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【書き下ろし】 褒められるよりも「現象」を創りたい

皆さんこんにちは!
本日は現在事前予約を兼ねたクラウドファンディングを実施中の僕の初めての著書「No.2じゃダメですか?」のために書き下ろしたものの、構成の関係で割愛することになったコラムをnoteに掲載させて頂きます。
ぜひご覧ください。

0→1だらけの組織では価値が生まれにくい

「やりたいことはたくさんあるんだけど、全然進まなくて…」

アイデア溢れる0→1タイプの経営者と出会うと大抵相談をされること。

トップがどんどん「やりたいこと」を発想して、メンバーに投げかけていくものの、そのほとんどが実現できずに流れていってしまう。
民間企業でも自治体でもそんな組織をこれまでたくさん見てきましたが、その原因はただ単にマンパワーが足りないからというわけではないと感じます。

まず考えられるのは「生産性」の低さ。
トップが新しいことをしようとしても、メンバーたちが日常業務に忙殺されており、新しいプロジェクトを立ち上げる余力がないというケースがよくあります。

それは人を増やす以前に「日常業務」部分をもっと短い時間で高い成果を上げるための工夫や業務改善がされていないため、毎日決められたことをルーティンで回すだけに終始してしまっているのだと思います。

こうした事象は特に「言われたことだけやる」受身体質のメンバーが多い組織で起こりやすく、何年経っても同じシステム・同じ設備・同じやり方のまま仕事をしているのが現状維持だと思っていて、実は衰退であると誰も気づいていないのが残念だったりします。
パソコンもシステムも年数が経てば、劣化します。使う人間側も年齢を重ねるたびにパフォーマンスが下がっていくので、生産性は維持どころかどんどんマイナスになっていくのが現実なんですけどね。

次に多いのは「やめられない」組織風土。
特に自治体でよくみかけるのですが、何十年も前に立ち上げた仕組みやプロジェクトで今の時代に合っていないものだったとしても「やめる」決断ができないというケースです。
なんで誰にも必要とされていない要らない取り組みをやめられないのか、僕は不思議で仕方がなかったのですが、実際に自治体職員の方々に聞いてみると「先輩が立ち上げた成果を否定することになるから」という声があり、その「辞める決断をした人」にみんななりたくなくて放置されているとのことでした。これまたビックリ。

必要ない取り組みに担当者をあててマンパワーとコストを使い続けていることの方がよっぽど恐ろしいことだと思うのですが、そうはならないようです。
こうした価値観なので、仮にトップ発信だったとしても新しい取り組みを立ち上げると、やり続けなければならなくなる為、腰が重くなるというわけですね。

そして、もう一つは「0→1タイプばかり」の組織というケースです。
トップが新しいこと好きで次々アイデアが湧き出るタイプだと、採用したい人物像も似たような人を採りたがってしまい、気づけば社内が0→1タイプの人材ばかりになってしまっていた。そんな組織と何度か出会ったことがあります。

会議ではトップも出席し楽しいアイデアがたくさん出てドッカンドッカン盛り上がるのですが、じゃあやろう!となった後、具体的な形にしようとスケジュールを立て、メンバーをアサインし、関係各位をマネジメントしながら実現していける人が社内にいない為、途中で頓挫するか失敗するという残念な結果を繰り返してしまう。とても勿体無いことです。

新しい価値を創るのは「0→1タイプ」。
確かに着想の部分ではそれで間違っていないのですが、結局のところ1から10を創れる、人・もの・コト・時間・情報を適切にマネジメントできるNO.2タイプの人材がいなければ、アイデアを実際に具現化することが出来ず、新しい価値を生み出すことが出来ない組織になってしまうんだよなと感じています。

NO.2は褒められにくい損なポジション?

