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【書き下ろし】 No.2の役割はトップと現場を繋ぐ「〇〇家」

皆さんこんにちは!
このたび、2024年1月29日に初めての著書「No.2じゃダメですか?」を出版させて頂くことになり、その事前予約を兼ねたクラウドファンディングを1月21日まで行わせて頂いております。

今回のクラファンを盛り上げていくべく、連動企画として毎日note投稿をするというチャレンジに取り組んでおりましたが、ついに本日が最終日となりました。約1ヶ月間の連続投稿は正直大変でしたが、なんとかやり抜くことができました。
ご覧くださった皆様ありがとうございます!

毎日note最終日の今日は、初著書の為に書き下ろしたものの、構成の関係で割愛することになったコラムをご紹介させて頂きます。
本書と併せてぜひご覧ください。


「不安定な時代」だからこそ多様性を大切にしたい

なぜだか、いつも忙しい。
息苦しくて、生きづらい。
今までこんなこと起きなかったのに。

最近、そう感じることはありませんか。

目まぐるしく変わるトレンド、溢れる情報とコンテンツ、異常気象や災害の頻発、疫病や戦争が身近に。

「不安定な時代」

そう呼ばれるようになって約10年。
世界の不安定化による影響は、私たちが普段の生活でも感じるほど年々顕著になってきていますよね。

ビジネスや組織創りの現場においてもこれまで通りのやり方では通用せず、「不安定さ」に苦しむ組織によく出会うようになりました。
・グローバル化による競合の拡大
・デジタル化による競争の加速
・少子高齢化による人材不足
・価値観の多様化によるニーズの変化
など、事業を取り巻く環境は次々と変化しています。

高度経済成長期のようにモノもインフラも揃っていない時代においては、とにかく早く・安く・大量に価値を創れる会社が勝つという「正解」がはっきりしています。そのため、トップひとりが決断し全員が指示された通りに動く「トップダウン・軍隊型」組織が決断から実行までのスピードが速くマッチしていました。
ですが、事業を進めていく上での制約条件が複雑になり、かつコロナ禍のようなかつて誰も体験したことのないような災厄も起こる「正解のない」時代に、トップひとりの視野・知識・経験に基づいた決断に組織の行く末を懸けることはリスクが高すぎるのではないでしょうか。

そんな不安定な時代だからこそ、これからは様々な背景を持つメンバーたちの多様な知見・経験を広く吸い上げ活かしていく「ボトムアップ・共創型」での組織創りを大切にしたい、そう思っています。

多様性の受容=解釈の複雑化?

実際、僕が人事顧問を務めている組織においてもボトムアップ・共創型の組織創りに取り組んでいるわけですが、その実現の為に欠かせないベースとなる概念といえば「心理的安全性」。

「組織や集団の中で、非難や拒絶の不安がなく発言できる環境」のことを表し、簡単に言い換えると「空気を読まず自身の意見を言える状態」です。ここ数年、よく聞くようになりましたね。
意見を安心して発信できるから、メンバーそれぞれが持つ知見や経験が組織の中で共有され、互いの強みを掛け合わせて活かした方針・アクションを取ることができます。

逆にトップダウン・軍隊型の組織ではひとりの絶対的君主の指示に従わなくてはならない構造上、仮にトップの方針が間違っていると感じても誰もそれを口に出すことができない恐怖政治になりがちです。その結果、組織全体が持っている本来の力を引き出すことができず、トップが裸の王様になってしまうのです。

僕自身もトップダウン型組織に10年以上勤めていたことがあるのですが、実はこのタイプの経営者ほど周囲から常に賛成しかされないため、意外と部下からの意見具申を待っています。ただ、心理的安全性が担保されていない中でトップに意見するのはメンバーにとってかなりハードルが高いため、無難に言われたことだけしようという受身型タイプが多くなりがちです。

では、多様性を活かし合う共創型が最高なのかと言うと、こちらにも2つ大きなリスクがあります。
・方針の決定からアクションまで時間がかかること
・マネジメントコストが高くなってしまうこと

