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【韓国映画】『市民ドクヒ』絶対に許さない…ボイスフィッシング詐欺に立ち向かった女性。意外な通報者の正体とは。

こんにちは。

昨日映画館に行ってきました。今回見たのはこちらの作品です。

『誰も捕まえられないなら、私たちが絶対に捕まえる』

『市民ドクヒ』というタイトルです。主演は数々のドラマや映画に出演されているラ・ミラン氏です。助演には私の大好きなドラマ『椿の花咲く頃』に出演されていたヨム・ヘラン氏。最初はドラマの概要とこの二人が出ているなら絶対面白いだろうと思って見に行きました。

が!この映画、実は2016年に韓国で起きたボイスフィッシング詐欺事件を元に作られたものだったのです。全く知らず、コメディ映画だろうと思って見に行った私、かなり驚き身構えました。笑

以下、あらすじ。

振り込め詐欺に遭った中年女性 “ドクヒ”(ラ・ミラン)が、振り込め詐欺犯罪組織のボスを捕まえようと中国・青島(チンタオ)に渡りながら繰り広げられる物語だ。
ドクヒは、クリーニング工場で働く平凡な女性だ。中国語を全く話せないドクヒになくてはならない存在が、クリーニング工場の仲間“ポンリム”(ヨム・ヘラン)だ。朝鮮族出身で中国語を話せるポンリムは、ドクヒと共に青島に行く。

KBS WORLD

日本ではまだ未公開なので、今回は映画の感想メインではなく、映画の元になった実際の事件について書いてみようと思います。映画の内容と被る部分も多くあるかと思いますので、内容を知りたくないという方はご注意ください。


映画の元になった事件を実際にNAVERで検索してみました。こちらのブログを見つけたので、内容をいくつかピックアップして翻訳したものを載せてみます。

※読みやすいように多少意訳をしているところもありますのでご了承ください。もし翻訳に大幅な間違いがありましたら、ご指摘・ご教授頂けますと幸いです。

(以下の内容は全てこちらのブログ記事からの引用となります)

경기도 화성에서 작은 세탁소를 운영하는 김성자 씨는, 올해 초 보이스피싱 사기를 당해 3,200만 원이란 큰돈을 뜯겼다.
그런데 한 달 쯤 뒤, 자신을 속인 바로 그 보이스피싱 사기범의 번호로 또다시 전화가 걸려왔다.
사기범은, 이번엔 속이려는 게 아니라 자신도 범죄 조직에서 벗어나고 싶다며 두목 격인 총책에 대한 정보를 넘겨주겠다고 했다.

京畿道ファサンで小さなクリーニング店を営むキム・ソンジャ氏は、今年初めボイスフィッシング詐欺に遭い3,200万ウォン(約350万程)という大金を奪われた。
しかし半月程経った後、自信を騙したまさにそのボイスフィッシング詐欺犯の番号から再び電話が掛かってきた。
詐欺犯は、今回は騙しているのではなく、自身も犯罪組織から抜けたいからボスに対する情報を渡すと言った。

実際のボイスフィッシング詐欺が、どのような組織・環境で行われているのかは分かりませんが、映画の中ではかなり劣悪な環境で描かれていました。

上層部からの暴力による支配、かけ子(実際に電話をかけ、被害者を直接騙す役割)はパスポートや携帯を没収し常に監視・監禁、家族の情報なども洗いざらい吐かされ、万が一逃げようとすれば家族に危険が及ぶ。高額なアルバイト代が貰えるという謳い文句で若者を騙し、そういう場に連れてきて支配するという描かれ方でした。

김 씨는 서둘러 이 사실을 경찰서에 신고했지만 경찰의 반응은 어쩐지 시큰둥했습니다.
총책의 본명과 인적사항은 물론, 한국으로 입국할 예정인 날짜, 심지어 비행기 시간까지 알려줬지만 경찰은 증거가 부족하다며 미적거리기만 했다는 겁니다.
김 씨는 두려움을 무릅쓰고 경찰 대신 보이스피싱 조직원을 직접 설득한 끝에,각종 단서를 입수해 경찰에 제출했습니다.

キム氏は急いでこの事実を警察へ届け出たが、警察の反応は冷たいものだった。
ボスの本名と特徴は勿論、韓国に入国する予定の日付から飛行機の時間まで伝えたが、警察は証拠が不足しているとして煮え切らない様子だった。
キム氏は恐怖を押し殺し、警察の代わりにボイスフィッシングの組織員を直接説得した後、手がかりを入手して警察へ提出した。

これが映画の中だけの話ではなく、実際に起こったことだというのは本当に驚きです。何より詐欺に遭った一般市民である被害者が、証拠を集めて警察へ提出し、犯人逮捕に貢献するなんて、一体どれだけの恐怖と苦労があったのでしょう。

しかしながら、この事件は犯人を逮捕して終結とはなりませんでした。

결국 김 씨의 활약 덕분에 경찰은 닷새 만에 범인을 붙잡았지만, 정작 김 씨에게는 범인을 검거했단 사실조차 알리지 않았습니다.
언론사에 배포한 보도자료에도 김 씨에 대한 언급은 쏙 빼고, 자신들이 '첩보를 입수해 검거했다'고 홍보했습니다.

結局キム氏の活躍のおかげで警察は5日後に犯人を捕らえましたが、キム氏には犯人を検挙したという事実さえ伝えなかった。
マスコミに配布した報道資料からもキム氏に対する言及は全くされず、’自分達(警察)が諜報を入手し検挙した’と広報した。

………(怒)(こんなことをしているから、多くの映画やドラマで韓国警察は悪!みたいな描かれ方をされるのでは?????(心の声です))

또 보이스피싱 범죄 신고자에게는 최대 1억 원의 신고 보상금을 주게 돼 있지만, 경찰은 이마저도 주지 않았습니다.

またボイスフィッシング犯罪の通報者には、最大1億ウォンの申告補償金を支払うようになっていたが、警察はそれすらも支払わなかった。


화성동부경찰서는 취재가 시작된 지난 14일에야 100만 원의 보상금을 주겠다고 밝혔지만, 김 씨는 이를 거절하고, 담당 경찰의 업무 태만 등에 대해 지방경찰청에 진정서를 제출했습니다.

ファサン洞府警察署は取材が始まってから14日後に100万ウォンの補償金を支払うと明らかにしたが、キム氏はこれを拒絶し、担当警察の業務怠慢などに対して地方警察署に陳情書を提出しました。

実際の事件は警察の職務怠慢も大きな問題となったようです。恐ろしく腹立たしい事件であると同時に、この被害者女性の行動力には本当に脱帽です。そして警察の不誠実に対して毅然と対応する強さは、人として尊敬に値するなと思いました。


映画ではまた違う描かれ方をしているので、是非日本で上映された際には見てみてほしいです。中弛みするようなシーンもなく、初めから終わりまでずっと引き込まれていて、時間があっという間に過ぎてしまった、そんな映画でした。一つ注意点があるとすれば暴力的なシーンが結構ありますので、そういうシーンが苦手な方は注意された方が良いかなと思います(私も目を細めて見ていました…笑)。ユーモアはかなり散りばめられているので、クスッと笑ってしまうようなシーンも沢山ありました。


長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます!

それでは、また〜。

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