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『間の悪いスフレ』

近藤史恵の小説『間の悪いスフレ』

「ビストロ・パ・マル」シリーズの第4弾が出ているのを知って、図書館で借りてきた。

下町の小さなフレンチレストランを舞台にしたシリーズもので、シェフの三舟さんがレストランで起きるちょっとした謎を解いていくお話。

表題作の「間の悪いスフレ」を含む7つの連作短編集。
1話が20~30ページと短くて、謎自体もそんなに重めのものもなく、さらっとしていて読みやすい。

自分の知っていることや世界がすべてと思ってしまって、行き詰ったりモヤモヤしたり。
そんな状況を、料理やその背景を伝えることで、自分の知らない世界や視点に気づいて、次に進む後押しをしているような作品がいくつもあった。

コロナ禍で飲食店の営業が制限されて、テイクアウトや料理教室を始めたり、規制が少し緩和されてきた頃の様子や、ウクライナ危機や円安で物価が高騰したり食材の入手が困難になったりと、レストランが舞台なだけに、飲食業を取り巻く状況も描かれている。

最近の小説はコロナ禍を舞台にしたものも多くて、やっぱり世相を反映するものなんだなぁと思った。

この小説は「シェフは名探偵」というタイトルでドラマ化もされていたけど、観てない。
ドラマに出てきた料理のレシピブックも出ているらしい。

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