「自分は正しい」という考えが自分を苦しめている
いつも記事を読んでいただきありがとうございます。
今回は「人は誰しも『自分は正しい』と思いっている」ということについて解説します。
自分の非を認められない
まず最も代表的な例が「自分の非を認められない」という特徴です。
これは「自分は正しい」と思い込んでいる人が一番よく特徴として表れている例だと思います。
例えば自分が仕事でミスをしたとしても「いや、自分は言われたとおりにやりました」とか「●●さんが遅かったので、自分が急ぐ羽目になり、ミスをしてしまったので、私だけのせいにされるのはおかしい」と言って、一向に自分の非を認めません。
またテレビを見ていても政治家やコメンテーターでもこの手のタイプは非常に多いと思います。
特に最近のTVの討論番組を見ていると、それを強く感じます。もちろん政治的に敵対する人がいて、その人たちに対して弱みを見せてしまったら自分が危うい立場になるということもあるかもしれません。
しかし政治家は政敵に対してい仕事をしているわけではなく、国民のために仕事をする役割の人たちですから、自分が何か対応を間違えた、状況を読み間違えた、失言をしてしまったという場合には、即座に謝罪をして、次の代替案をしっかり提示するべきでしょう。
中には開き直って何でもかんでも謝罪すれば済むと思っている人もいますが、こういった人も内心では自分が悪いとは思っていない可能性が高いので、実際には「自分の非を認めていない」と言えます。
相手の立場に立つことができない
次に「自分が正しい」と思っている人の特徴として「相手の立場に立つことができない」というものがあります。
実は本当の意味で相手の立場に立つためには一度自分の考えを手放してみる必要があります。
なぜなら、自分の考えを持ったまま相手の立場で考えようとしても、必ず自分の考えが何割か入った状態で見ているので、結局は自分にとって都合のいい部分しか見ることができないのです。
この自分にとって都合が良いところしか見えないことを「スコトーマがある」と言います。
つまり「自分が正しい」と思っている人は、相手の立場に立っているつもりでもスコトーマができてしまうため、本当の意味で相手の立場に立ち、気持ちや状況を考えることができないのです。
そのため、誰かと会話していても、相手がなぜそのような発言をしているのか、何を考えているのかが、本質的にはわかりません。
例えば会社で部下である女性が遅刻をしたとします。その人は子育て中のママさんで、子供を保育園に送ってから出社していまいました。
そのことは上司であるあなたも知っているので、相手の立場に立って考えれば「もしかしたら子供のことで朝何かあったのかな?」というところまでは想像することができます。
しかしもしあなたの中で「でも仕事で時間に遅れることはどんな理由があったにせよ許されるものではない」という考えを「正しい考え」として持っていたとすると、その女性スタッフに対して「子供のことで大変なのはわかるけど、でも仕事で遅刻することは許されることではないので、ちゃんと時間管理してくださいね」と、相手が時間管理できていないことを指摘してしまうかもしれません。
ところが実際には朝子供が発熱してしまい、保育園に預けることができず、それでも今日仕事で大事な要件があるので、休むことができないので、急いで病児保育を探して子供を預け、何とか出社をしたのかもしれません。
(もちろん途中で連絡できたかもしれませんが、電車に乗っていて電話をすることができなかったので着いてから事情を話そうとしていました)
もしあなたが「時間は絶対に守らなければいけない」ということを絶対的なルールと考えておらず、状況をフラットな視点でヒアリングすることを優先させていれば、こういういきさつがあったことを聞くことができ、仕事に大きな支障が出ていないのであれば「今朝は大変でしたね。落ち着いたらお子さんを優先させて早退しても大丈夫ですからね」と声をかけてあげることができたはずです。
こう言われたら、スタッフの女性は自分のことを本当に理解してくれたと思い、上司であるあなたに信頼を寄せることでしょう。
自分が間違った考えを持っていることに気づけない
そして私が「自分が正しい」と思っている人の中で、最も状況が複雑化していると考えているのが「自分が置かれているネガティブな状況や考えを正しい(仕方ない)として受け入れている場合」です。
自分には学歴がないから、自分には大した実績がないから、自分は太っているから、自分は運動が苦手だから、自分は人から好かれたことがないから、自分はいつも失敗するから・・・
こういった過去のネガティブな経験やコンプレックスから自信を失っている方はたくさんいます。
この人たちは今の自分が置かれている不遇な状態を「仕方ない」として受け入れてしまっているのです。
これは大きな間違いです。
確かに過去に辛い状況があり、うまくいかないことがあったかもしれません。しかし、これから先の未来に良いことが全く起こらないということが、あるはずがありません。
全く良いことが起こらないと感じるのは、先ほど紹介したスコトーマが働いているからです。
その人は「自分には良いことが起こらない」という考えを重要視しているので、自分の身の回りで起こっている「ネガティブな出来事」ばかりを見つけてしまい、「ポジティブな出来事」が見えなくなっているのです。
まず自分が持っている「こんな自分には良いことが起こるはずがない」という考えが間違っていることを認識し、本当にフラットに自分の身に起きていることを観察できるようにならなければいけないのです。
「自分が正しい」という考えを捨てる方法
では「自分が正しい」という考えを捨てるにはどうしたらいいのでしょうか?
それは
「自分の考えは間違っていて、相手が正しいかもしれない」
「今自分が考えていることは間違っていて、他に正しい考えがあるかもしれない」
と自分が考えていることを疑ってみる癖をつけることです。
世の中の全ての物事に将来にわたって唯一絶対のものなどありません。
人間関係も会社も歴史も科学も今のモノが将来もずっと同じということはないのです。(歴史も科学も新しい解釈が必ず現れます)
つまり自分が今正しいと思っていることが、この後もずっと正しいとは限らないのです。
もしかしたら自分が正しいと思っていることは、たった一回自分の身に起こっただけのことかもしれません。それをあたかも「それが正しいんだ」と思うことは大きな勘違いの可能性があります。
常に自分の考えを疑ってみることで、初めて新しい知識に気が付き身に着けることができます。
この「世の中に唯一絶対のものはない」というものの見方は非常に重要な考え方になります。
(もちろん、その意味ではここで書いていることも誰にでも当てはまる、唯一絶対に正しい考えではありません。今後より良い解釈や手法が見つかる可能性は十分にあり得ます)
まとめ
今回は「自分は正しい」と思いこむことのリスクを解説しました。
ちなみに「自分は正しい」と思い込むこと以上にリスクが高いことがあります。
それは「あの人の言うことだから正しい」です。
これは自分の頭で考えることを放棄して、相手の考えを無防備に受け入れている状態です。
そうではなく、相手の意見が正しそうに感じた場合は、自分でしっかり情報を吟味して、その結果自分も正しいと思ったら、その意見を採用することが大事です。
「自分が正しい」「あの人の言っていることは正しい」
どちらも唯一絶対のものはありませんので、常に自分の考えを疑い、さらに良い考えはないかと、自分に問いかけ続ければ、さらに最善のものが見つかると思います。
ぜひやってみてください。
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