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いい大人のオタクが年下アイドルに恋した話

不惑(ふわく) とは?
物の考え方などに迷いのないこと。
《「論語為政の「四十にして惑わず」から》40歳のこと。

不惑(ふわく)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書

不惑とか全然無理だった

私はもうかなりいい年をした大人である。
社会人歴もオタク歴も長い。
同じ年頃の方なら共感していただけることと思うが、そろそろ、自分のことは十分コントロールできていると思い始めていた。

若い頃のように突如突き落とされて情緒がめちゃくちゃになって不意に泣き出したくなるような、そんな熱病には罹ることがない、と。

そんな私が、昔よりずっと酷い熱病に振り回されている話。


これまでの話

元々ミーハー家系

元々祖母が生粋のミーハーだったので、共働きの両親の元、おばあちゃんっ子として育った私は幼い頃から”アイドル”というものに抵抗が無く、幼少期~学生時代は光GENJI、少年隊、SMAP、V6、Kinki…と常にちゃんと記憶がある。
学校では●●くん派!という話題で無邪気に盛り上がったり、かつて少女漫画雑誌表紙裏に広告が載っていた謎の非公式グッズを通販で買ったりしていた少女時代だった。


きっかけはある日突然に。

基本的にリアルの人間関係が狭いほうの人間なので、小学校時代の友人とその後もずっと親しくしていたのだが、社会人になって少し経ったある日、その中の一人が突然嵐にハマってしまったのである。

それまではアイドルというのは少女時代のたわいない話題のひとつでしかなく、かっこいいなと思うことはあっても、お金をかけてファンクラブに入ってコンサートに行くとか、そういったことを考えたことは無かった。
私も人並みに現実世界での恋愛に興味があったし、実際に恋愛中でもあったし、アイドルに恋をするなんて考えたことも無かった。

突如嵐(の櫻井氏)に狂った友人の熱烈な宣伝を受けるうちに、私もどんどん嵐に興味を持ち、追いかけるようになった。

しかし、友人との気質の違いもあってか、いつしかいわゆる”オタク”になっていったのは私の方であった。
初心者社会人の鬱屈を晴らすかのようにのめりこみ、ブログを開設したり、SNSで一緒にコンサートに行く人を見つけて友達になったり、せっせとうちわを手作りして各地方のコンサートに行ってみたり…と、オタクとしての楽しさを教えてくれたのは嵐だった。

ちなみに私は相葉担だった
同い年の彼に恋していたと言っても過言ではない
『Happiness』のくるくるパーマヘアの相葉氏は忘れがたい


嵐のあと

じゃあそれからずっと嵐担だったかというとそうでもない。

相葉氏のことも嵐のことも好きな気持ちはあったが、ファンの母数が増えてなかなか現場に行けなくなってきた頃から、オタクとしての活動の楽しさに目覚めてしまっていた私は、当時の興奮と刺激を求めていろんなグループを渡り歩くことになる。

嵐担の頃にできた友人は今でも一途に嵐を推している人もいて、そういう方から見れば私は移り気という謗りを受けても仕方が無いと思う。


ある日薔薇を持った少年と出会った

そんなある日、薔薇を持って歌う少年と出会った。

ある意味衝撃が走ったあの頃のことはよく覚えている。
なんという整った顔面なのだろうか、黄金比とはまさにこのこと…!という衝撃。
自分が絶対的に美しいと感じるバランスの生きもの、それが現身になって表れた気がした。

しかし相手は幼気な少年。
かつて相葉氏に抱いたような気持ちは勿論のことながら持てようがない。
私からすれば彼はあまりにも幼く、守るべき対象の“子ども”にしか見えなかった。

この出会いから、私のオタク人生は少し変わっていく。

自分と対等の、(あくまで頭の中でだけではあるが)恋愛対象になりうる相手としてではなく、年の離れた弟や甥っ子に対して抱くような(弟も甥っ子もいないので想像でしかないけれど)慈しみをもって相手の活動を見守るオタクへと変貌していったのである。


つらかった薔薇の時代

弟や甥っ子に対して抱くような慈しみをもって、と書いたが、そういう心持ちで応援している者にとって、あのグループの歩みはとてもつらかった。

そういうときこそ支えるのがファン、というのもよく理解はできるのだが、嵐が好きだったのもメンバーみんなでわちゃわちゃしているところに惹かれたというのもある私にとって、メンバーがおそらくは自分たちの意志に反して引き裂かれる状況が続くのは厳しすぎた。

キラキラした世界を見せて現実のつらさを忘れさせてくれるのがアイドルなのだとしたら、アイドルを見てこんなしんどい思いをしている今って何なんだろう…?
そう思ったとき、ぽきんと心が折れた気がして、私はオタク卒業宣言をし、SNSも整理して一度完全に引退することになった。


コロナ禍を経ての出会い

それからしばらくの間は、おそらくは数年ほどだろうか、アイドル以外の趣味へ打ち込むことになる。
元々多趣味なほうだったので、新しい方面での友人もできて、それはそれでとても充実していた期間だった。

