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七夕の夜をめぐる美しい日本語7選

7月7日は七夕です。
日本に古くから伝わる七夕には、美しい表現がたくさんあります。
本記事では、七夕にまつわる美しい日本語を7つ紹介いたします。
お楽しみいただければ幸いです。

1. 星今宵


星今宵(ほしこよい)

七夕のこと。
忙しなく過ぎる毎日、最後に星を見たのはいつだったでしょうか。
今宵だけでも空を見上げて、ゆったり星を眺めてみませんか?

2. 願いの糸


願いの糸(ねがいのいと)

願いを込めて笹の葉にかけた5色の糸のこと。現在の短冊です。
ところで、短冊の色によって願い事の意味が異なることをご存知ですか?

・青 自己成長を願う
・赤 周りに感謝を伝える
・黄 コミュニケーション
・白 規律を正す
・黒 学業成就のお守りに

どうか願いが叶いますように。

3. 星合い


星合い(ほしあい)

織姫と彦星の逢瀬のこと。
夜空にきらめく天の川を渡り、星と星が寄りそい合う。
年に1度の七夕の夜、会いたい人を思い浮かべながら過ごしてみるのはいかがでしょうか。

4. 催涙雨


催涙雨(さいるいう)

七夕の日に降る雨のこと。
雨が降ると天の川の水かさが増し、織姫と彦星は川を渡れなくなってしまいます。会うことが叶わなかった2人の流した涙が、天から地上に降り注いでいるのでしょうか。
いつからか私は、雨が降った七夕の日には「来年は晴れますように」と願うようになりました。

5. 鵲の橋


鵲の橋(かささぎのはし)

カササギの翼を並べてできた橋のこと。
雨が降って織姫と彦星が天の川を渡れなくなってしまったとき、どこからかカササギという鳥の群れが飛んできて、天の川に橋をかけてくれるという説があります。
七夕の雨に涙する2人を救ってくれるような、優しい言葉に思います。

6. 朝顔姫


朝顔姫(あさがおひめ)

織姫のこと。
花を咲かせた朝顔は、七夕の夜に織姫と彦星が出会えたことの証なんだとか。
ちょうど梅雨の時期から開花を始める朝顔。早く目が覚めた日の朝は、お散歩をしながら朝顔の花を探してみるのも素敵ですね。

7. 行き合いの空


行き合いの空(ゆきあいのそら)

季節が移り変わる頃の空のこと。また、織姫と彦星が相合う七夕の空のこと。
1つの空に、2つの季節が混ざり合う頃。それは春から夏かもしれないし、夏から秋かもしれません。きっと空に季節の移ろいを感じる度に、もう1つの意味である七夕の空のことを思い出すのでしょう。

さいごに

最後までお読みくださりありがとうございました。
七夕の夜をめぐる美しい日本語7選、楽しんでいただけましたら幸いです。
それでは、素敵な七夕をお過ごしください。

参考

・古性のち『雨夜の星をさがして 美しい日本の四季とことばの辞典』玄光社、2023年
・堀越英美『エモい古語辞典』朝日出版社、2022年
・学研辞典編集部『情景ことば選び辞典』学研プラス、2019年

(2023/10/09 追記)
本記事が下記マガジンに追加されました。

憧れの古性のちさんのマガジンに掲載していただけるなんて夢のようです。
本当にありがとうございます。

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