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[閉鎖病棟入院日記]作業療法は社会復帰の役に立たない

OT(作業療法)のざっくりとした内容

すでに私が精神病院に入院してから5日が経とうとしています。時の流れは早いもので、病院での1日は変わり映えのしないものですから余計に早く感じます。

精神病院では作業療法(OT:Occupational Therapy)というものを実施しています。特に私が現在入院している病院では充実しているそうで、毎日のように実施されています。

私もまだ数回しか参加したことがありませんが、大体の内容がわかってきたので、概要を書いていきたいと思います。

日常生活を取り戻すための治療

まず作業療法というのは「日常を取り戻す」ためのものであり、仕事をする準備みたいなものでは決してありません。

私が入院している閉鎖病棟には、そもそもどんなに回復したとしても働くレベルまでは回復しないだろうと思われる人たちが多いのです。

摂食障害で命の危険があり常に点滴をぶら下げている少女だったり、そもそも自分では何もすることができず全ての行動に介助が必要な人だったり、重い症状の人がほとんどです。

つまり、退院後も仕事をするという将来のビジョンを持っている人が極端に少ないのです。おそらく生活保護や障害年金などで暮らしていく人がほとんどなのだろうと思います。

よって作業療法の内容自体も、仕事に関係することはほとんどやりません。例えば電話対応の仕方だったり、書類仕事の練習だったりはやりません。

やることといえば、音楽をCDで各自聴いたり、コーヒーを飲みながら患者同士で話し合う場を設けられたりとそんな感じの「日常生活」を取り戻すためのことしかしません。

マイナスから0に戻すまでしか対応していない

つまり、作業療法とはマイナスの状態(うつ状態など)から±0の普通の状態まで戻すことしか対応できないのです。

なので現在うつ状態の人で、入院して仕事ができる状態まで回復したいと思っている人は入院する意味がないと思います。

現在うつ状態の人が働けるレベルまで持っていくには、また別の工程が必要なのだと思います。

例えばA,B型作業所で軽く働いてみるとか、就労移行支援事業所で訓練してみるとかそうした訓練の方が仕事復帰には近づくでしょう。

入院患者は休むことが仕事である

入院していて感じるのは、やはり「休むことが仕事である」という意識が病院スタッフの中にあるということです。

最近私が病院の食堂で資格の勉強をしていると、「将来が不安なのか?」と看護師に尋ねられ、勉強道具を取り上げられそうになりました。

つまり、患者が働けるように訓練させようとか、社会復帰させようとか、そうした意識が病院スタッフには全くありません。将来の展望を話して、仕事をする準備をしたいと言っても、「今は休む時期だから将来のことは考えなくても良い」と言われておしまいです。

精神疾患を持つ人が働くためには障害年金などをもらうことが必須であると私は考えていますが、そうした働く前段階の準備さえもさせてくれません。

まだ入院したばかりで治療が進んでいない私のことだからという面はありますが、「それでは家で休んでいるのとどう違うのか?」と疑問に思ってしまいます。

少なくとも仕事のスキルを磨きたいとか、社会復帰まで支援してもらいたいという人が入院してもそこまで得られるものは多くないと思います。

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