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キャリア

ブランドを立ち上げ、間も無く2年を迎えます。
未経験産業に参入し、私はまだまだ新参者です。

そんななか、アパレル業界でこの道でキャリアを積んできた方々との仕事は学びが多い場面。
楽しく、感謝の時間。

私の描いたデザイン画から、仕様書をつくり、パターンをおこし、2Dから3Dになるこの工程は何度経験しても感動を覚えます。

トワルチェックでは、私が実際に組みたいコーディネートを持参し試着するのですが、そこでは
着心地やシルエットなど、私の感覚で思うままに感想を言います。
「肩が動きにくい、少し窮屈。」
「ん〜丈が違う、、」
「こっちの方がSATOKAっぽい」
といった本当に感覚的なもの。
そしてその言葉から何を言いたいのかを瞬時に察知し、シーチング(仮布)に直接ハサミをいれ、針を刺し調整していくそのライブ感はまさに興奮そのもの。

新参者ではありながら、私自身もものづくりに妥協はなく、出来るか出来ないかはさておき、やりたい事を言い尽くす。
未経験産業へ参入した恩恵は、この
『出来るか出来ないかを知らないこと』
かもしれません。

ある新作のワンピースに、どうしても施したい拘りがあって、着脱の仕様を考えずにデザインしたところ、担当者との行き違いがあって、仕様書には着脱を優先し、その施し自体が無くなっていた。ということがありました。
私はこれがないとこのワンピースを作る意味はないと思うほど拘ってデザインしたものだったので、皆さんの知識をお借りして、仕様を変え急遽付け加えることになりました。

私に知識や経験が邪魔をしていれば諦めていたかもしれないことも、今の私だからこそひらめくアイデアがあるのかもしれない。

そう思わせてくれたのは、熟年のパタンナーさんからの一言でした。
少しでもファッションの縫製のことや仕様について学びたい!勉強が足りない!と焦る私に

「勉強なんてしなくていいんだよ。今のさとかさんのままで。作りたいものを考えて、あとは私たちのようなキャリアのある人たちに任せたらいいのよ」
と。


アパレル産業は衰退産業なのによく参入しようと思ったね!と以前、同世代の同業の方に言われたことがありました。

それは夢を持って30代半ばでチャレンジした私にとって衝撃的な言葉でした。
彼女もまた若い頃からアパレル業界でキャリアを積んでこられた方だったのもあり、不安な気持ちを持って帰路に着いたのを覚えています。
彼女の言ったことも事実で、自分を心配していってくれた言葉でもあります。

ですが、あの時の心に引っかかっていた言葉が、
またもや同じ業界の、更にキャリアを積んだ方からの言葉で消されたように思います。

私もこの先、10年20年この道を歩んで行き、そこで出会う“新参者”に夢を与えることが出来たなら、そんな嬉しいことはありません。

今はまだまだ、新参者で多くのキャリアのある方々に可愛がって頂ける期間を素直に楽しもうと思います。


トワルチェックの様子

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