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冷やしコーヒーの飴細工

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最近の記事

埃をもとめて

 髭のない宮崎駿を一目見てみようと小金井公園を散策し(目撃情報稀にあり)、田無駅に辿り着くとチェーンのカフェに入る。  "まちゃまちゃ"みたいなパンチの効いたおばさんがいて明らかに喫煙目的だと分かる。  小倉利丸の文章を読み進め、目が疲れたのでYouTubeにてナミビアの砂漠の様子を見てみる。  ダチョウだ。結構多い。  気温24.1°ということはちょうど今の東京と同じだ。  まあまあ暑いが心地いい。それはダチョウだって同じだろう。  ふと、来年アフリカに行ってみようか

    • 『Namib Desert』のススメ (映画におけるミニマリズム)

      ジェームズ・ベニング『Sogobi』  昨年、渋谷イメージフォーラムにて。映画におけるミニマリズムという新たな視点を得る。  メディテーショナルな映画体験だった。視覚的に退屈な情報が続き、気づくと聴覚が敏感になっていた。風の音、波の音、車や船の音…どれも気にかかって仕方がない。  やがて数十分経ち、今度は視覚も明らかに変容していた。些細な画面上の動きに脳のセンサーが過敏に反応する。  33:45〜36:08までのカット。船が海上を通り過ぎるシーン。  文字で見るとシン

      • 『うたた寝』

         妙にドロドロとしたサイダーを飲み、気づけばもう夢見心地だ。  足先はじんわり、思考はのんびり、ライトは断じて暖色がいい。 やたらと思い出すのは少年時代。 けれど過度なノスタルジーには注意が必要。  "チキンライス"、"Moonchild"、"カントリーロード" そして、"名も知らぬボサノバ"…  とにかく小さい音であればあるほど良い。なんならボリュームはゼロでも構わない。  狂乱の騒ぎとは全く無縁のうたた寝。 "傾眠"は素晴らしい。人間何ごとも寝たら忘れる、しかし寝ないと覚

        • 日記430

          ある詩人、道端に。 「なんでもないようなことが、なんでもなかった」と… 声を聞き 私 はドンキホーテ横マクドナルド、で、アイスコーヒーを。 寝ぼけ眼で雨を聞いていた、間に、お湯が沸く朝… を、思い出し。笑い。 短くも急な坂を登り、鷹が三匹、目、を合わせる。 足元…赤と白、縞模様…靴下。 見下ろした団地、に、ベビーカーと車椅子… 影、だけ、垂直に交わる。 高周波、音が交差する、十字路… ここにもマクドナルドが… かつて時間を待った日のこと…それも過ぎる。

        埃をもとめて

          アイスクリームをこっそりと

           友人からの連絡を返さないで放置していると、「捕まったと思った」とか「死んだと思った」とかよく言われるけども、その間していることと言えば"ねじめ正一の怪文書みたいな詩"を読むくらいなものである。  もしくは、神田川沿いで下水の香りを感じたり、井の頭公園で妙に細い犬を眺める、なんてのもある。  「あるとき高田渡が井の頭公園でこっそりアイスクリームを食べている姿を目撃した」  そんな話を父親から聞いた。目が合うと、なぜか赤面したような様子でひどく恥ずかしがって慌てていたという

          アイスクリームをこっそりと

          『Sátántangó』

           上映時間が400分を超える長い映画として有名なタル・ベーラの代表作『サタンタンゴ』。登場人物の一人に「フタキ」という男がいる。U2のボノにそっくりな渋い俳優が演じるミステリアスな役だ。何回か本人なのではないかと疑うレベルで似ているが、"例の暑苦しい歌い方"はこの映画の雰囲気にそぐわないから違うのだろう。  言うまでもなく、タル・ベーラとU2にはなんの結びつきもない。 少年/少女、異なる目付きは何を意味する  『サタンタンゴ』は異常な緊迫感のある世紀末的な映画であるが、

          『Sátántangó』

          面白かったWikipediaの記事30選

          1. 青木まりこ現象 青木まりこ現象(あおきまりこげんしょう)とは、書店に足を運んだ際に突如こみあげる便意である。 2. 学習性無力感 学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん、英: Learned helplessness[1])とは、長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象である。 3. 刷り込み 刷り込み(すりこみ、imprinting)とは、動物の生活史のある時期に、特定の物事がごく

