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面接官・リクルーターに意識させたい「不採用活動」という視点

みなさんこんにちは!
採用のお仕事をしていると、日々たくさんの方と面談や選考などでお会いして話す機会があります。

採用担当者としての仕事上の責務は「面接して判断すること」になるのですが、僕自身今は一社の人事だけをしているのではなく、幾つかの企業の人事を掛け持ち、幾つかのコミュニティに属していて、その立ち位置の中で採用のお仕事で初めての方と接する時の心持ちも変わっていきました。

今回は採用に関わる全ての人が認識しておいた方がいいと思う「不採用活動」という考え方についてまとめました。

上からじゃなく対等な関係性を大切に

最初の複業で学生の就活支援コミュニティを運営していた際に、メンバーから寄せられた就活相談でよくあったのが

「採用担当者が偉そう」
「理不尽な人格否定をされた」
「謎にマウンティングされた」
「謎かけを仕掛けられて、そんなことも知らないの、と言われた」

といった採用担当者・面接官の「上から目線」の態度に関するもの。
そう感じた就活生が起こす次の行動は、その面接が合格であれ不合格であれ、その企業の選考を辞退するということです。
僕としても、以降他の就活生からその企業に対して就活相談を受けたとしても、少なからず積極的に薦めることはなくなります。

さすがに人事・採用担当者が上から目線という話は最近聞かなくなってきましたが、面接官としてアサインされている先輩社員や幹部・経営陣で今だに「企業が上、学生は下」と無意識に思っている方がいるようで。

若年層人口がどんどん減っている日本において、もう企業が一方的に選ぶ側だった時代は終わりで、対等なのは当たり前、何なら企業側が選ばれる側であることを認識した方がいいのではないでしょうか。
採用担当者としては、面接官でアサインする人にそのような意識の人を指名しない・認識を持たせることが大切です。

候補者の後ろにも仲間候補はいる

「リファラル採用」

採用手法のトレンドとしてよく出てくる言葉です。
リファラル=紹介、ということで人から紹介してもらう繋がりのことを指すのですが、その際に大切になるのはブランディングや評判です。
最も良い形のリファラル採用は社内で働いている社員の繋がりから新しい仲間を紹介してもらえる流れですが、社員たちが会社に対して不満を抱いていて「自分の会社には入れたくない」と思えば紹介採用は発生しません。
そして、このクチコミブランディングは面接でお会いした候補者の方にも共通します。

前項でお話しした「上から目線面接」を受けてしまった就活生は友人・知人でその企業を受けようとしている人がいたら、その時のエピソードを必ず話すでしょう。そのクチコミを聞いた友人・知人はさらにその友人・知人に伝え…とたった1回の上から目線面接が何十人・何百人ものエントリー者を失っている可能性があります。

逆に、仮に不採用だったとしてもお互いに納得する形でお話ができて、個人として良好な人間関係が築ければ、面接を受けて下さった方が友人や知人を紹介してくださることもあります。
(僕自身、実際これまでこの形で何十人もの仲間をご紹介頂きました)
目の前にいる候補者がマルかバツか、という「見極め」だけの面接なら誰でもできますし、せっかくの一期一会の出会いが勿体ないんじゃないかと僕は思っています。

顧客であり、ファン候補だと思う

人事顧問や研修講師として、採用担当者の教育・研修をさせて頂く場面がよくあるのですが、その際に必ずお伝えしていることがあります。

採用活動は最高の広告宣伝・ブランディング機会であり、
出会う方全てが顧客候補であり、ファン候補だと思うこと。

採用の為に動いていて出会う方に対して、採用・不採用だけのモノサシで接し、ましてやマウンティングを取ってしまう面接官。
もし、その方がとある店舗の店長だったとしましょう。
お店に買い物に訪れたお客様に対して上から目線でマウンティングを取るでしょうか。
絶対にしないですよね。

面接で就活生や求職者に偉そうな態度を取ってしまう面接官に決定的に欠けている価値観・視点はここにあると思います。

今日はたまたま面接で来ているだけだけど、いつもお店で買い物をしているお客様かもしれない、ということです。もしそれで面接官から横柄な態度をされたとなったら、もうお店に来てくれなくなるかもしれません。
それだけに止まらず、今度は「お客様として」周囲に「あのお店を運営している会社は最悪だったよ」というクチコミを広める可能性もあります。
今の時代、SNSで発信されて拡散されることもあり得ますよね。

これが何を意味するか。
採用活動が業績にマイナス影響を与えてしまう、ということです。

自分は間接部門だから営業には関係ない。
そう考えている方も一定数いると思いますが、それは違うと思います。
特に人事や採用担当者、面接に関わっている人は「その会社の顔」です。

言い換えれば、最高の面接をすれば、その候補者の方は採用・不採用に関わらず、顧客として売上に貢献してくれることもあり、ファンになって拡散してくれるかもしれません。

これって、最高の広告宣伝・ブランディング機会ですよね。

この視点を採用に関わる全ての人が持つことが大切だと思います。
採用したい人だけに優しくし、不採用と思った人にはバッサリ、なんていうのは勿体なさすぎます。自社にマッチングしなくて見送りとなる人にも熱意を持って接し、ファンになってもらう。
こうした「不採用活動」の積み重ねがいずれは業績にも大きな影響を与えていくのだと思います。

ただの求職者ではなく、顧客でもあり、ファン候補でもある。

人事・採用担当者の方はもちろん、面接官などで採用に関わる立場の方にもぜひ参考にして頂けたらと思います。
最後までご覧頂きありがとうございました。


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