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まんまるおつきさま

あかるかったんだ
いつもよりずっと
うえをむいたら
えにかいたような
おつきさま

かなしくてないていたような
きみとけんかしてしまったような
くるしいなあなんて
けっとばしたこいしが
こつんとじぶんにもどってきたような
さみしいよるだとおもってたんだ

しずかなおつきさまがいて
すずしいかぜがふいて
せかいのどこかで
そばにいないだれかも
ただそらをみあげてるのかなっておもったら

ちょっとだけすくわれたきがした

つまらないことだったんだけど
てからしあわせがこぼれおちたきがして
どんぞこにおっこちたような
なんともいえないきもちになってたんだ

にえきらないことばっかりでさ
ぬりかえようにもまっくろでさ
ねこになれたらラクだろうなって

ノートをいちまい
はさみできれいにきって
ヒコーキをつくった

ふたをしてたなにかをのせて
へやのまどから
ほうりなげたヒコーキは
まんまるおつきさまに
みるみるすいこまれてった

むずかしくかんがえすぎだよって
めのまえのおつきさまがいうもんだから
もういいやっておもえた

やさしいってずるいきがして
ゆるいってなまけものみたいで
よわいってなさけなくって
らくになんてなりたくなかった

りーりーとむしがないてる
るるるるとぼくがないてる

レールからはみだしても
ろうそくがきえてしまっても
わらってる
をつきさまがそらにいたら
たぶ「ん」きっと、だいじょうぶ





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