トップひとりで決断して一斉指示するトップダウン・軍隊型組織はひとりで決断するリスクはあるものの、スピードは圧倒的に早いです。一方、ボトムアップ・共創型組織は様々な視点からメンバーの意見を集約して決断するため、情報を集めて論点を整理し最善策を合議で決めるまでにある程度の時間を要します。

また、軍隊型では「トップからの指示は絶対!以上!」なので良くも悪くもメンバーの意志は汲み取られずシンプルなのですが、共創型ではメンバー各人が持つ個性をお互い大切にしようとするあまり、トップからの指示をメンバー個々に自分の視点で捉え、各所で解釈のズレが発生してしまう可能性もあります。それを正すために管理職層が費やす時間が多くなれば、マネジメントコストが高くつきます。

結果として、競合に事業スピードで遅れをとった上、組織の意図とは異なる動きをするメンバーが発生し、是正のために管理職が忙殺され提供価値の質も下がる事態にもなりかねません。

そこで大切なのがNO.2の存在です。

解釈を揃え、自らも動けるNO.2

僕がこれまで見てきた組織の中でも、事業が堅調に伸びていてメンバーもイキイキと働いているなと感じる組織には、優秀なNO.2の存在がありました。

前述したようにトップひとりで全てを決断する組織形態は今後の不安定な時代においてリスクが高くなる一方、共創型も方針決定に時間がかかりすぎることやマネジメントコストが高くなるリスクがあります。

そこで活躍するのがトップと現場を繋ぐNO.2人材です。

ただでさえ忙しいトップが現場の全メンバーと密にコミュニケーションを取りながら業務を進めることは現実的に難しい為、各チームに管理職を立て、トップを含めて少人数の幹部会議を定期的に行うのが一般的な組織創りですね。
ただし、管理職の解釈がズレれば以下メンバーへの伝達も全てズレてしまうこと、又管理職・メンバー同士での競争や対立による人間関係でのリスクも個性を尊重する組織ほど起こりやすい側面があります。

解釈のズレを防ぎ、組織が一枚岩になる為に、組織全体の存在価値や目指すゴール、自分たちらしい行動などを理念(ミッション・ビジョン・バリュー・パーパスなど)という共通言語として定義することは有効な手段。
ただ、理念を創っただけでは絵に描いた餅になってしまいがちで、どう組織内に浸透させるのかが大切です。

経営視点に立って、現場の管理職・メンバーにトップの意志をわかりやすく伝える。
自ら手足を動かし現場を支援しつつ、チーム・管理職間やメンバー間の利害を調整する。
現場視点に立って、現場とのコミュニケーションで得た要望や情報をトップに伝える。

いわば「翻訳家」兼「実務家」という架け橋的な存在

そんな、トップと現場の間に立って動けるNO.2がいることで、トップは現場やメンバーの意志を汲み取りつつもスピーディに意思決定ができ、現場ではトップからの指示に解釈のズレが起こりにくくなって管理職のマネジメントコストも抑えられるので、組織のパフォーマンスが大きく高まります。

本当の意味で「ボトムアップ・共創型」の組織を創る為には、翻訳し動けるNO.2が必要です。


《お知らせ》

★自身初の著書『No.2じゃダメですか?』(24/1/29発売予定)の事前予約も兼ねたクラウドファンディングに挑戦中!!
まもなく終了!最後まで応援のほどよろしくお願いします!

本書は「何者か」を目指すよりも、周りの人を「支える」ことに喜びを感じる人たちに向けて、「支える個性」を活かすコツを伝えたくて執筆しました。

社会は「支える人」の存在なしには回らない。
だからもっと「支える」個性を持つ人たちの価値が認められ、活躍できる機会が生まれるような世の中にしたい!


・「何者かに、主役になれ」という世の中の風潮が苦手だ
・これから社会に出ることに不安を感じている
・誰かを支えることに生きがいを感じている
・今まさにNO.2・裏方として日々を過ごしている
・今後NO.2を仕事にして生きていきたい

もしあなた自身が、または周りの大切な人でこれらに当てはまる方がいたら、この本を読んで・存在をお伝え頂けたら嬉しいです。
応援よろしくお願いいたします!!

ありがとうございます!サポート頂きました想いは今後のnoteやかたわらの活動で価値にしてお返しします🐻