          面白かったWikipediaの記事30選

          Soaked

           ここ一年、青年A(友人)により(嫌気が差すほど)聞かされていた(素っ)裸のラリーズ(Les Rallizes Dénudés)。それが今、眼前(視線から8センチ程下)の(twin)スピーカーから漏れている。  金切り声のようなフィードバック、ボーカルの曇り具合(ちょうど(Just)(ちょうど)(just)(ちょうど)(Just)、今日は曇天だ)は「岡山地底湖行方不明事故」を連想させる。ハイになっている脳味噌を少し抑え(実際はスピーカーの[TREBLE]を反時計回り(時間の進

          3:31

           今、眼前には一筋の線が見える。これを案内としてそのまま進むか、あるいは折り返すか。そう問われている。この獣道を進んできた以上、進むよりないと考えるこの心理は如何ばかりか。戻るは暗闇、進むその先に見える光はやけに細い。脇道こそ断崖である。絶壁にも似た脳味噌の窪み。そこに一つの砲丸が今落ちてくる。見た目以上には硬くない。精一杯力を抜いてその球体を受け止める。  川の音がする。左手から子供の声がする。彼らの表情に気を取られかけるも、目の当たりにして、私は微笑むだろうか。いっそ白

          胎児は怯え、春を

          1  着信音が延々と聞こえる中、背筋に滲み透る振動はやがて虚空へと向かう。来訪者の予感に怯えつつも、海辺にいる毒虫との格闘を脳内で続けるしかない。ただひたすら淡々と。毒虫は手足が9本あり、ちょうど人体ほどの大きさの石の上を、這いずり廻るように移動する。彼らには目がないから、人の身体に纏わりついてくる心配はない。ただ平行に、滑るように移動するだけだ。では彼らの問題は何かというと、あの腐臭である。地方の寂れた公園の、誰からも掃除してもらえなかった旧式の便器。染み付いた糞尿はもはや

          胎児は怯え、春を

          2023/11/24/3:38

          階段は着々と… 水の滴る音 騒音…轟音…工事現場…録音 虫が頭上を這い回る…季節感もなく節操に… お前は誰だと問いかけられる すっかり歪んでしまったコンクリート… 西に人の気配がする チェロは壊れている 誰の声だろう 水の流れを想像する 清い川を…そして公衆トイレの… 徐々に見覚えのない コンサートホール…しかし老人がいない 皮の音 が鳴り響く 数分前の故郷は懐かしく  ふと思い出す… 記憶とは忘れることであると…異国の人が言っていたではないか

          mugendou-jigoku

           「無間地獄」を「無限地獄」だと勘違いしている人は結構多い。どちらも mugen-jigoku であるから致し方ない。皆が間違い続ければ200年後には「無限地獄」の方が一般化してることだってあり得る。言葉は流動的で、液体のようなものだ。  一方で、私が今陥っているのは mugendou-jigoku である。漢字で表記するならば、「むげん堂地獄」。正式名称は「元祖仲屋むげん堂地獄」であるが、一般的には省略して使われることが多い。どういうことか。高円寺や吉祥寺あたりにある「むげ

          ジェイムズ・ベニング『ソゴビ(Sogobi)』

          どうやら生と死は同一の現象らしい、ということだけ分かった。

          ジェイムズ・ベニング『ソゴビ(Sogobi)』

          「君たちはどう生きるか」の感想

          千と千尋に並ぶジブリの傑作。 PTSD克服系冒険活劇であり、宮崎駿版「2001年宇宙の旅」と言うべき内容。 終盤の友情を熱く語るシーンは、アニメ「ワンピース」を想起させる。 あえて難点を言うとすれば、台詞の八割は不要だった。 音楽も、久石譲のピアノ曲をカットし、シュトックハウゼンとかピエール・アンリあたり(その手のやつなら誰でもいい)の曲をAIにランダム再生させたほうがよかったのではないか。 でもそうするとただのアート系映画になってしまうので無意味な話… エンディ

          「君たちはどう生きるか」の感想

          まずてはじめにキツネの川下り

          橋の下に自転車、さも笑う月に似たり

          まずてはじめにキツネの川下り

          サラーヴァ

          おぼえた 言葉は どれもすばらしく けっして 忘れることはない

          サラーヴァ