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言葉のことばかり【慣性の法則】

電車の中の法則

空いた電車に座っていると、
電車が揺れるたびに、つり革がダンスをする。
揺れに従って、一列に並んでいるつり革が、
右へ揺れて左へ振れる。

それをぼんやりと見ながら、
「慣性の法則」という
コトバを思い出したりする…。

しかし、未だに
「電車の中で飛び上がると同じ位置に着地する」
のが、不思議でならない。

不思議なのだが、
じゃあ、電車がスピードを出していたら、
そのスピードで後ろに吹っ飛んでしまうのは困る
…とも思う。

…なんでかわからないのに、
そうなって当たり前だと思っているのが
ちょっとくやしかったりする。

そう考えているうちに、
揃って揺れているつり革のうちのひとつが、
他と逆らって、
違う方向に揺れてもいいんじゃないか
…なんて思ったりして。

…ねえ。
つり革だってたまには自分の揺れてる方向に
ギモンを持ったっていい…と思うんだけどねえ。

法則ってのは決まりだから、
そうなるもんなんだよ。って言われれば
それまでなのかもしれなけど、

オレはそんなものに縛られない。
そういう気概のあるやつは現れないか。

電車がぐらりと揺れたとき、
みんなが前につんのめった中で
一人だけ後ろに飛んだりして、

あれ、あの人すごくない、なんて言われて
いやあ、僕はちょっと違うんで。
なんて言ってみたい。

だいたい慣性って言葉の
慣れ、ってのが気に入らない。
慣れる性格ってロクなやつではない。

慣れる前に疑問は持たなかったのか。

同じような言葉で「惰性」ってのもある。
こうなるともうダメなやつだ。

人生の法則

なんか世の中には
「そのままでいいんじゃね?」と誘う
慣性の法則があるみたいだ。

無理しなくていいんだよ。
逃げていいんだよ。なんて言われるから
じゃあそのまま漂っときますか。なんて
思っちゃうけど。

それって電車のつり革だなあ。
あれ、楽そうだから憧れなくもない。
恐ろしい誘惑だ。

次回の言葉は「好物の反対」です。

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