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【読書のキロク】子どもの主体性とカリキュラム

こんばんは、"もっちゃん"です。
今回も【読書のキロク】です。

最近思うのは、
【読書のキロク】として公開するときに、"本のタイトルを記事のタイトルに入れるべきか"
ということです。少し悩んでいます。

他のクリエイターの方の記事を見ると、ストレートに書いているものもあれば、そうでないものもあります。

どちらが良いのでしょう?

個人的には、【読書のキロク】は書評でもなんでもなく、自身のキロクとして雑感とかを交えて残しているだけなので、
"レビュー"みたいに受け取られてしまうと微妙
ということもあり、タイトルに入れるほどではないかなぁ〜と思っています。

読みにくい、と感じる方、大変申し訳ありません。

以下、今回のキロクです。


◯今回読んだ本:『はじめに子どもありき』 著者:平野朝久 東洋館出版社

ちょっと読む機会があり、手に取りました。

最初の発行は1994年、とても有名な本なので、読んだことのある方も多いのではないでしょうか。

ただ私は、恥ずかしながら今回初めて読みました。

◯概要

最近の教育界では、次々と新しいキーワードが誕生し、教育現場は、それらに振り回されてはいないか?授業とは、この私が目の前にいるこの子どもとともに創っていくもの。本書には、時代を超えて変わらない価値がある!

「BOOK」データベースより
楽天ブックス商品紹介に引用されたものを転載

最初は学芸図書から出版されたものの、その後発行元が東洋館出版社に変わったようです。

名著と記すサイトもありました。

◯雑感

本書は、教員にとって具体的な取り組みを示す本というよりは、
「教員の心構えを示す」本
といった印象です。

言い方が悪いかもしれませんが、偉大な大先輩のお話を聞かせていただいた、という感じです。
(盛り上がった教員の飲み会の中盤くらいから、ベテランが語り出す感じの、とても洗練された版みたいな)

30年前に書かれた本とはいえ、現在の教育にも通ずる、教員の持つべきスタンスのエッセンスが得られたように思います。

◯はじめに子どもありき

『はじめに子どもありき』

という本書のタイトルにあるとおり、
学校での教育活動は子どもが出発点にあるべし。
というのが筆者のスタンスかと思います。

少し本書から引用します。

本来、子どもの学習および教育は、常に、その子どもが今何を考え、感じ、求め、困っているか等々の事実を出発点として、絶えずそこへ立ち返らなければならない。進むべき方向もそこから考えることになる。すなわち、「はじめに子どもありき」でなければならないのである。

本書p32より

この言葉の通りです。

現在では、改めてこの視点が見直されている(?)ように思います。

授業を"教授の場"と捉えるのではなく、"学びの場""学習の場"とするような見方かと思います。

授業の主体は「子ども」である

ということを、改めて考えさせられます。

近年の答申でも、

「一人一人の子どもを主語にし」

といった言葉もありますが、"個別最適な学び"などが再び取り上げられてきていることと同様に、こちらもまた見つめ直していかねばならないでしょう。

流行、時代は繰り返すと言いますが、とても面白く感じています。

◯診断的評価

はじめに子どもありき

と考えると、診断的評価の重要性をいっそう感じます。
子どもたちをあらゆる観点から見つめ、その持ち合わせているものを教員が見極めていかなければならない。

本書では「外からの理解」「内からの理解」とありました。

"共感的理解"の姿勢を持ちつつ、子どもたちに寄り添い、真に理解しようとすることが大切なのだと感じました。

◯子ども主体とカリキュラム

子どもを出発点として授業を構想していく、となったときに、

「どこまで内容を子どもたちに依拠するのか」

ということがいつもわからなくなります。

教員の立場からすると、子どもたちが限られた時間数の中で教科の目標を達成出来るようにしていかなくてはなりません。

100%子ども主体の授業となると、それはカリキュラム的に可能なものなのでしょうか。

なんとなく、
総合的な学習の時間などで探究的な活動を行うとき
などはイメージできる気がします。

一方で、各教科の授業等を考えたときに、100%子ども主体の授業は逆にイメージできません。
どうしても誘導していく形になってしまいそうな…。

結果的に、時間数とのバランス、といった話になってくるのかもしれません。

何が正解なのかはわかりませんが、
「はじめに内容ありき」
「はじめにカリキュラムありき」
といった感じになってしまうのは、避けたいところかと思います。

うまくバランスのとれた授業を構想していきたいものです。


なんてことを考えた1冊でした。
5年後くらいに見たら、また感じ方が変わるかもしれない本だと思います。

機会をみて、また読んでみたいと思います。


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