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子供が社会問題に関心を持った時、大人はどう向き合う?

こんにちは。笹井純子です。

さて、今日は11/5に子供たちと一緒に実施したイベントを振り返りながら、「子供が社会課題に関心を持った時に大人はどのように向き合っていくのか」ということについて私の思っていることをお話してみます。


子供達と一緒に準備した映画の上映会&活動報告会

このイベントというのは息子たち小学生が中心となって立ち上げた環境保護団体「マイクロプラスチックゼロコミュニティ Welc0m(ウェルカム)」が主催、その団体発足のきっかけとなった映画「マイクロプラスチックストーリー~ぼくらが作る2050年」日本語吹替え版の上映会&ウェルカム活動報告会というものです。

当日朝、チラシ配り


発足当初からの目的の一つにあり、数か月かけて実現にこぎつけました。


「ゴミ拾いだけでは不十分。みんなの意識が変わっていく必要がある。もっとこの問題に関心を持ってもらうことが大事。自分たちがそうだったように、映画をみてもらうことはとても有効な手段」

「私たちの活動を知ってもらうことで、仲間を増やしていきたい」

そんな理由から上映会を実施したいという思いが子供たちの中で膨らんでいました。そして、私たち大人も同様でした。

小学6年生3人


しかし、初めての大きなイベントであった為、決して簡単ではなく、事務局の私たち大人にとっては、予算、会場、集客、決済、上映方法…他にも様々な課題がたくさんありました。しかし、一つずつクリアしていくことで2部構成の上映会にもオンライン上映会にもたくさんの方にご参加いただき、無事終了することができました。

そして、子供達もまた自分たちができることを懸命に頑張っていました。校長先生に活動について知ってもらえるよう働きかけ、そして全校生徒へチラシ配布ができるようにお願いしました。また、そのチラシのデザイン(表面)、紹介動画づくりはクリエイティブディレクター(小6)が作成。活動報告会では発表の内容からスライドづくり、台本づくり、練習…子供達3人頑張りました!

上映会後の活動報告会(10分)


とはいえ、これは学芸会ではありません。「子供達が頑張ったのでみてやってください」ではなく、この活動に少しでも関心を持ち、お金を支払い、時間を使って参加してくださった方に「伝わる」ことを意識してもらいました。そのあたりを大人が見守りつつ、そっとサポートをすることで、子供達が新たな気づきもたくさんあったのではないかと思います。「今できること」だけではなく、「その一歩先」を意識して成長ができるようにすることも、大人と一緒にやる意味なのではないかと感じています。子供達は「大変だったけれどやりがいがあって楽しかった!」と彼らの自信にもなったと思います。


子供たちと大人がどうかかわっていくのか?

小学生を中心として活動している団体ではありますが、もちろんこのような大きなイベントを子供達だけで開催することは不可能です。だけど、「この映画をみてたくさんの人に関心をもってほしい。上映会をしたい!だからお願いします!」と大人の気持ちを動かすことはできます。

例えば今回の映画をみて「何かしなくては」「このままではいけない」せっかくそんな気持ちが芽生えたとしても、次のアクションに結びつけることは子供だけでは難しいことが多いと思います。周りの友達に話しても何の反応もないだけでなく「意識高いよねー」と揶揄されることだってあり、むなしい思いをするだけ…これが少し前の息子でした。こんな体験をすると一歩踏み出すのがこわくなります。結局何もしないことが無難とさえなるでしょう。

だからこそ、子供達がそんな思いを持った時、社会問題に関心を持った時、我々大人がスルーせずに、きちんと向き合ってあげることってとても大切だと感じました。一緒にできることを探してみる、そっと背中をおして一歩踏み出すお手伝いをする、子供たちが活躍できる場をつくる…大人ができるサポートってこういうことじゃないかなと思うのです。それが思いがけない子供達の力を発揮することにもつながるのではないかと思っています。


何もしないで子供達だけにお任せする、それもありかもしれません。でもせっかく熱い思いを持って「何とかしたい」と考えているのであれば、それを行動に結びつけられるようにサポートすることで、「課題解決」につなげるプロセスを学ぶ機会になるのではないかなと思います。何かを変えようとするならば、その活動を知ってもらう努力、この活動が大切だと知ってもらう努力が必要です。そうして仲間を集めて多くの声を発信し、ムーブメントを起こしていく…

映画の中でもニューヨークの小学生たちは、カフェテリアカルチャー(※)の人達と共に、社会問題に対する自分たちの声を発信し、アクションを身に着けていきました。まだまだ自分たちだけではわからないけれど、その気持ちをどう行動に結びつけていくのか、一緒にやりながら、考えながら、そのプロセスを学んでいくことができました。監督はこの映画のことを「変革のレシピ」と言っているように、環境問題だけではなく社会問題に対して声を上げアクションを起こしていく、そのスキルを身に着けてもらいたい、という思いも込められているのです。

私たちも同様に、子供達に考え行動してもらいながら、それを大人が支えていく。そして、少しずつ子供達が成長し、少しずつ子供達ができることが増えていき、そしてそれをもっと多くの子供達に広げていってくれたらいいなと考えています。

※カフェテリアカルチャー Cafeteria Culture
映画『マイクロプラスチック・ストーリー~ぼくらが作る2050年』をプロデュースしたカフェテリア・カルチャーはニューヨーク市を拠点とする非営利の環境教育団体で、2009年にStyrofoam Out of Schools として創設され、ニューヨーク市の学校給食で使用されていた発泡スチロールのトレー廃止を主導しました。それが全米10都市での廃止に繋がり、現在約年間5億枚の発泡スチロールトレーが堆肥化できるトレーに変わっています。団体ではニューヨーク市内の公立小中学校での環境教育プログラムを活動基盤とし、学校を拠点とした政策提言活動やプラスチック削減のキャンペーンを行なっています。常に、科学とデータに基づいた解決策を生徒たち自身でデザインしていくこと、メディアやアート、ビジュアルを駆使してメッセージを伝えていくことをモットーに、子どもたちが環境問題だけでなく様々な社会問題に対する自分たちの声を発信し、アクションを起こすスキルを身につけるためのプログラムを提供しています。
Cafeteria Culture公式サイト : http://www.cafeteriaculture.org/

マイクロプラスチックストーリーアンバサダーズジャパン


これはウェブメディア森ノオトさん記事です。事務局を担当している夫の言葉です。

「子どもたちのいる世界って、学校が中心でまだまだ狭いと思うんです。広い目で世界を感じられるような情報を与えられるのが親なんだろうなと思います。そして、親の力だけではできないこともたくさんあるので、まわりに協力してもらうということもすごく大事なんだと私自身も気づいたことです」と話してくれました。

ウェブメディア森ノオト



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