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【読書と思考の記録】noteが居心地良いと言われる理由。ついでにnoteのススメ。

新学期、新年度。

私の住んでいる所では、桜が満開に咲き誇っている。

咲き誇る、と変換をしてみて思った。

”ほこる”は”誇る”なのか。

咲き誇る
:今を盛りと咲くこと
誇る
:①優れたものであると確信する
 ②何かの点において誇示するだけの内容を持つ

新明解国語辞典

話は戻って。

新学期や新年度を迎えて、
新しい環境に入った人や新しいことを始める人も多いと思う。

何か新しいことを始めたいと考えている人には、是非noteを進めたい。


『さみしい夜にはペンを持て/著:古賀史健』

最近、書店で見つけて手に取った本。

書店の本棚に置いてあるのを見つけた時、最初にこの装丁に惹かれた。
鮮やかな色使い。
細部までたくさんの色が詰め込まれいて、宝石みたいで綺麗だと思った。

そして、このタイトルの強さ。
内容を読むより先に、心がキュウと締め付けられる気持ちになった。

著者は『嫌われる勇気』で有名な古賀史健さん。

以下、あらすじ。

うみのなか中学校に通うタコジローは、
学校にも居場所がなく、自分のことが大嫌い。
ある日、不思議なヤドカリおじさんと出会ったタコジローは
その日から、どんどん変わっていく…

・考えるとは「答え」を出そうとすること
・その作文、嘘が混じってない?
・みんなと一緒にいると、自分ではいられなくなる
・考えないのって、そんなに悪いこと?

ポプラ社公式HPより

ヤドカリおじさんは、タコジローに日記を書くことを勧める。

日記というと少し抵抗がある人も多いかもしれない。
続かないとか、面倒くさいとか。
中には挫折したという人もいると思う(私も挫折した)。
けれどこの本を読んで得られることは、単なる日記の書き方ではない。

書くことに対する向き合い方。
言葉や文章
との向き合い方。
そして、自分との向き合い方。

きっとこの本を読み終わった頃には、心に残るものがきっとあると思う。


この本を読んで、私が考えたことを記録したい。

”どうしてnoteは居心地が良いのだろう?”

noteって居心地がいいよね、と仰っているnoterさんをよく目にする。
私もその考えには同感だ。
幸いなことに、今まで悪質なコメントも頂いたことはない。

そういう界隈を”治安がいい”と表現することもある。
ではなぜ、noteは治安がいいのか。

私はこの本を読んで、その問いの答えを見つけた気がした。


言葉には”口から出ていく言葉”と”書く言葉”の2種類があるそうだ。

口から出ていく言葉は、泡のようにすぐに消えてしまう。
だから気楽に、あるいはいい加減に、思ったままを口にする。

主に口から出ていく言葉はおしゃべりで使われる。
筆者は、”おしゃべりには消しゴムがない”と本の中で言っている。
うっかりミス、つまり口が滑るという状況が起こったりする。
出てしまった言葉を取り消すことはできない。

対して、書く言葉には”考える”という作業が必要になる。
書いて、読んで、消して、また書いて、読んで、消して。
どうすれば読者に伝わるか、どうすれば誤読を防げるか。
そういうことを考え、その時点での答えを見つけ出して、世に出す。


ここで、私が気づいた大事なことを一つ共有したい。
それは、”書くこと=文字起こしではない”ということだ。

Twitterやインスタ、ThreadsなどのSNSにも文章はある。
ただ、私はその投稿やコメントの一部は、書く言葉ではないと思うのだ。

SNSを見ていると、様々な種類の投稿やコメントを目にする。
中には、なんでわざわざ人を傷つけるようなことを?とか
否定的なコメントをするなら見なきゃいいのに、と思うことがよくある。

それが互いの意見の交換であれば構わないけれど、
悪意を持って、人を傷つけようとして書いている人も多くいるように思う。
もしくは自分の価値観の押し付けだとか。

ああいうものは、
口から出ていく言葉を単に文字起こししているだけだと気づいたのだ。
棘のある言葉を、まるで話すように書き込んで文字起こししてしまう。
そこに、書いて読んで消して、そういった過程はあるんだろうか。


noteを書いている人、ブログを書いている人、ライター業の人。
そういう人は、文章を書くことにどれだけ頭と労力を使うか知っている。
私はそう思っている。

言葉が人にどう伝わるのか、どう受け取られるのか。
悩んで、考え抜いて、自分なりの答えを決めて、文章を終わらせる。
書ける日もあれば、書けない日もある。
言葉を紡ぎ出すことの難しさを知っているから。

もちろんSNSの全てが悪いわけではない。
SNS上で心に届く文章に出会い、心が動かされたことも何度もある。
けれど実感としては、まだ文字起こしの方が多い気がしている。


結局のところ、どうしてnoteは居心地が良いのだろうか。

書くことと真剣に向き合っている人が多いから、が私の答えだ。

時間をかけて、自分自身と向き合う。
伝えたいことを整理して、実際にこうやって文章を作っていく。
読み直して、書き直して、一日寝かせる人もいるだろう。
そうして出来た自分の作品を、noteという場で世に出す。

今この時点で、この記事は2000字を超えている。
それだけの量を書くのにどれだけのエネルギーと思考がいるか、
きっと書き続けている人には分かると思う。

日々言葉と向き合っている人は、人に向ける言葉にも真剣だ。
簡単に口から出てくる悪口、罵り、妬み、批判。
そんなものに、大切な言葉と時間は使わない。

きっと中身が同じだったとしても、伝える努力をするだろう。
自分の思考と心をどうにか言葉で伝えようと努力する。
それはきっと、SNSのコメントとは違った形で相手に届くと思うのだ。


何か新しいことを始めたいと考えている人には、是非noteを進めたい。

と冒頭に書いたけれど、理由はここにある。

SNSの情報が溢れる昨今。
日々大波のような情報の中から一歩抜け出て、
自分と対話する時間を持って欲しいと私は思う。

そして、その考えを是非noteに書いてみて欲しい。

文章を書き始めると、世界が変わって見える。
物事が今までと違う形で、体や脳に流れ込んでくると思う。
それは書くことと向き合ってみて、初めて分かることだ。

どうやって書いたら良いのか分からない。
そんな人は、ぜひ一度この本を手に取って読んでみてほしい。
そして日々書くことと向き合っているnoterさんたちも、是非一度。

あなたにしか、書けないことがある。
あなたにしか、見えない世界がある。

あなただけの言葉が、ここで満開に咲き誇りますように。


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