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考える力や自己肯定感...乳幼児期を過ぎたらもう「手遅れ」?

「○歳までに覚えさせたい××」
「○歳までに身につけさせたい◻︎◻︎」

お子さんの将来のために…と早いうちからできるだけのことをしてあげたいと考えるお子さん思いのお母さん・お父さん

いつの間にか、上のような文言に振り回されていませんか?

「子どもには苦労させたくない...」そんなやさしい気持ちから、最短ルートで効率の良い幸せを用意してあげたくなるのですよね

脳科学で見れば、脳の発達にはたしかに適切な順番というものがあります

0歳〜5歳:生命維持の脳
1歳〜18歳:知恵の脳
10歳〜18歳:こころの脳

あれ、なんだか思っていたよりもずっとゆっくりではないですか?

ひとつひとつ、どんなことを身につけて発達していくものか見ていきましょう

0歳〜5歳:生命維持の脳

最初にきちんと育てられるべきは「生命維持の脳」

実際の脳の部位としては大脳辺縁系、視床、視床下部、中脳、橋、延髄などが挙げられます

この脳が司るのは、以下の基本的な活動です

・寝ること
・起きること
・食べること
・からだを動かすこと

だいたい生後5年をかけて喜怒哀楽とともに少しずつ「人間らしい」言動になってくるものです

この時期のお母さんとお父さんといえば...

おっぱい体操やマッサージをして
ミルクの温度を神経質に調整して
お鍋いっぱいのお粥を作ったり
栄養バランスを考えて
つかみ食べしやすい形を工夫したり
肌荒れしないように清潔にし
風邪をひかないよう温湿度を管理して
たっぷりの睡眠を摂らせて…

と、子どもを「死なせないため」から始まって命を守るための土台作りを必死になってやっていますよね

わたしももちろん経験しましたがこの一連のお世話は永遠に賞賛されるべき尊い仕事であると思います✨

1歳〜18歳:知恵の脳
中核:6歳〜14歳

次に育てられるのが「知恵の脳」

実際の脳の部位としては大脳新皮質が挙げられます

私たちが「脳」といったときに最初にイメージされる部分です

言語や微細運動、思考などを司るもので「人間ならでは」と言える機能がたくさん詰まった部分

それゆえこの、発達を促そう!とばかりに冒頭でお伝えした「○歳までに覚えさせたい××」というものがたくさん出てきているのですね。。。

この時期のお母さん・お父さんといえば...

たくさんの刺激を与えて
「好き」に出会わせてあげようと
休みのたびに動物園や博物館など
いろんなところに連れて行って
体験教室や習い事に通わせたり
家での勉強習慣を身につけさせようと
ドリルをやらせてみたり…

ああ、もう、我ながら耳が痛い💦

もう一度書きますが、

1歳〜18歳:知恵の脳
中核:6歳〜14歳

知恵の脳の発達の中核期は6歳からなのです

もちろん、ギフテッドと呼ばれる生まれつきIQの高い子はもっと早くからこの部分の発達が始まりますが一般的な子の場合はこれくらいと覚えておけば大丈夫です

10歳〜18歳:こころの脳
中核:10歳〜14歳

「生命維持」と「知恵」の脳が育ってからやっと「こころの脳」が育ちます

実際の脳の部位としては、前頭葉に当たります

子どもの情操教育のために...と早いうちから

動物を飼ったり
植物を育てたり
お友達と仲良くさせようと
ルールを守らせたり
感受性を豊かにするため
美術館を訪れたりアート教室に通わせたり…

ということをしているかと思われます

もちろん、お母さん・お父さんの頑張りが「早過ぎて無駄になる」なんてことはありません!

だけど、そんなに焦っていろいろと早いうちからやらなくても大丈夫なんですよ

子育て(=人間教育)で「○歳までに〜」という数字は絶対ではありません

実際、世の中には数多の数のビジネスマン向け自己啓発本だってあるし人はいくつであったって「変わろう」と思ったら絶対に変わることができます

「それでもやっぱり早い方がいいのでは?」

と思う方は、ぜひ年齢という数字ではなく目の前にいるお子さん自身を見てあげてください

その子に合った適切な「時期」がちゃんと訪れるから、大丈夫!

子どもは機械ではないから「最短ルートで効率の良い幸せ」が必ずしも当てはまらないことも多いのです

はしょらず
ていねいに
ひとつひとつ

子育て時間を楽しみましょう🎶

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