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髪の毛がピンクの美しい女性に会う

顔を見上げると3人の影が


顔を見上げるとピンク色の髪を無数に結んだ、肌色の濃い、はっきりした目、大きな口の小柄な女の子が不具合な3人の真ん中に立っていた。 
 
一瞬アニメの世界に入り込んでしまったかと思った。 アニメのキャラならその小柄の女性は3人のボスみたいな感じだった。 
 
強そうな女の子。
 
横にはボーイフレンドなのかなんなのか? 体格のいい大きな、またまたパンクっぽい短い髪の毛の西洋人が立つ。 左には純日本風の不釣り合いな髪の長い、おとなしそうな女性が静かに付き添っている。
 
真ん中のピンク女性は酷く落ち着いていて。気品がある感じがした。頭がパンクなのに。
 
 
そしてそのボスが話しかけてきた。
 
「イギリス行くの?」
 

 
女の子というよりかは、彼女の綺麗な日本語から判断するとお姉さんな感じだった。
 
横にいる彼とは英語で喋っていたが、彼は日本語が喋れない。 僕に話しかけるピンク女性の日本語はとても上手で、アニメで、日本語で、巨体の男性に純日本人が横にいたり、英語で話されたりで頭は混乱した。
 
純日本人の女性はにっこりとするだけでほとんど喋らなかった。 
 
彼女が話しかけてきたのも、僕がここで似顔絵を描いている横に「イギリスに留学します!」と大きな文字で書いてあったからであろう。
 
なんと恥ずかしいことをしていたことか。
 
「私、イギリスのKingston University で勉強しているの」
 
と嬉しそうにも悲しそうにも興味ありそうにもなさそうにもピンク星人は話し始めた。
 
彼女は喋るたびに、顔をゆらした。ぽっけに手をつっこんでパンクなムードだけど、手でジェスチャーが使えないせいか鋭い目と大きな口がチャーミングポイントの頭を揺らして自分を表現してるようだ。
 
やけになれなれしく話すところは外国人っぽいが、顔は日本人ぽさもある。
 
この女性の落ち着きようはいったい何...
 
心がたかぶると同時にとても面白いことが起きそうな気がしてならなかった。
 
まさか僕が今後彼女とロンドンで何度も会うことになるなんて思ってもいなかった。
 

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