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[閉鎖病棟入院日記11]暇な時間をいかにやり過ごすか

入院生活は基本的に何をしても良い

精神科の閉鎖病棟に入院している、と聞くと何かたいそうなことをやらされたり、大変な目にあっているとおもられるかもしれません。

しかし、私的にはそこまでこの生活がストレスフルだとは思いません。強制的にやらされることといえば毎日の検温と血圧測定くらいなものだからです。

基本的には入院生活というのは暇であり、食事を摂っていい子ちゃんにしていれば何をしても自由なのです。

患者たちは暇な時間に何をするか

では暇な時間に患者たちは何をしているのでしょうか。基本的にはそれぞれが「心地よい」と感じる活動をしているように思います。

私の観測範囲ですと、知的能力に問題のあるおばさんは作業療法室でお絵描きを毎日のようにしていますし、統合失調症のおじさんはホールでテレビを見て過ごしています。

急性期で疲れが取れない人は自室のベッドで寝ていますし、みなさん思い思いに時間を過ごしている印象です。

私が最近したこと

私はといえば基本的には読書をしたり、こうして文章を書いたりしています。最近読んだ本だと「約束のネバーランド」という作品の考察本を読みました。

約束のネバーランドは私が大学1年生くらいの時に友人に勧められて出会った作品です。

当時はアニメの1期が始まったくらいの時でした。友人の家に集まって一緒にアニメを見たのが懐かしいです。

約束のネバーランドは、欧米の文学に影響を受けていると言われています。それこそ不思議の国のアリスや指輪物語など、様々な物語から着想を得たと思われる場面がたくさんあります。

原作やアニメを読んでいた大学生の当時は、「なんとなく宗教チックだな」と感じてはいたものの、その理由を掘り下げる時間がありませんでした。

入院して時間ができたので、当時好きだった作品の考察本でも読んでみるかとなり、実家からわざわざ病院まで送ってもらって読みました。

かなり興味深い考察が書いてあって、自分的には読んでよかったなと思いました。

元々分析などは好きですが、物語の考察本は初めて読みました。それにしては面白く読めたと思います。

これからしたいこと

これから体調が回復していくに従って、病院内での行動範囲が広がっていくと思います。

基本的には来週あたりから中庭や売店に看護師の同伴なしで自分1人で行くことができるようになります。

なのでささやかな買い物なども含めて、残り少ない入院生活を楽しみたいです。「残り少ない」と書いたのは、おそらく自分の回復具合から言うと入院期間は1ヶ月と少しになると思うからです。

他の患者さんから聞きましたが、基本的に回復が早い人は2ヶ月以内に退院できるそうです。

私の場合もほとんどうつ状態が消えて、外に出ても問題ないレベルにまで回復してきています。

医師との相談の上でのことになりますが、もうそんなに長くは入院生活は送らないでしょう。

入院して良かったこと

精神科の閉鎖病棟に入院するという貴重な経験をできたのは自分にとってはプラスになる面が大きかったと思います。

自分よりもはるかに病状の重い患者がいることを知れたのはいい機会だったと思います。

母親も入院経験があるので話としては聞かされていましたが、実際に体験してみると衝撃は大きいです。

症状の軽い私はとても運の良い人間なのだと思います。これから社会復帰を目指していく上で、間接的であれ直接的であれ、病気の重い人の助けになるような仕事をしていきたいと思うようになりました。

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