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高校3年生

勉強なんてしても意味はないとは言いきれない。勉強って人格形成の為にあるんだと思う。でもね、先生が言ってた勉強をしろは本当に成績だけだと思う。良い大学に入れって先生はうるさかったし、親もうるさかった。高校の時の不安定な俺は自分の道を自分で選択なんてできなかった。言われるがまま国立大学の受験勉強をする。

彼女は僕の勉強ができるとことか、本を沢山読んでいるからこその知的なところ、乱暴な所、部活も割と上手くいっていた所、そんな所が好きなんだろう。僕の日記なんか読んだら、中身なんか知ったら、そもそも好きになって無かっただろう。表面上しか見ない奴らは本当に退屈だ。あの女もきっとそう。アイツもそう。俺の中身は誰も、俺自身の事なんて誰も好きじゃない。そしたら今俺は誰なんだ。お前らに俺はどう見えてる?

悪い子になろうと思って煙草を吸った。まだ覚えている、あの焦げた香りと、僕の肺が締まるような、あの感覚。それくらいでしか反抗ができなかった。情けないけどね。親はヒステリックを起こすし、先生は本当にずっとうるさかった。生徒のみんなも俺の成績とか、そうゆう表面上にしか触れないし、当時の彼女も俺の中身なんて見てなかったと思うし。卒アルは空白だし、クラス写真も映らなかった。皆と仲良くできなかった。違う人種の皆が、何も考えないで欲に忠実に生きれる皆が怖くて仕方なかった。僕も僕が怖かった。

仲良くしてくれる人は沢山居たのに、俺は全然受け入れられなかった。同調ばっかで一過性の皆を受け入れられなかった。なんかずっと1人みたいで、思い出は街灯の通路で転んじゃって、転がった先の星空が綺麗だったこと、川のせせらぎが心地良かったこと、月が欠けてたこと。膝を擦りむいていたのも気付かなかった。

お風呂に早めに入ろう、夜が来る前に入ろう。お風呂から上がったら夕暮れを見よう。シャンプーを変えた、いい香りがするし髪の毛がサラサラだ。オイルを塗って髪を乾かす。フワフワでサラサラな髪の毛。ベランダから夕暮れを見る。先生は、勉強の事ばかり。親は学校の事ばかり。僕はね、一人でいい気がしてきた。ベランダから落っこちそうになった。悔しいな悔しい。死んじゃいたいのに。日が落ちて落日を迎える。明日からまた先生が勉強しろって言う。背筋を伸ばせ、話を聞け、夢を持て、目標を持て、努力をしなさい。また明日から同じ事を言われに行く。いつもの日常。時間が経っているだけの僕の学生生活。僕は、生きているのだろうか。生きれているのだろうか。明日も明後日も同じ。ずっと。

机に向かう日々。日々学力が上がる。それと裏腹に日々心が削れる。日々、人との距離が遠ざかる。みんなが同じに見える。自分が自分では無い気がする。どうやって笑ってたっけ。俺って何がしたいんだっけ。俺は誰だ。

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