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「積読(つんどく)」という言葉を知ったとき、自分の価値観との違いにとても驚いた。

積読(つんどく)という言葉が生まれたのが明治時代だと知って、今私は二重に驚いている。2千何年ごろなんだろうかと思って検索をかけたのに。答えが予想外過ぎた。「つんどく」とパソコンに打ち込んだら「積読」と変換がされる。そのことさえ驚いたのに。ふぅ。

国語辞典を開いてみると「積ん読」という見出しで載っていた。

書物を買って積んでおくばかりで読まないこと。

新明解国語辞典

いや、そうなんだ。私はこの積読の概念について書こうと思っていたのだよ。それなのにまさか明治時代からある概念とは。しかもWikipediaにはこんな記述も。

この言葉が生まれたのは明治時代だとされるが、『書物語辞典』(古典社 1936年発行)に「江戸時代すでに朗読・黙読・積置を書の三読法と称した」とあるように、概念自体は「積読」という言葉が誕生する以前からあったものと思われる。

Wikipedia

言葉の起源って分からないものだな。こんなにも古くからあるとは。


話を戻して、積読という概念と自分の価値観について書いてみたい。

今や積読という言葉(または行為)は、読書家の醍醐味のような扱われ方をしている気がする。noteにも「うちの積読を紹介する」という投稿企画のハッシュタグがあるくらいだ。実際に読書家の方々が積読にどういう印象を抱いているのか是非聞いてみたい。

私は積読という言葉にネガティブな印象を抱いていた。 ”積読という言葉に”というのは少し誤解を生む言い方かもしれない。 ”積読をしてしまう自分に”ネガティブな印象を抱いていたと言った方が正しいと思う。

私は書店を回るのが好きだし、読書も好きだ。読書家と名乗るほどでは全くないけれど、本の世界に没頭できる時間はとても幸せに感じる。書店をぶらぶらと回りながら惹かれた本を手にとって購入する。けれどその本が、私に読まれることなく本棚に眠ることは幾度もあった。読まないまま売られた本もある。

買ったのに読まなかった・読めなかったという思いは、自分をネガティブに評価する材料だった。また無駄に買ってしまったとか、読まないのに何となくで買ってしまったとか、浪費だとか。「積読」という言葉自体知らなかったから、読まずに本が溜まっていくという行為をポジティブに捉えることはなかった。


積読という言葉を初めて聞いたのはパートナーからだった。彼女も読書が好きで、本の話をしていた時に初めて彼女の口から聞いたのだ。私はとても驚いた。本当に心の底から驚いた。

そしてその積読という行為が、近頃はプラスの行為だと認識されているということにも驚いた。私の価値観がひっくり返った瞬間だった。

積読ってしてもいいんだ。悪いことじゃないんだ。読書を楽しむ人たちは、「次の楽しみのために取っておく」という認識なんだ。なるほどなぁ。


ここで素敵な記事を見つけたのでシェアを。

積読への「罪悪感」という言葉がとてもしっくりきた。私は私にも、読まれていない本たちに対しても罪悪感を抱いていたのだろうな。

「積読」という行為そのものが良いか・悪いかという議論をするつもりは全くない。積読を喜びと感じるか罪と感じるかは人それぞれ。自分の気持ちに合わせて積まれている本たちと向き合えばよいと思う。

この出来事を通して、何事もプラスに捉えることはできるんだなと改めて感じた。そして自分にはネガティブな思考がこびりついていることも再確認。どうにかこういった気付きを得ながら改善していきたいもの。


さて。せっかくなので、私の本棚で出番を待つ「積読」たちを紹介してみようと思う。

米沢穂信さんの古典部シリーズが好きなので作者買いをしたものとか、タイトルが気になって買ったものとか。歌野昌午さんは「葉桜の季節に君を想うということ」という小説が好き。これはおすすめ。本当に読んでみて欲しい。ひっくり返る。

自分が選んだ本を見せるって、自分の嗜好というかフェチというかそういうのを露呈させているようで恥ずかしいネ。ご覧になればお分かりだろうが私はミステリーとか変な人とか出てくるのが好きです。恋愛ものとか殆ど読みません。

ちなみに一番最近読んだのはこれです。

映画を先に見てから小説を読んだんですが、映画は阿部サダヲの演技が素晴らしく気持ち悪かったし(褒めている)、本は心理描写が細かくて良かった。小説の方が主人公がスレまくっていて、その設定が後半になってよく効いたなという印象。面白かったです。気持ち悪いけど。

実はうちの積読たちはまだあります。そして今後も増えるでしょう。

では、今日はこの辺で。


Thanks to momo19870209様

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