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2017年にブリューゲルの「バベルの塔」を見て感じたこと。

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wikiより引用 大バベル

最近仕事で「よく見るように」と注意される。
結構あれこれ見落としてしまうことが多い。
ヘマやらかして、お叱りを受け、改善しながら
なんとか日々を送っている。

そのような時に、ふとピーターブリューゲル
という画家を思い出す。え、急すぎないか?
と思われるかもしれないけど。

2017年に大阪の新国立美術館で
「バベルの塔展ーブリューゲル」がやっていました。
一応ブリューゲルのバベルの塔は2種類あり
その時は「小バベル」の方が展示してありました。
その時、メインのバベルの塔を見た時に
思いました。「いや・・・緻密すぎて肉眼で
追いつかんわ・・・」と。多くの人が並んで
いるので係員に前に早く行くように促される。

さてどうしようかと遠く離れて観ていると
二人の婦人が話しており、ひとりは何か
望遠鏡のようなものでバベルを眺めていた。
彼女が眺め終わったのを見計らって尋ねた。
本当に申し訳ないのですが、5分ほど、その
望遠鏡をお貸ししていただけないでしょうかと。

彼女はもちろんと言い、丁重に使い方を
教えてくれた。そしてそれは望遠鏡ではなく
「単眼鏡」というものであるということも
訂正してくれた。VIXENというフランス製の
やつだった。5分と言わずゆっくり観ていらして
ください。ここでゆっくり話しておりますから
とにっこりと微笑まれた。礼を言いバベルを
少し離れたところから眺めることにした。

引用元wiki

バベルは細部と全体のバランスが卓越している。
遠くから眺めても構図が完璧だし、近くから
単眼鏡で見ても手抜かりがない。それに憎いのは
彼にはユーモアがある。何人かの作業員は
白いペンキが落ちて来て真っ白くなっている。
天まで届く塔を作ろうとし、神の逆鱗に触れ
塔を打ち砕かれた人間の愚かさを表現して
いるのだろうか。思わずクスッと笑わせられる
描写がブリューゲルの特徴だ。

単眼鏡を返し礼を言い、しばらく眺めていた。
日本の能の世界でも「遠見」と言い、遠くから物事をよく
眺めるように説かれていたりする。東西関わらず、
芸を極めた達人たちからは共通のものを感じさせられる。
近くからよく見ること、「ねずみの眼」。
遠くからよく眺めること、「鷹の眼」。
仕事において「よく見る」とは何かと考えた時に
この二つの眼で常に物事を捉えたいと思う。



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