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若い時はとにかく“何者か”になりたがるが、それをグッと我慢して実力を身に付けるのが今である。

とにかく”何者か”になりたかった。

「私は●●である!」と言い切れる人はカッコいい。だから20代の頃は多くの時間を自分と向き合い、自分はどういう人間なのか?どう在りたいのか?を考え抜いた。ただ、30代を越えた今、そんなことはどうでも良くなった。

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私は26歳で会社を退職し独立した。独立してからの最初の気づきは「仕事がない」だった。会社員の頃はただ椅子に座っているだけで仕事があった。ただ、それを失ってから初めて「仕事があることの素晴らしさ」に気づいた。

仕事がなく、金もなかった。負のダブルパンチだ。
とにかく計画性が無さすぎた。

フリーランスという働き方は椅子に座っているだけで仕事が発生することは一切なく、とにかくFacebookで繋がっている知人に片っ端から「独立しました!仕事下さい!」と連絡をした。それくらいしか出来ることがなかった。

そこで必ず聞かれることがあった。「何が出来るの?」と。

その質問をされてまた気づいた、何も出来ねえ…と。
この一連の出来事が私を変えた。

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20代後半はとにかく「何者か」になることに時間を使った。フリーランスなんて世の中山ほどいる。その中で頭ひとつ飛び出て目立つ必要があった。

当時は広告会社で3年間営業経験があったことより、”テレアポ出来ます!”や”ウェブマーケティング出来ます!”と前職で経験したことを必死でアピールした。でも、どこかしっくりこなかった。

結果的には「フリーランスマーケター」という肩書きで仕事をし始めた。今思えばマーケティングの”マ”の字もよく理解していなかったが、とにかく「自分は●●である!」という「何者か」になり表現することが必要だった。

至る所で「私はフリーランスマーケターです!!」と言いまくっていたら、ウェブコンテンツにしてもらったことがある。見て欲しい、タイトルにも入ってしまっている。恥ずかしい以外言葉が出ない。

そして突然働き方が大きく変わった、そう、コロナがやってきた。

当時はフリーランスという働き方でありながら、大手通信会社で業務委託として週5日会社に勤務していた。会社員と同じくそれが当たり前の日々から、緊急事態宣言が発令されたことにより、完全リモートワーク生活が始まった。

そこからとにかく仕事をサボり出した。

ちょっと極端に言いすぎた。必要なこと意外やらなくなった。するとどうなったか?「フリーランスマーケター」と鼻高々に声を上げていたにも関わらず、そこに伴った努力をしなくなってしまった。こりゃ大変だ。

またSNSの流行も良くない方に加速した。

SNSの良くないところは、最も簡単に「虚像」を作れてしまうことだ。空っぽな自分を大きく見せることが出来る。素晴らしいが、素晴らしくない。

ここまでの話をまとめよう。

20代後半は、フリーランスになったが仕事が無く仕事を得る為に「フリーランスマーケター」という肩書きで自分を表現するものの、理想に及ぶ努力を怠り、SNSで大きく自分を大きく見せることばかりに努力をし、結果的に「虚像」が生まれてしまった。

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先日私は31歳になり、最近強く感じることがある。それは年齢を重ねるごとに「20代に作り上げた虚像が徐々に剥がれはじめている」ということだ。

これは私だけではなく、周りの知人を見ていても同じだ。30代に突入して頻繁に感じることは「世の中実力勝負」ということだ。これまで適切な努力をしてきた人は徐々に結果を出し繁栄しており、見せかけの努力やデカいことを言っていた口だけの人は知らぬ間に衰退している。恐ろしいことにこれは世の中の縮図なのかもしれない。

また、「若さは武器」という言葉の意味を、その武器を失ってからよく理解出来る。20代は若く勢いがありエネルギッシュな人がチャンスを得やすい。極端に言えば、若いだけでチャンスが回ってくるのだ。

ただ、30代になると一変する。もう若くないからだ。

若さという武器を失ってから、初めてこれからは実力で勝負するしかないんだ、とやっと現実に気づいたタイミングがあった。何を当たり前なことを言っているんだ!と一喝を喰らいそうだが、この事実に気づいていない20代の人は多いのではなかろうか?一方で、共感してくれる30代以上の人もいるのではなかろうか?

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地道に適切な努力をし実力を身につけると、実力がどんどん貯金され挑戦するごとに投資額(出来ること)が大きくなり、結果的に複利の力でより大きな成果(仕事・収入・自由な時間)を得られるはずだ。

このことに正直30代になってから気づいた。カラッポな自分を鏡で見て初めて気づいた。ただ、気づけただけマシだ。

最近私は改めて実績を求めてガムシャラに仕事をしている。今はとにかくお金や他人からの評価よりも、実績が欲しい。実績の貯金があれば、この先の選択肢が広がり戦いやすくなるからだ。

もしこのnoteを読んでいる方が20代であり、日々なんとなく仕事をして自分を大きく見せることに時間を使っている人がいるのであれば、私の失敗例を素直に受け取って欲しい。今はいいかもしれないが、30代になると一気にシビアな戦いに突入するかだ。

虚像を作り上げることに労力と時間を使うのではなく、実力をつけよう。
今日からでも遅くないから。


最近本に載りました(P144)📚

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笹本康貴(ささもとこうき)

1992年生まれ 千葉県出身
2016年 法政大学 卒業、新卒としてサイバーエージェントグループ会社に入社。新規営業として大手飲料・食品メーカーにウェブ広告媒体の販売並びに、小売店に対する店舗集客ソリューションの提供に従事。
2019年 マーケティング戦略策定を主軸に独立。
2021年 re株式会社を設立し、現在に至る。

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