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014: タワンティン・スウユ

ボドゲカフェDEJANAでTAKさんが不意に持ち出してきたのが「タワンティン・スウユ」。数年前、HAL99さんのレビュー動画を見て、なんだかややこしそうなので、そっと記憶の片隅に追いやったゲームだw

一体どんなプレイ感なのか、ちょっとワクワクしてしまった。



タワンティン・スウユとは

12世紀頃、アンデス文明のケチュア族はクスコへ移住し、インカ族となり小規模な都市国家クスコ王国を築く。1438年、最上位の王パチャクテクは遠征を行い王国を拡大し、領土は中央アンデスだけでなく、コロンビア南部からチリ中部に至るまで南北4000㎞に達する大帝国となる。

パチャクテクは帝国を4つ(タワンティン)の州(スウユ)に分けた。各スウユには全てクスコから伸びる街道が建設され、インカの宇宙観に基づいて4つの区分を象徴するよう首都のクスコも設計されている。インカ帝国は文字を持たない文明で太陽崇拝を国教としていた。(ウィキペディア:インカ帝国を参考)

ゲーム概要

偉大な王パチャクテクは自分の子孫たちに向かって、太陽神インティを崇拝し、ラマが歩き回る場所までインカ帝国を拡大するよう命じました。チンチャイスユ、アンティスユ、カラスユ、クンティスユの4 つの地域が征服の機を熟し、パチャクテクの後継者が誕生する時が来た。(BGGより引用)

プレイヤーはゲーム ボード上のさまざまな場所に労働者を配置し、アクションを実行し、資源 (ジャガイモ、トウモロコシ、石、金) を収集し、建物や階段を建設し、彫像を彫刻し、軍事力を拡大し、織物(タペストリー)を収集する。

村のワーカーがいなくなると祝祭が開催され、祝祭が3回行われるとゲーム終了と なり、最も勝利点の多いプレイヤーの勝利となる。

制限のキツい不思議なメインボード!

メインボード中央には、インカ帝国の古都クスコにある丘が描かれており、5つの放射状のセクションに分けられている。丘の上には黄金の太陽神殿コリカンチャがあり、神殿の中には各プレイヤーが大司祭を配置する。神殿の下の段々畑には様々なワーカーの配置場所があり、道によって繋がりそれぞれシンボルでマークされている。

自分の手番では、太陽神殿の外にある場所にワーカーを配置するか、2種類のアクションを実行するか選択するのだが、その制限が非常にキツい!

まず丘にあるシンボルマークのアクションスペースだが、手札の神託カードに描かれたシンボルにしかワーカーを置けない。しかも配置には食料のコストがかかり、自分の大司祭が向いている方向の手前側はコストが安いのだが、遠くて違う方向のアクションスペースほどコストが非常に高くなる。

ワーカーには5色あり(赤:戦士、緑:職人、青:建築家、黄:運び屋、白:司祭)、それぞれに固有の能力があり面白そうなのだが、特に青や緑は同じ色のシンボルでないと能力が発動されないなど、条件はかなり厳しい。

そしてワーカーを置いた場所に隣接するアイコンのアクションを実行できるのだが、近くに置いてある同じ色のワーカーの数だけアクションをすることができる。つまり、周りに同じ色のワーカーがなければ3つのうち1つしかアクションをできない。なんだそれ!?

そしてそのワーカー達は左側の村落や遊牧民として住んでおり、そこからスカウトしてくるのだが、村落の上から連れてくるにはジャガイモ、下から連れてくるにはトウモロコシが必要と、一筋縄ではいかない。何とも悩ましい仕組みだ。

もうお分かりかもしれないが、自分のやりたいアクションを実行するのは非常に難しく、手札の中で実行可能なアクションを盤面から探し出して一番効率の良いものを実行するしかない印象だ。もはや苦行でしかないw

手札のシンボルがうまく噛み合わずアクションができない場合は、神託カードの交換、ワーカーの補充、戦士の訓練、大司祭アクションなどから2種類のアクションを選択して実行する。大司祭アクションは、中央の大司祭を1〜2マス移動させて神殿に描かれたアクションを実行するもので、強力だが他プレイヤーも実行できるため多用するのは良くない印象だ。

得点要素は山盛り!

4つのリソース(ジャガイモ、とうもろこし、石、金)、施設の建築、彫像の建立、戦士の訓練、タペストリーのコレクションなど、とにかく得点源となる要素が山盛りとなっている。

ゲーム開始時、全く何をしていけば良いのか分からなかったが、徐々に理解していける感じで、特に自分のプレイと噛み合う施設を獲得できると強い印象を受けた。

また大きな彫像は勝利点も高いので、ゲーム後半には建立を狙っていきたいところだったが、全くその余裕はなかったw

3回の祝祭でゲーム終了

村落のワーカーが全員連れていかれると何故か祝祭が行われるw
祝祭ではこれまでに建設した施設から食料を収穫できたり、タペストリーからボーナスをもらえたりする。リソースがカツカツで苦しいゲームだけに非常に嬉しい瞬間だ。

このタペストリーも向かい合うアイコンが一致している時だけ報酬がもらえるため、タイルガチャ運もあり非常に辛く悩ましい。また祝祭時には神殿トラックの中間決算が行われるため、太陽神への捧げ物は非常に重要なのである。

この嬉しい祝祭を3回迎えるとゲーム終了となる。

感想

今回の満足度:6点(10点満点)

決してつまらないゲームではないと思う。
しかし、残念ながらこのゲームの面白さを理解するには相当な忍耐力と、根気強いリプレイが必要になるだろう。

とくに手札のシンボルと合致するものを広い盤面上から見つけ出し、しかも複数アクションが可能になる色のワーカーを揃えるのは苦痛でしかない。さらにそれが下の段にあると高いコストを支払うか階段を設置する必要があるため、気が遠くなりそうだったw

「これはヤバいゲームですね。」

2時間のゲーム終了後、TAKさんは何気にそう言った。
全く同感である。


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