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恋を解く

恋してばかり僕ら人間。総じてみんなバカで愚かで苦しくて悲しくて、縋るように優しさを迫る恋人達は、いつか来る終わりを考えることも無く、今の幸今の幸と過ぎ去った時間に目を瞑る。作り笑いをする僕と、本当に笑う君とでは幸福感に差があるようだ。僕は欲で君は愛を、君は言葉で僕は行動を。昔の恋人、そのまた昔の恋人。君という今の恋人とかつての恋人をなぜだか重ねてしまうのは、きっと僕は影を見ているから。1周目2周目、漫画も勉強も周回すれば周回するほど奥が深まる。ただ、恋だけは回れば回る程苦しくなるのだ。あの子が持ってた優しさを君に求めるのも甚だ見当違いだ。

今日も生きてしまった。そんな日々。そんなつまらない日々に恋という刺激。僕ら人間は、そんなインスタントな刺激を求めてしまう。僕ら人間の目的は増殖だ。僕らは増えるためだけに生きているようなもの、だから「かわいい」や「かっこいい」という優位遺伝に簡単に惹かれる。そして誰にでも発情できてしまうのだ。「大好き」「愛してる」これは欲望から放たれる言葉と言っても過言ではないだろう。僕ら人間、果たして性交渉無しでどれだけの時間愛せるのだろうか?性的魅力を感じない相手を愛せるのだろうか?性的魅力=好き、に違いないだろう。君らの今の恋人(中身は変わらないものとする)が、低身長で爪が長くて髪が汚くて、勉強も運動もできない奴ならどうだろうか。「清潔感」「能力」表面上から魅力を感じる僕らは「中身」が大事と口を揃えて言うが、現実はそうでも無い。中身は二の次で、スタイルがいいだとか、勉強ができるだとか、顔がいいだのそんなものしか見られていないのだ。僕もそうだ。外見に清潔感がないとそもそも発展などしない。性的魅力を感じるレベルに到達しなければ「好き」は生まれないのである。恋というものは、性的魅力から発生するものであると思う。僕らの「理想」は一途に愛し愛される事だ。現実、恋人がいてもアイドルが好きなままだし、男だっていい女がいりゃ目で追っかける。好きという気持ちは、僕らが手っ取り早く増える為に兼ね備えられた「欲望」であり、好きや愛してるは、僕ら人間が都合よく、汚い欲望を隠す為にフィルターをしたようなものなのだ。恋=欲望。の方程式が成り立ってしまうのだ。ただ、そんな中で、1人に愛というなの欲望を注げたなら、それは美しいと言えるのではないだろうか。恋の解法は人それぞれなのかもしれない。

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