僕自身、NO.2として様々な組織でトップをはじめ0→1タイプの人が考えた新しいアイデアを形にする場面が多く、SNSではいろんな場所に行って楽しく仕事をしているように見えるかも知れませんが、実際ほとんどの時間は裏方としてコツコツ周囲のサポートと準備に打ち込む日々を過ごしています。

・プロジェクトの目的設定
・スケジュールの策定及び管理
・会場予約やメンバーアサイン
・プロジェクトがイベントの場合は価格や条件の設定
・SNS周りやイベント告知ページなどの広報準備
・外注先他関係各位との商談や窓口業務
・メンバーのマネジメント、1on1面談
・備品等の発注やコストマネジメント
・会場設営、音声映像設備の準備などの場づくり
・当日の運営、現場に出てプレイヤーとして動く
・撤収、打ち上げ手配
などなど

こうやって出してみるとやらなきゃならないことってたくさんありますね笑
このように、それが組織創りに関するプロジェクトだったとしても、イベントだったとしても、やっていることは至って地味です。
その一方でこうした地味な作業の1つ1つやしっかりした進捗管理ができなければ新たなプロジェクトは成立しません。

僕は学生時代から二番手的なポジションで、運営や幹事など裏方的な仕事をする機会が何かと多かったのですが、何か1つのプロジェクトで役割を全う出来たとしても、表に出るのはアイデアを出した0→1タイプの方々やメンバーだったりするので、具体的に形になったとしてもそんなに感謝されたり褒められたりもしていませんでした。
振り返ると最初のうちはものすごく頑張ったのに認めてもらえないので「ちぇっ、なんだよ」と拗ねていたこともあったと思います。

もしかしたらこの本を読んで下さっている方の中にも僕と同じようにNO.2としてみんなの為に一生懸命動いているのになかなか褒めてもらえる機会がなく、損なポジションだなーとお感じになっている方もいるかも知れません。

ただ僕の場合、社会人になってから今に至るまでで仕事上も参謀・NO.2ポジションとしての役割を求められ生きてきて、自分が実際にそのポジションが向いているとはっきり気づいてからは価値観が大きく変わったように感じます。

笑顔と喜び溢れる「現象」が最大のやりがい

「しょうごさん、よくその立ち位置続けられるねー」

僕が事務局長を務めている地域コミュニティ「えぞ財団」のイベントで裏方をしていると、時折団員さん(メンバー)からそんなお声がけを頂くことがあります。

全国から100人以上の参加者をお招きしての場づくり。
イベントの予約ページ立ち上げに始まり、登壇者の方々の調整や問い合わせ対応、コンテンツの具体化、イベント内での食事手配、イベント後の打ち上げ会場手配など、やることは盛りだくさんです。

そんなにバタバタ走り回っている割に表に出ることなく、そんなに褒められることもない僕を見かねて声をかけて下さったのだと思います。
心配してくださる仲間がいることはとてもありがたいですね。
でも、僕自身はこの役回りに対して全然ストレスを感じてはいません。
むしろ、いつもやりがいを感じ、楽しくて仕方がないです。

僕がなぜNO.2を続けていられるのか。
それは「現象」を創りたいからです。

仲間がワクワクしながら想像し生み出してくれた、「ああなったら面白いだろうなー」というビジョンやアイデアが形になり、その場に参加し触れた人々がまた笑顔になっていく、喜びが溢れる場が目の前に広がっている光景を見るのが幸せなんですよね。

この場で出会った人たちが繋がり、また他の地域・場所で新たな現象が生まれていく。
そんな偶然のきっかけ創りに関われていることを嬉しく思います。

自分が褒められるかどうかよりも、新しい価値や現象を生み出すことにやりがいを感じる。
そんなタイプの人がNO.2に向いているんじゃないかな。
みなさんはどうですか。


《お知らせ》

★自身初の著書『No.2じゃダメですか?』(24/1/29発売予定)の事前予約も兼ねたクラウドファンディングに挑戦中!!
終了までラスト1週間を切りました!
最後まで応援のほどよろしくお願いします!

本書は「何者か」を目指すよりも、周りの人を「支える」ことに喜びを感じる人たちに向けて、「支える個性」を活かすコツを伝えたくて執筆しました。

社会は「支える人」の存在なしには回らない。
だからもっと「支える」個性を持つ人たちの価値が認められ、活躍できる機会が生まれるような世の中にしたい!


・「何者かに、主役になれ」という世の中の風潮が苦手だ
・これから社会に出ることに不安を感じている
・誰かを支えることに生きがいを感じている
・今まさにNO.2・裏方として日々を過ごしている
・今後NO.2を仕事にして生きていきたい

もしあなた自身が、または周りの大切な人でこれらに当てはまる方がいたら、この本を読んで・存在をお伝え頂けたら嬉しいです。
応援よろしくお願いいたします!!

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