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スーパーマーケットへ行こう!

「今日、なんか予定ある?」

夫が尋ねてきたのは、週末の朝のことだった。
私は「特にない」と答え、続けて「なんか予定あると?」と反対に夫に質問をする。

「ロピア行くけん。今日は早く家を出るよ」
夫はやる気に満ちた表情を浮かべていた。私は『ロピア』というこの三文字の単語に胸を躍らせた。

「わ〜い! やったー! ロピアだ〜!」
と私が両手をあげて喜んだのは言うまでもない。


ロピアは神奈川県を中心に全国展開しているスーパーマーケットである。

私は最初ロピアに行った時、看板に書かれた食生活♥♥ロピアというハートマークになぜか若干の苛立ちを覚えたものの、生鮮食品の安さや種類の豊富さに夫婦共々感動し、不定期ではあるが、たまにロピアに足を運んでいる。

私が住む福岡市にあるロピアは、博多駅すぐ近くのヨドバシ博多内にあるのだが、夫が博多駅は混むから嫌だ、という理由でわざわざ隣町の新宮町まで足を運んでいる次第だ。片道1時間弱はかかるが、私たち夫婦にとってスーパーマーケットはただの買い物ではなく、娯楽施設であるからして、全く苦にならない。

大人になるまでスーパーマーケットが楽しい場所だなんて思ったことはなかった。しかし、大人になり、自分の好きなものを買うことができるようになり、尚且つ食に喜びを見出すようになると、突如としてスーパーマーケットがキラキラと輝き出して見えるようになる。

スーパーマーケット生活♥♥レオンと改名したいくらいに、私はスーパーマーケットが好きなのだ。一度、憧れの成城石井に行ってみたいと思っているが、まだ九州への進出は行なっていないようであり、私はいつか成城石井の床を踏むその日が来ることをずっと夢見ている。


ロピアは日本版コストコと言われるくらいサイズの大きなお惣菜があり、生鮮食品もサイズが大きい。我が家がロピアで絶対に欠かさずに買うのはピザとマグロのすき身だ。その日は、土曜日の朝ということもあり、さほど混雑もしておらず、ゆっくりと商品を見ることができた。

ということで、その日はロピア飯にしようということで、ノリノリで商品をカゴに入れていく。

焼き鳥

焼き鳥は20本入って、1,100円だった。ねぎまに大量のハーブソルトがかかっていて美味しい。完全にビールのつまみだ。その日はもうどこにも行かないと決め、夫は早速昼間からビールを飲んでいた。

柔らかめの焼き鳥。私はパリッとした焼き鳥が好きなので、一度フライパンで焼いたが、焼いた方が好きだった。

お目当てのピザ

お次はピザ。定番はマルゲリータ。結構サイズが大きいので、食パンが4枚同時に焼けるトースターでも入りきれないくらいの大きさ。シンプルで間違いのない味。

1家庭、3枚までと決められているので、必ず3枚買う。他にも種類があるが土曜日や日曜日に行くとマルゲリータしか売られていないことも多い。

うまうま
てりやきピザもあったので買ってみた。
てりやきがたっぷり乗っていてうまい。

マグロのすき身は写真を撮る前に夫がすでに捌いてくれていた。

すき身と切り落としの食べ比べ

すき身は可食部をカットしてお刺身に。残った部分はあら炊きにしていただいたが、どちらもトロトロで美味しい。
切り落としと食べ比べてみようということになり、お試しでマグロの切り落としも買ってみたが、こちらも美味しかった。多分冷凍物だと思うが、ねっとりしていて寝かせている甲斐があるってやつだろうか。

どちらも違った美味しさがあって、交互に食べ進める。エンドレスマグロ。そうだ、マグロは止まらねえ。私の箸も止まらねえ。ダイエットはどこへ行った。体重増量も止まらねえ。嘘。そんなことない。食べすぎないように注意はしてるもん。頑張るもん。明日から。

みなもと牛がなんたるかはわからないが、ロピアはみなもと牛を推しているらしいので買ってみた。マグロも買ったので、少しでも節約をしたいと切り落としにしてみたが、切り落としでも十分に美味しい! めちゃくちゃ柔らかい! うんま! 完全にアナンダマイドがどぱどぱ出る。セロトニンも出てる気がするし、ドーパミンも出てる気がする。牛の命をいただき、私の健康寿命が伸びていく気がした。私は牛と一体化し、完全に牛になった。食後すぐに横になったがために牛になったのではない。牛と一体化したのだ。きっとこれで私はいつでもアナンダマイドを出すことができるのだ。よくわからないが、きっとそうなのだ。幸福ホルモンを自給自足できる女に、私はなった。

手巻きでも食べる
手巻きでも食べる。

エンドレス手巻き寿司。肉と魚を交互に食らい、その間に酒を挟み、もうどこで止めたらいいのかがわからなくなってしまった。しそとサニーレタスを間に挟んだので、口の中がさっぱりする。多分、レタスの食物繊維がきっと脂肪を絡め取ってくれて、ダイエットにも効果的かもしれないという、自分に都合のいい思考回路を巡らせてみる。すると私の中で、どこかの誰かがレタスの食物繊維はほとんどないんだから、レタス◯個分という表現に踊らされるなよとアドバイスしてくれたことを思い出す。踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損。


ロピアは、私を回遊魚にし、牛にし、そして阿呆にしてくれた。


さて、次はどこのスーパーマーケットに行こうか。
私は今日もスーパーマーケットで阿呆になって買い物をするのである。





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