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#137 素敵な瞬間に、なぜか出会う最近 〜 Omens of Happiness

「運が回ってくる」という表現がありますが、今そうなのではないかと思います。なぜかというと、まるで申し合わせたかのようなタイミングで、色々と素敵なことに出会うからです。
(ヘッダ画像:PSV で Google 検索すると、花火が上がっていました!)



国王誕生日

オランダに引っ越してきた翌々日、大学へ出かけて行って今後の上司となる先生(年齢は一回り以上下なので、最初に教えた生徒より若い)と打ち合わせをしました。すると先生は「明日(=4月27日)はオランダの国王誕生日だから、何かオレンジ色のものを身につけて街へ出なきゃね」と教えてくれました。

これは前日26日の写真、翌日のために飾り付け中のバー

オランダのナショナルカラーはオレンジ(国王の系譜に繋がるオレンジ公ウィリアムによる)で、その日は町中がオレンジに染まります。写真のような感じです。中には、髪をオレンジに染めて、上下オレンジのスーツを着るという、気合が入った人もいました。素敵だったのは、老婦人がオレンジの髪飾りをさりげなくつけていたこと。引っ越してきた3日後がお祝いの日で、街のハレの日だったことは、とてもしあわせなことでした。

若者もオレンジが多かった 〜 左の男性は国旗色の帽子をかぶっている

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同僚の趣味は?

今いる大学のオフィス(4人部屋)は仮の部屋で、2ヶ月後くらいには別の場所に移ることになっていますが、隣のオフィスの同僚(オランダ人女性)がいつも声をかけてくれます。いろいろと世話を焼いてくれ、話しやすいので助かっているのですが、意外な接点を見つけました。

ある日、同室の同僚がギターを抱えて入ってきたので、「ギター弾くの?僕は音楽業界に長くいたんだよ!」と音楽の話になり、自分がサックスとフルートを演奏することを話しました。すると、「隣の部屋の彼女、サックス吹きだよ!」と教えてくれました。そんな共通点があるとは✨
 サックスには多くの種類がありますが、クラシックやジャズ、吹奏楽で一般的に使われるのは、小さい方からソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4種類です。中でも、大人が趣味で吹いているという場合は、僕の感覚ではアルト60%、テナー35%、ソプラノとバリトン合わせて 5%くらいの感じです。僕はソプラノとアルトの両方を吹きますが、本当に好きなのはソプラノです。そして「どのサックス吹くの?」と彼女に聞いたところ、なんと、

ソプラノだよ!^^

と一言!5%に入る人が隣の部屋にいるなんて素敵✨と思いました。サックスの師匠には、オランダに楽器を持って行ってちゃんと吹きなさいと言われているので、年末年始に一時帰国した時に持ってきたいと思います。ヨーロッパは日本に比べて、「音楽を演奏する」ということがあまり一般的な趣味ではないので(多くの人が逆だと思っていますが、音楽業界での経験上、全ジャンルを含めた音楽演奏が世界で一番盛んなのは日本です)、本当に嬉しかったです✨

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PSV オランダ1部リーグ優勝!

そして、「これは偶然ではない」と思えた決定打は、昨日日曜日のサッカーの試合の結果でした。アイントホーフェンを本拠地とするサッカーチーム、PSV アイントホーフェンがスパルタ・ロッテルダムを破り、オランダ1部リーグであるエールディヴィジで優勝を飾りました🎊

駅前広場はこの群衆!パブリック・ビューイング用の大型モニタが設置されていた

実はそのことを知らずに街中に買い物に行ったのですが、もう身動きが取れないほどの人、人、人で、表彰式で優勝トロフィー(といっても丸いお皿のようなもの)が渡される瞬間には、ビールファイト⁈(事前に開けた瓶ビールの口を親指で塞いでよく振っておき、トロフィーが渡される瞬間に噴水のように噴き上げさせる)も見られました🍺
 オランダ人は世界一背が高く、男性の平均身長は 180cm を、女性も 170cm を超えているので、日本では背が低い方ではない僕も(173cm)、オランダでは群衆に埋まってしまって少し怖かったほどです。

PSV の優勝は 2017-2018 シーズンぶりだったので、街の人の喜びもひとしおだったのでしょう。ちなみに、オランダリーグ内では、アヤックス・アムステルダムの28回に次ぐ優勝回数22回を誇り、これは国内第2位の成績です。サッカー好きにはいい街なのだと思います。今度引っ越す先の近くにあるホームスタジアムのフィリップス・スタディオンも国内第3位の規模のスタジアムで、サッカー熱が強い街なのだなあと思います。
 ちなみに PSV は、Philips Sport Vereniging = Philips Sports Association(フィリップススポーツ協会)の略で、フィリップスとはあの電機メーカーのフィリップスです。現在の本社はアムステルダムにありますが、創業地はアイントホーフェンなのです。

大聖堂前もこの通り!

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思い出した、昔の自分

今日は上の写真を撮っているとおり、優勝の大騒ぎの中に入って楽しんできました(赤いユニフォームを着ていないと浮くが……)。でもこれは、僕のことをよく知る人から見れば、「トオルらしくない……」ことなのです。最後に少し書きたいと思います。

僕は昔から、「大勢が盛り上がっている輪に入るのが苦手」な人でした。それも、本当は自分も入りたい時に限って、「僕はそんなの興味ないもん!」と意思に反してその場を立ち去るタイプでした。大学時代の学園祭など、1年生の時はかろうじて参加しましたが、2年生以降はわざわざ当日大学を避けて別のところに出かけたりしていました。もちろん、本当は輪に入りたいのに、です。
 つい最近も、「昔のサッカー部の仲間に会ってきた」という友人の話を聞いて、「僕もそういうことがしたいなあ……」と勝手に落ち込んでいました。でもよく考えてみれば、「したいなら、すればいい」のです。それができたのが、PSV が優勝した昨日でした。

「したいことは、すればいいよ」と街が教えてくれたような気がして、この街に迎えられているんだな、と勝手に思った週末でした。PSV は強豪チームなので、この街に住んでいる間にもう一度優勝してくれることを祈りつつ、赤いユニフォームは1枚買おうかな、と思います(国王誕生日用にオレンジの服も買わなくちゃ💦)

今日もお読みくださって、ありがとうございました⚽️
(2024年5月6日:PSV 優勝によせて)

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