コロナ禍でも、家にこもるのは全く苦にならないタイプなので、一般的な芸能ニュースとしては追っていたものの、配信ライブやるんだーふ~ん程度の感じで過ごしていた。

そんな、コロナ禍も終わりかけのある時。

たまたま見かけたおしりぷりんぷりんの子が気になって、暇つぶしにちょうど良いとあまり見たことのなかったYouTubeを見始める。
そしてそこで、再び心の甥っ子となる存在と出会うことになった。


地元の男子ということ

実は私は大阪出身である。
なので、嵐世代…というより、本当はエイト世代と言った方が正しい。

ただ、私はずっと彼らの“関西色”が苦手だった。
関西人だってみんながみんな面白いわけじゃないしお笑いや漫才に興味があるわけでもない。
アイドルなのに先輩二人組とはあまりにも方向性が違う、関西色強めの変な(ファンの人ごめんなさい)曲をやらされたり、コンサートでコントをやったりすることに抵抗があった。
どうしても彼らは近所の同級生という感覚が抜けず(本当に近所の同級生だった事実はない。一方的な思い込みである。)、“アイドル”という自分の中の存在とは齟齬を感じるのもあって、関西方面には目を向けないようになっていった。

ちなみに、今は、そんなこと全く思っていません。
関東方面との差別化を図ろうと模索していた売り出し戦略だったと思うし、そんなアイドルが他にいない中できっと彼らだってやりたくないことがたくさんあったはず。
それでも突き進んできた彼らを尊敬します。

3.11のあとには東京へ引っ越していたこともあり、その方面には完全に疎くなっていた頃の出会いだった。

関西なのに、キラキラしてる!!!??

それが私の心の第一声だった。


おしりぷりんぷりんの子から入ったわけではあるが、その後持ち前のオタク気質を発揮して深堀りしていくうちに、この子が私の心の甥っ子…!と思う人と出会う。

気合が入りまくってガシガシ踊る他メンバーに比べると、ふんわり踊る子である。
しかし、そこがいい。

ちなみにおしりぷりんぷりんの子とは、全身黒ルックの2人のうち、白Tを重ね着している緩めシルエット服の方である
ダンスがとてもうまい上に歌もうまい

チャラついて世の中を斜めに見てそうなルックスなのに、ひとたびしゃべらせるとまわりの空気がほんわかする。
油断するとすぐ口が開いちゃう子。

守りたい……!!!!

今でも、私の“推し”はこの子だと思っている。
この子とこのグループの歩む先を見守っていこう、と。

さて。
やっとタイトル回収か?と思った、ここまで読んでいる奇特な方へ。
(まあいないと思うけど)


すみません。
違います。


現在進行形の話

“推し”とは思えない存在

関西方面への偏見を拭い去ってくれた存在のおかげで、彼らがYouTubeなどで話に出す先輩や後輩、同期たちのことも少しずつ知識を深めていくことになった。
他グループのYouTubeを見たり、コンサート映像を見たり、SNSを見たり。

(このへん、本当に昔と違ってオタクへの福利厚生がすごい。ありがたいことですね。)

そうして、関西の人間関係の“エモさ”をなんとなく理解し始めて、顔と名前も一致して、ここのグループならこのメンバーやこのコンビがいいな~なんてことも思い始めたあたりで。

この動画を見ているときに、ふと頭に浮かんだ言葉。

あなたがもらったものは、きっと全部本命だよ。

そう思った一瞬の後、我に返り、今私何を思った?!?!とパニックになった。

全部自分の妄想なのに、全部本命だと感じたこと、きっとその相手のことを全員覚えてそうなこと、それに対する何とも言えない胸のもやもや。


あ、私この人のことが好きなんだ。

すとん、と落ちて納得してしまった。
でもだからと言って、この年になって、こんな年下のアイドル相手にそんな想いを抱いたなど、自分が一番自分を受け入れられず。

だって、“甥っ子”どころか、“推し”じゃなかったから。
“弟” “甥っ子” “担当” “推し”
自分の中にすでにあるカテゴリーにあてはめられるような穏やかな気持ちでは全くないということは、自覚した瞬間にわかった。

ああ、これがリアコってやつなのか…と理解してしまった。

彼の姿かたち、話すときの声の抑揚、言葉の選び方、相槌の打ち方、話している人を見ているまなざし、笑う時の目の細め方。

ふとしたときにひとすじ落ちる髪。

アイドルとしてステージに立っているときの表情、歌声。
首筋を流れる汗。
翻るマントの裾。

そのすべてに、心臓がぎゅう、っとなる。

なんて馬鹿なんだ、と思う。
気持ち悪いだろうな、と思う。

人に言われるまでも無く、そんなこと全部わかっている。
だから、自覚したものの認めたくない…とそこからひたすら悪あがきをしまくることになるのだが…

長くなり過ぎたので、それはまたいつか。

結局誰のことやねん?!と思うかもしれないが、このnoteを書いて自分の心の今を言語化することさえ躊躇うほど、自分一人の胸におさめておきたいという思いが強く…じゃあ書くなよって話なんだけど…

まあ、誰であっても、そこまで興味のある人なんていないと思うし、読んでる人なんてもっといないと思うし、いいでしょ。というのが本音。

これは私の、罪の告白のようなものです。


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