっていない。資本主義というよりも、美味しさを第一とした何らかの主義を作り出したいのかもしれない。

後ろ向きな理由もある。
厨房とお客さんの間で完結する世界でずっと過ごしていける自信がなかった。新卒で飲食店で働きだしたら就職した同期と待遇の差を感じてしまうかもしれないと思った。自分の「できる事」が料理方向に絞り込まれてしまうことが怖かった。うっかり手にしていた京大卒というカードにそこまで思い入れは無かったのに、社会で高く評価されたから捨てるのが惜しくなったのかもしれない。

卒業式にはエプロンで出た

京都から東京に向かう新幹線で、敗北感を噛み締めていた。長いものに巻かれてしまった。自分が好きなものに対して自分のキャリアを全掛けできなかった。料理への覚悟が足りないから半端に二足のわらじでやろうとしているんじゃないか。

結局お前新卒でコンサルかよ。だっせえなあ。という心の声が止まらなかった。
そんなこんなで、僕はかなりささくれたマインドで四月を迎え、社員も同期もすべて敵だと思って入社式に出た。

それから一か月。事態は急展開を迎える。

会社がめっちゃ楽しい

めっちゃ楽しかった…充実した研修でもろもろの基本的なスキルを叩き込まれ、優秀できちんとした同期とガンガンに議論し、個人では触れないデータに触れることが出来る。あと社員の皆さんもちゃんとしていて、顧客の今後を見据えてしっかり仕事をしている人が多かった。

飲食業の経営を考えたり、補助金申請の事業計画書を作るときに欲しかった知識や、論理的に商売を考えるうえで必要な方法論が毎日どんどんインストールされてくる環境だった。正直とても面白い。

結局どんな道に行っても、そこで自分と向き合い、他者と向き合い、真剣にやり続けていれば料理に活きると思えるようになった。新卒でコンサルに入った自分の判断を後に肯定できるように、まずは今めっちゃ頑張ろうと思う。自分の頑張りをズドンとぶつけてもそれを受け止めてくれる会社に入ることが出来たありがたさを感じつつ、高く飛ぶための助走としていきたい。

漢a.k.a GAMIの「選択肢はたった一つ、全力でぶつかれ」でこの記事を〆ます。
ではまた。




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