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第1章 03 仕事のスタンス 立ち上げて来た組織(その2)

前回に引き続き、今回は芦原橋、鹿屋、そして暮らしている阿倍野区昭和町について。


一般社団法人リイド

 次に大阪市浪速区で設立した一般社団法人リイドについて。

 ここは、国や大阪市行政が同和対策事業を始めとして地域改善対策事業に取り組んできた芦原橋エリア。その後も部落解放同盟浪速支部が地域課題の解決に向けて日々奮闘している場所でもあります。

 このエリアは、JR環状線芦原橋駅からすぐ、大阪メトロ御堂筋前と四つ橋線の2つが通る大国町駅徒歩圏、繁華街ミナミまで自転車圏内にも関わらず約11ヘクタールの市有地に買い手がつかず空き地として残っていました。

 この会社では、大阪市からその空き地2000平米を無償で借り、駐車場経営で資金を生み出し、毎月第3日曜日に芦原橋アップマーケットを開催。毎月100店舗が出店し、約1,500人が訪れることで、開催した7年間で地域の認知度が向上、地域イメージに変化が起きたことで多くの土地が活用されることにつながりました。

 現在では市有地の半分以上が売却され、市は予定価格より約20億円のプレミアムを得たと試算できます。

 売却された土地には住宅供給が進み、戸建住宅や分譲マンション、賃貸マンションが建ち、人口は15%以上増加。これまで市営住宅に居住する人が人口の9割だったまちに新たな住民や店舗が増えてきています。

株式会社サルッガラボ

 株式会社サルッガラボは鹿児島県鹿屋市で当時「市村整材」の市村良平さんと作った会社です。

 鹿屋では株式会社大隅家守舎が「食と暮らしのマルクト」を定期開催していました。彼らは、「伊賀風土FOODマーケット」を見学すると、その半年後にマルクトをスタート。素晴らしいスピード感。

 でも現地では色々課題があったり、テコ入れも必要なことも分かってきた。そこでマルクトの後方支援ができないかと考えたわけです。ローカルメディア「さるっが」を立ち上げ大隅半島の情報発信をし、マルクトとその出店者を紹介。

 原資は、2つの地元酒造メーカーにサポートして頂きました。

 またホテルの1室をリノベーションし、サイクリスト向けの宿を経営。大隅半島は、サイクリストのメッカ。風光明媚な海岸線が続く半島の景色が、多くのサイクリストを集め、ツールド大隅が年1回開催されていました。

 大隅半島は食の宝庫だと思います。錦江湾でとれる魚はもちろん、豚や牛、こだわりの野菜など、まだまだ外の人が知らない素材がたくさんあります。まずは地域の人がそれらを再認識し、大きな誇りとなるように伝えていきたい。

 大隅家守舎が始めた取り組みは、エリアの遊休不動産を活用した約20のプロジェクトにつながり、まちへの投資が動き出しエリアを変化させています。

ビーローカル・パートナーズ

 自分たちが住むまちである大阪市阿倍野区で2013年から始まった昭和なまちのバイローカルは、「良き商いを守り育てる」をキャッチフレーズに、地元で暮らす人が地元のお店を知り、バイローカルの日(青空市)当日以外の364日も日常的に使ってもらうためのムーヴメントです。

 年1回のバイローカルの日開催が主な取り組みで、それを運営するのがビーローカルパートナーズ。

 初回に出店者として選んだお店は約30店舗。現在10回目を迎えて選んだ店舗は120店舗を超え、なんとそのうちアフターバイローカル店舗(2013年以降に出店したお店)は70店舗を超えます。

 元々バイローカルに至ったきっかけは、最寄りのターミナル駅である天王寺周辺がここ10年で様変わりし、約1000店舗がリニューアルも含めて出店したことで、私たちの近所の商店街にも空き店舗が目立ってきたからです。

 つまり、自転車で10分程度で天王寺に行けるので、天王寺に行けば何から何まである。だから自分のまちに期待せずとも、天王寺さえあれば何でも揃う。

 でも、天王寺にあるのはどこにでもあるもので、私たちが望む未来ではない。

 独自の魅力を持つ個人店に囲まれて暮らしたい。地元の人が愛してやまない店舗を増やし、その結果今では多くの店舗が出店するようなエリアに変わりつつあります。

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