受講者の学習スタイル
趣味・特技は人によってさまざまです。受講者の学習スタイルもさまざまです。
講師は注意しないと、「自分の好きな学習スタイル」に偏ってしまう可能性があります。
学習スタイル① 知識の構築スタイル
みなさんは、知識を構築する上でどちらの方が好みですか?
知識を体系立てた資料を基に、ひとつひとつ階段を上るようにコツコツ勉強する
先ずは大枠を掴み、自分の気になるところから調べ始める
どちらも「あり」ですよね。
受講者の方々も、どちらもいらっしゃると思います。
「小さい事からコツコツ調べましょう」と指示すると、大枠から調べたい受講者は窮屈に感じるかもしれません。
「先ずは概念を調べましょう」と指示すると、最初の一段目がわからずオロオロする受講者がいるかもしれません。
どちらの要素も取り入れて、講義や研修を組み立てましょう。
学習スタイル② 何を学びたいか?
何から学びたいかという視点から分類すると
新しい情報が好き。知らないことを知ることが楽しい
自分に役立つ情報が好き。知ったことをすぐに活用したい
となります。
講師自身が「新しい情報が好き」の場合、ついつい、最新情報を紹介する時間に多くの時間を使ってしまいそうですが、「役立つ知識派」の受講者は、つまらない顔になってしまいます。
どちらも織り交ぜて、講義や研修を組み立てましょう。
学習のスタイル③ 学習のプロセス
学習する過程も人それぞれです。
人とのかかわりあいの中で、対話しながら考えることにより、納得したり腑に落ちたりするタイプ
受け取った情報を一人でいったんじっくり考察し、頭の中で整理して自分のモノにするタイプ
どちらの受講者もいますね。
チームディスカッションを考える時、
「個人でまとめる時間」
の、後に
「チームで話し合う時間」
を、作ると両方の方々の理解度と満足度が向上します。
どちらとも取り入れた、講義や研修を組み立てましょう。
「違い」を知り、「違い」を受け入れるのが大切
最初にも言いました。講師の好きな学習スタイルに講義や研修はなりがちです。かなり注意していないと、そうなります。
例えば「新しい情報が好きタイプ」の受講者は、講師の体験談やエピソードなどの裏話に興味深々で、余談をしているときに目を輝かせて聞いてくれます。講師も同じタイプだと、他者の体験談・エピソードが好きなので受講者も好きだろうと思い込んでしまい、目を輝かせる受講者が目につき、「満足してくれている!」と思い、たくさんの体験談・エピソードに時間を割いてしまいます。
ところが「役立つ情報好きタイプ」の受講者にとっては脱線が多いと思われてしまう可能性が高いです。
講義後のアンケートで「脱線が多くて、学習が進まない時間が多かった」と書かれてしまう可能性もあります。
しかし、それは一人の受講者の意見です。「余談」を待っている受講者もいます。両方のバランスをとる必要があるのです。
大事なのは、講師自身のタイプを自己分析し、そちらに偏りがちだという認識を持ち、意識して講義を組み立てることです。
あなたはどちらの講師ですか?(下記でチェックしましょう)
コツコツタイプ 1 2 3 4 5 概念タイプ
新しい情報好き 1 2 3 4 5 役立つ情報好き
話すことで理解 1 2 3 4 5 考えることで理解
偏らない講義の組み立て、意識するとよいですね。
讃良屋安明公式ブログあります。お時間のある時に覗いてみてください。
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